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#76 失敗の恐怖を取り除く3つの方法(2024/04/30)

新しい仕事に直面した時に、「やってみます。」という人と「やったことないので出来ません。」という人がいます。

もちろん前者はどんどん仕事が出来るようになります。
前者のスタンスの若手と後者のスタンスの中堅で、その時点では中堅の方が仕事が出来るということもありますが、すぐに逆転します。

出来る事しかやらない人で回る仕事であれば特に問題は起きません。
むしろ、同じ事でも淡々とやり続けられることが重宝されることもあります。
しかし、私の職場は定型業務で利益が出る程には安定しておらず、むしろ成長を求めて新しい事にどんどんチャレンジをしようとしています。

そんな環境にも関わらず定型業務以外を避けるのはなぜなのかを考察します。

◯定型業務以外を避けるメンバー

そのメンバーAさんは中途の営業職で入社してから2年弱。旅行会社出身で、旅行会社向けのシステム開発をしている私の会社とも親和性が高いです。
入社当初はシステム開発の経験が不足していましたが、入社後に大小の開発プロジェクトにも参加しキャッチアップに十分な期間は経過しています。

しかし、定型業務以外にはなかなか手を出そうとしません。
顧客からの問い合わせはエンジニアや営業の上司に横流しするだけで、連絡係に徹しています。
指示された資料作成などは対応するのですが、チーム内での意思決定が必要なシーンでは我関せず。

あるプロジェクトで、テスト業務の一部を依頼したところ「やったことがないので完遂出来そうにありません。どうすればよいでしょうか?」とすぐに上司に相談。(営業がテストするの?と思われるかもしれませんが、プロジェクトによって営業、エンジニア、テスト部隊で臨機応変に対応しています。)
これまでのプロジェクトでテスト業務は経験しているのに、どうやって進めるかを自分で考えることなく丸投げです。。。

決して仕事に対してやる気がないわけではないのですが、どうしてこのような対応になってしまうのでしょうか。

〇失敗を過度に怖がる理由

出来る仕事を選んでアサインするにも、管理側のコストがかかります。Aさん自身の評価も下がることになり、お互いが幸せになれません。

Aさんが定型業務以外を避ける主な理由は、「失敗が怖い」ということかと思います。
誰でも失敗は怖いものですが、失敗を恐れて今出来ることしかやらないと、いずれAIに仕事を奪われることになり、よっぽど恐ろしいのですが。

では、なぜ失敗が怖いのか?

①周りから失敗したと思われるのが怖いという評価の観点
②失敗した場合の影響がわからないのが怖いという責任の観点
③成功への道筋がわからないず何をすれがいいのかわからないから怖いというプロセスの観点

これらの観点が絡み合い、出来ないことを出来るようになるために一歩を踏み出すことができなくなってしまっているように見えます。

◯失敗の恐怖を克服する方法

誰でも最初からうまく出来るわけではないので、失敗してもいいからやってみて修正していくしかありません。
アサイン側に出来ることは、失敗の恐怖を減らしチャレンジしやすいような工夫でしょうか。

①周りから失敗したと思われるのが怖いという評価の観点

「失敗した人」と周りから見られてしまうのは当然気持ちの良いことではありません。
しかし、失敗をしない人はいません。エースと呼ばれるような人も、近くで仕事をしていると小さな失敗をちょこちょこしていることがわかります。
ただ、外からは小さな失敗が見えてないだけなのです。

周りは1つ1つのアクションではなくプロジェクトを通して成功・失敗を認識するので、小さな失敗を重ねることは自身の評価を下げることにはつながらない。
小さな失敗をシェアして互いの学習に繋げ、プロジェクトの成功にフォーカスする動きはむしろプラスの評価であることを認識してもらいましょう。

すると、「やってみる」「失敗を振り返る」「学びをシェアする」という動きへの抵抗を減らせるのではないでしょうか。

②失敗した場合の影響がわからないのが怖いという責任の観点

社運をかけたビッグプロジェクトが自分の双肩にかかると考えると萎縮してしまうのは仕方ないです。

しかし、そんな責任重大な仕事をAさんに任せるべきではないことはマネジメント側はわかっていますので安心していただきたいですね。
仮にコケてもリカバリー可能な範囲でアサインしています。

リカバリーの方法、いつまでにエスカレーションが必要か、進め方に関してのチェックポイントを設けるなど、セーフティーネットを設けることで肩の荷を軽くすることができます。

③成功への道筋がわからないず何をすれがいいのかわからないから怖いというプロセスの観点

プロジェクトがどういう工程を経てゴールに到達するのかの全容が把握出来ていないと、自分に任せられた仕事が失敗した時の影響がわからず、責任が取れるかが不安になり動けないということもあります。

地図を持たずに山を登るのは怖いというのと同様です。(そもそもそんな無茶はさせないのですが。。。)

全体の工程の中のどの部分、前後の工程との関係性、任せる仕事のゴール条件(いつまでに何をやればよいか)、失敗しそうな時のエスカレーションパスなど、地図の代わりになるような情報を伝えることで暗中摸索の状態から視界が開けるのではないでしょうか。


失敗の恐怖を克服するにな、Aさん自身の考え方のアップグレードは不可欠ですが、マネジメント側が担える役割も大きいです。

マネジメント側の手間は大きいですが、チームのパフォーマンスを最大化するためにも取り組むべき課題ということで、紹介させていただきました。


最後までお読みいただきありがとうございました。

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