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kiki vivi lily -Tastyざっくり話

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 先日出たkiki vivi lilyの2nd Full Album!僕目線から自分の仕事を中心にざっくり語りたいと思います!

1.Intro:wip

 アルバムの構成を作る上で「イントロダクションを入れよう」というのは早い段階で決まっていたものの、制作の最終段階で完成したトラック。これは荒田とキキビビ主導で作られたもの。レコーディングや制作中に生まれたアウトテイクをコラージュして作られている。聴いていると1日を過ごしてるように感じられる本アルバムがアラーム音から始まるというのもバッチリ。美味しいもの食べまくりのアルバムがここからスタートする。

2.Lazy

 先行シングルとなったこちらの曲。本人から「k.v.l.Bandとセッションで作りたい」というリクエストをもらって、バンドのみんなでスタジオに入ってアレンジを固めて一発録りで制作された。リズムのノリもコード進行もデモからガラリと変わり、オールシーズン聴けるお気に入りの一曲。

バンドはお馴染み小川翔(Gt), 宮川純(Pf,Org), 山本連(EBa), 伊吹文裕(Ds)。最高のグルーヴ。パーカッション類は荒田&メル郎。口笛も荒田(笑)、シンセ類はメル郎。バンドレックの醍醐味ということで手拍子はみんなで。バンマスだが変にサックスで出しゃばるのことはしなかった。そして最高の録音はStudio Dede。荒田のミックスも洸る(ギャグ)。

3.手を触れたら

 実は前EP"Good Luck Charm"の完成後、すぐに新しい曲を作りたいと連絡をもらって昨年3月には作り始めていた曲。元々はもう少しミドルテンポな曲として制作されていたが、そこから1年以上の熟成期間を経て4つ打ちのアゲアゲ曲へと華麗なる変身を遂げた。荒田のビートと純兄のエレピ&リードソロ以外の楽器類は全部やった覚えがある(笑)。お気に入りのアレンジポイントとしてはCメロ的なブリッジとその後の落ちサビのリハモ部分。ちなみに自分の弾いたエレクトリックベースがリリースされたのは記憶の中では初めてである。

4.Yum Yum feat.Shin Sakiura

 この曲は基本的にマスタリングまでノータッチ。素晴らしいトラックにまた良いメロディーを乗せてくる。軽く爽やかな歌詞も良い。ライブで盛り上がりたい一曲。Ittoくんのラップと歌の中間のようなフロウも最高に気持ちいい。毎夏聴きたい。

5.Whiskey

 本人による弾き語りのデモを聴いていて、J Dilla系のビート感にしようと荒田と僕で盛り上がってそのままの勢いでアレンジを進めた楽曲。この曲は最後までBPM(テンポ)が定まらず、+1 -1というレベルで細かいスピード感を調節して出来上がった絶妙にヨレたビートが特徴。ギターとエレピ、シンセ、クラビ、シンセベースを担当しています。純にぃのピアノがかなりメロウ味を引き立ててくれている。ちなみに要所要所に散りばめられている、アンビエントノイズは僕が行きつけのバーで採集したサウンドたち。盤を手に入れた人はSP Thanksから辿って是非足を運んで欲しい。良いモルトがたくさんあります。そして一回だけ出てくるロイ・ハーグローヴの音を聞き逃さないように。80デニールや、カフェイン中毒に続く"これぞkiki vivi lily"というキラーチューンになったのではないだろうか。

6.Interlude:Tasty

 これは正直インタールードにしておくのは勿体無い楽曲だ。その殆どをキキビビ本人が打ち込みで作ってきてくれた曲で、僕と荒田は軽くアレンジを施した程度だ。ヴォーカルは実はmac book(かiPhone)に向かって歌った本当にメモのような録音が採用された。自分の仕事としてはシンセの音作りと、最後に倍速のドラムを入れたことくらい。kiki vivi lilyは本当にデモの段階での完成度が高いのだ。

7.You Were Mine

 インタールードを挟んで一気にアイランドレゲエへと展開する。キキビビは実は結構なアウトドア派で、ハワイが大好きらしい。そんなキキビビのウクレレと歌唱を軸にコテコテになりすぎない洒落たレゲエサウンドを作り込んだ。この楽曲を語る上で避けられないのが今年10月に急逝したHSU(Suchmos)のプレイだろう。2012年くらいから親交があったので、来年で10年の付き合いになるHSU。ちなみにk.v.l.Bandの山本連(ba)、伊吹文裕(ds)の大学の先輩にもあたる。そんな彼に僕がディレクションをした最初で最期の曲となった。最高に禁欲的でグルーヴィーなベースをありがとう。俺は長生きする予定だからちょっと待たせるけど、またそのうちな。

8.New Day(feat. Sweet William)

 僕は本当にウィルくんの曲が好き。初稿のデモはまたちょっと違ったんだけど、その頃からキキビビも荒田も僕もそのサウンドのファンでしかなかった。本当に素晴らしいトラックになった。そしてこのメロディーと歌詞。kiki vivi lily×Seet Williamは本当に切なく、儚い。後半のピアノは実はサンプルではなく宮川純が弾いている。そしてそのディレクションは僕が担当した。ウィルくん、純にぃ、僕という愛知県出身者によるチーム感が出せたのも個人的には嬉しい。

9.Onion Soup

 これはデモを一聴したときから絶対に弾き語り、一発録りでアルバムの最後に収録すべきだと決めていた。だからキキビビ本人がサウンドアレンジを望んでも絶対にやらないと突っぱねて(笑)結果的に弾き語り、一発録り(しかも1テイク!!!!!!!!!!!)となった。ミックスの都合上歌とピアノは別録りがいいとエンジニアの吉川さんにも言われたがその判断を覆し、余りあるkiki vivi lilyのソングライター、シンガーとしての素晴らしさを感じて欲しい。

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 ということでいよいよ今月からTastyのツアーが始まります。

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 kiki vivi lilyとk.v.l.Bandとしては初めての本格的なツアーになります!実はね、キキビビはライブがめちゃくちゃ楽しいんです!是非遊びに来て下さいね!!!

 ということで今夜はこんなところで/

(2021/12/05)

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