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「ラスト・オブ・アス 2」批判に言いたいこと


本記事では「THE LAST OF US PART2」の
ネタバレを含む記事となっております。
これからプレイを考えている人は
クリア後に本記事を閲覧されることを
強く推奨いたします


今回は発売から2年が経とうとしてるゲーム
THE LAST OF US PART 2 (以下ラスアス2と表記)の
ポリコレ批判について
ゲイ当事者のボクの意見を記述していきます

本作が大好きな方であれば
差別的な意見による人達の低評価レビューによって
あまりに過小評価されている状態にモヤモヤを感じている
ユーザーが多いのでは?

賛否が別れやすい衝撃のストーリー展開に難を示した
まともな低評価意見もそれなりにあったが、
ほとんどは差別的で酷いものが多いこの状態に
憤りを感じている。

【 ラスト・オブ・アス2とは?】

このゲームを知らない方に簡単に説明すると
パンデミックが発生して人を襲う
恐ろしい感染者がいる世界の中で
生き残るためのサバイバルアクションゲーム

2013年に一作目が発売
そして7年後の2020年に発売されたのが今作。

大ヒットした一作目

2作目の今作は

・女性同士のロマンスシーン
・妊娠したバイセクシャルの女性キャラ
・マッチョな女性主人公
・自我の信念を貫きコミュニティから
    迫害を受けるアジア系トランスジェンダー男子
・それを守る姉
・巨体の女性の敵

…など多様なキャラクターや描写があり
ゲームという領域を超えた人間模様や
ストーリー展開が衝撃を与えた作品。

【 ポリティカル・コレクトネス 】

■ ポリティカル・コレクトネスとは?

ポリティカル・コレクトネス
(英: political correctness、略称:PC、ポリコレ)とは、社会の特定のグループのメンバーに不快感や不利益を与えないように意図された言語、政策、対策を表す言葉であり、人種・宗教・性別などの違いによる偏見・差別を含まない中立的な表現や用語を用いることを指す。

Wikipedia

■ 批判内容

自分がラスアス2の批判の中で
問題だと思う批判がこちら

「ポリコレに支配されてゲームの良さが消えた!」

・レズビアン描写が気持ち悪い
・LGBTへの配慮でゲームの良さが消えた
・ラスアスはポリコレで政治利用された

大まかにまとめるとこんな感じ。

「LGBT」「多様性」という単語が
メディアでも多く聞けるようになった今の時代
批判している方の思いはこうだろう

「ポリコレを入れたことで
    ゲームの良さがなくなったじゃないか!」

「そんなものは他でやれ!ゲームに入れるな!」

レビュー投稿者はあくまで「”批判”をしているんだ」
というスタンスでいるかもしれないけど
これ立派な差別発言だよね?

■ 問題視することが問題

一つ例をあげる
ある1本の映画にこんな批判がきたとする

・主人公の恋人が黒人だった
    だからこの映画はクソ
・男同士のキスシーンが不快だった
    だからこの映画はクソ
・特に意味もないのに障がい者が出ていた
    だからこの映画はクソ

どうだろう?
「自分が気に入らない属性の人は出すな」
という発言。

これと同じことがラスアス2に
おこなわれているわけなんだけど

「現代の過度な多様性表現に
   苦言を呈しているんだ!えっへん」

とばかりに発言している人が多いように感じる

「差別はしないよ
    でも自分の領域には入ってくんな」

と言ってれば大丈夫だと思っているのかな?

そもそもこういうことを問題だと
することが問題だろ


■ 知識をアップデートしろ 考え方が時代遅れ

こんな批判もあった

「なんでこんなゴリラみたいな女
    操作しなくちゃいけなんだよ w」

本作のもう一人の女性主人公アビー

いやいや女性はお前らの欲求を満たす
コンテンツじゃねーんだよ

男は美男子のマッチョ
女はスタイル抜群の美女
ゲームキャラはこれが当たり前なんだという考えをまず捨てろよ
そもそもラスアスはそんなゲームではないだろ

女性が巨乳美女でないとダメなら
そういうゲームをすればいいだろ

何故「おっこういうキャラも珍しいなー」
というスタンスで楽しめないかな?

女性キャラは常に男の求める
”女らしさ”がないとダメ!みたいな、
そういう目線で見ているところが
マジでキモいなーって思った。

■ LGBTQに”配慮”された作品?

ラスト・オブ・アスの一作目が発売された
2013年、ボクはこのゲームをプレイして
ビルというむさ苦しいおっさんキャラクター
が作中のセリフでゲイだと分かった時
めちゃくちゃ感動した。
周りの人間がゲイに対して驚いた描写がなく
特別視されていなかったからだ。

一作目で登場するビル 男性のパートナーがいた

LGBTという単語がまだメディアでも扱われなかった
2013年の事である。ゲイ当事者として
ゲイの存在が全く色物として扱われていなかった事に
ものすごく希望と感動を味わった。

ラスアス2を制作したゲーム会社
ノーティドッグは世の中のマイノリティに
”配慮”して上記キャラクター達を登場させたのか?
違うでしょ
もはやありきたりなステレオタイプのキャラクターで
埋め尽くされたゲームシーンの中で
「こういうキャラがいてもいいよね」
という考えから登場させているに過ぎないし、
上記キャラクターの登場によって
本作に弊害となったか?と問われれば
100パーセントNoと言える。

ポリコレ批判している人達って
「LGBTのキャラを出せ!」と当事者から命令されたから
制作側がしぶしぶ作品に登場させてる
って勘違いしてる人めっちゃいるんだよな

違 う だ ろ

制作側が登場させたくて出してんだろ
自分にとってノイズなものは
上からの命令で無理やり登場させられてる
だから悪だ!みたいな
自分にとって都合のいい解釈すんじゃねーよ

 【 最後に 】 

一つ勘違いしないでほしいのは
「このゲームは多様性に溢れているから
    素晴らしいゲームだ!」

などとはまったく思ってない。

ボクはこのゲームの
人間臭さがこれでもかと出ている
キャラやストーリー、
退廃的な世界観が大好きだ。

前作に比べ本作は
あまりに暗すぎる内容や
衝撃の展開など、賛否が多く
ポリコレ部分以外でも批判意見が多かったが
自分は断言する。

ラスト・オブ・アス2は違いなく神ゲーです


【 あとがき 】

別に無理に理解はしなくていい。

「LGBTのことは十分理解しているけど
女性同士のラブシーンはちょっと自分は苦手…」

と思うことは仕方ない
しかし自分が嫌だという理由で
排除しようとするのは間違ってる。

「ゲームに出すな!」
「映画に出すな!」

自分は単なる意見として
述べているだけかもしれないが
そういう発言が当事者を
”社会に存在してはいけないもの”
として扱っていないだろうか?

今一度自分の胸に手を当て考えてほしい







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