Kohei ARAYA

科学教育研究者? 2024年は毎週1本何かについての記事を書きます。

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最近の記事

研究者のアイデンティティ(2):Inouye & McAlpine (2019)の感想

今回の記事では,研究者のアイデンティティ(Researcher Identity)にかかわって,執筆活動とフィードバックに関するレビュー論文を紹介します。 紹介する論文はこちら: Inouye, K., & McAlpine, L. (2019): Developing academic identity: A review of the literature on doctoral writing and feedback. International Journal o

    • 研究者のアイデンティティ:Castelló et al. (2021)の感想

      研究者ってなんだろう。 研究者としてどうやって生きていこうか。 研究者やそれを志す人なら,一度は思い悩んだことがあるのではないでしょうか。 しかしなかなか答えは出ません。 今回の記事では,答えを出すための一つのヒントになるのではと,研究者のアイデンティティ(Researcher Identity)に関するレビュー論文を紹介します。 紹介する論文はこちら: Castelló, M., McAlpine, L., Sala-Bubaré, A., Inouye, K., &

      • 質的研究のための学術論文執筆基準(7):修辞スタイル

        はじめにアメリカ心理学会(APA)から公表されている「質的研究のための学術論文執筆基準」(Journal Article Reporting Standards for Qualitative Research,以降,「質-JARS」とします)について紹介します。 今回紹介する本はこちら Levitt, H. M. (2021). Reporting Qualitative Research in Psychology: How to Meet APA Style Jour

        • 質的研究のための学術論文執筆基準(6):考察

          はじめにアメリカ心理学会(APA)から公表されている「質的研究のための学術論文執筆基準」(Journal Article Reporting Standards for Qualitative Research,以降,「質-JARS」とします)について紹介します。 今回紹介する本はこちら Levitt, H. M. (2021). Reporting Qualitative Research in Psychology: How to Meet APA Style Jour

        研究者のアイデンティティ(2):Inouye & McAlpine (2019)の感想

          質的研究のための学術論文執筆基準(5):知見/結果

          はじめにアメリカ心理学会(APA)から公表されている「質的研究のための学術論文執筆基準」(Journal Article Reporting Standards for Qualitative Research,以降,「質-JARS」とします)について紹介します。 今回紹介する本はこちら Levitt, H. M. (2021). Reporting Qualitative Research in Psychology: How to Meet APA Style Jour

          質的研究のための学術論文執筆基準(5):知見/結果

          質的研究のための学術論文執筆基準(4):データ収集・分析

          はじめにアメリカ心理学会(APA)から公表されている「質的研究のための学術論文執筆基準」(Journal Article Reporting Standards for Qualitative Research,以降,「質-JARS」とします)について紹介します。 今回紹介する本はこちら Levitt, H. M. (2021). Reporting Qualitative Research in Psychology: How to Meet APA Style Jour

          質的研究のための学術論文執筆基準(4):データ収集・分析

          質的研究のための学術論文執筆基準(3):研究参加者

          はじめにアメリカ心理学会(APA)から公表されている「質的研究のための学術論文執筆基準」(Journal Article Reporting Standards for Qualitative Research,以降,「質-JARS」とします)について紹介します。 今回紹介する本はこちら Levitt, H. M. (2021). Reporting Qualitative Research in Psychology: How to Meet APA Style Jour

          質的研究のための学術論文執筆基準(3):研究参加者

          質的研究のための学術論文執筆基準(2):タイトル・アブスト・序論

          はじめにアメリカ心理学会(APA)から公表されている「質的研究のための学術論文執筆基準」(Journal Article Reporting Standards for Qualitative Research,以降,「質-JARS」とします)について紹介します。 今回紹介する本はこちら Levitt, H. M. (2021). Reporting Qualitative Research in Psychology: How to Meet APA Style Jour

          質的研究のための学術論文執筆基準(2):タイトル・アブスト・序論

          質的研究のための学術論文執筆基準(1):方法論的整合性

          はじめにアメリカ心理学会(APA)から公表されている「質的研究のための学術論文執筆基準」(Journal Article Reporting Standards for Qualitative Research,以降,「質-JARS」とします)について紹介します。 今回紹介する本はこちら Levitt, H. M. (2021). Reporting Qualitative Research in Psychology: How to Meet APA Style Jour

          質的研究のための学術論文執筆基準(1):方法論的整合性

          良い質的研究とは?:Tracy(2010)の紹介

          良い質的研究とは、どのようなものなのでしょうか? 量的研究に比べて、質的研究の良さ、品質、クオリティを判断する基準は曖昧であるように思います。 今回は、良い質的研究とはどのようなものなのか?について考えるための一つの手がかりとして、Tracy(2010)を紹介します。 Tracy, S. J. (2010). Qualitative quality: Eight “big-tent” criteria for excellent qualitative research. 

          良い質的研究とは?:Tracy(2010)の紹介

          ゆく年くる年,書く年読む年

          あけましておめでとうございます。 2024年は書いて読む年にしたいと思います。 noteで毎週土曜日に1本の記事を書きます。 多くは研究に関するものになるかもしれませんが,日々の色々なことについて書ける範囲で書いていきます。 以前,日記をつけていたことがあったのですが,それを少しオープンな形でやってみようという取り組みです。 日記,エッセイ,自叙,戯言,メモ……どうなるかはわかりません。 最も大事なことなのに最も難しいことは,「続けること」でしょうから, 無理のない範囲で,

          ゆく年くる年,書く年読む年

          理科教育学についての私見:拙稿の反省から

          静岡県の片隅で 静岡市は静岡県中部に位置する政令指定都市で,日本で最も深い湾である駿河湾に面している。 気候はとても温暖で穏やかで,雪が殆ど降らず,一年を通して晴れ間が広がり,日本最高峰の富士山を眺めることができる。 筆者の所属する大学の研究室からも,年中富士山や駿河湾を眺めることができた。 研究に疲れた時には,夕方に研究室を飛び出して,駿河湾に沿う国道150号線を自転車で走り抜けた。 その最中,砂浜に転がる流木に腰を下ろし,富士山や駿河湾と自分自身を重ね合わせて,私自身の無

          理科教育学についての私見:拙稿の反省から

          理科教育学研究の方法についての一考察

          私がこんなふうにB-612の星の話をして、番号にこだわるのは、実は大人のためなのだ。大人は数字が好きだ。新しくできた友人のことを話すとき、大人はほんとに大切なことは訊かない。「どんな声の人?」「一番好きな遊びは何?」「蝶のコレクションをする人?」などとは絶対に訊かない。「その人はいくつ?」「兄弟は何人?」「体重は?」「お父さんの収入は?」などと訊く。それでどんな人かわかったつもりになる。 『星の王子さま』, サン=テグジュペリ(著), 倉橋由美子(訳), p. 24 本稿の

          理科教育学研究の方法についての一考察