"獲物"

昔、中学生ぐらいのとき友達と地元の海の防波堤に投げ釣りに行った。そのとき自分の釣り竿に何か今までとは違う感触の引きがあった。少し驚きながらリールで糸をまき釣れた獲物を引き上げたらなんとアナゴが釣れていた。ぼくはびっくりした。アナゴなんてそのときはみたことがないものだった。確かによくある魚とは似ても似つかない代物だ。友達もただアナゴだな珍しいとだけ言っていた。自分はアナゴなんてどうやって食べるんだろうと思いながらとりあえずクーラーボックスの中に入れていた。そしたらしばらくすると僕らのところに小学生ぐらいの子が遊びにきていろいろ僕らの釣れた魚をみにきた。そしたらその子が僕のクーラーボックスを覗いた時びっくりした声でアナゴだ❗️と大きな声を上げた。僕はその時、その子が自分より魚のことに詳しいなと直感した。だから自分の家でアナゴをさばいて料理なんてできないから、いっそのことその子に釣れたアナゴを任せてみようかと思い、その子にこのアナゴよかったら持って帰るかいと聞いてみた。そしたらその子は嬉しそうにうんと頷いてアナゴを持って帰ってくれた。僕は料理の仕方がわからなくて処分に困るより、魚のことに詳しいその子の家庭で料理してもらう方が僕も嬉しかった。
words by kohei chiyomaru

ありがとうございます❗️頑張ります❗️