画像SNS「Pinterest」の今後の優位性を妄想してみた

最近気になっている企業、『Pinterest』について何で気になっているのか、期待しているのか言語化してみました。

Pinterestって?

Pinterest(ピンタレスト)は、ウェブサイトやPinterest上にある画像を集める、画像収集サービス。
ファッションや家具、風景、飲食店などなど、幅広いジャンルで利用されている。アジア圏ではまだ普及していないが、アメリカではママの80%が使っているメジャーサービス。

基本情報

ユーザー数:MAU 4.78億人(Q1 2021 決算より)YoY+30%
メインユーザー:30〜40代の女性ユーザー
売上:約1.7Bドル (2020年通期) = 約 1,700億円 (YoY + 78%)
ARPU(ユーザー当たり売上):世界全体 $1.04 (YoY +34%)、アメリカ $3.99、海外 $0.26(Q1 2021
PSR(企業価値 / 売上):14.1(2021年5月)

DLランキング:iOS / Android ともにライフスタイルカテゴリーでは、ほぼずっと1位をキープしています。

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ビジネスモデルは広告モデル。ユーザーを集め、広告を表示することで広告主からお金頂く。主な広告主は、EC事業者。

デジタル広告は成長市場。他広告媒体がコロナ下で成長率がマイナスに陥る中、デジタル広告は 3.2%の成長、2021年は約10%の成長見込み。

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本題:なんでPinterestに注目しているのか

さて、ここまではPinterestや、それを取り巻く市場環境についてザッとまとめましたが、ここから何で注目しているのか感じていることをツラツラと。

ちなみに一応ですが、あくまで長期トレンドでの可能性を感じていて、目先の上下は考えていません。

むしろ短期的には、メイン広告主であるEC企業が今年はコロナの反動、いわゆるピークデジタルで厳しくなると言われる中で、Pinterestにも逆風になり得ると考えています。

また細かい論点、例えば「海外ARPUはまだ上昇余地が〜」みたいなのも意図的に割愛。既に巷でも言われているので改めて自分がアウトプットする必要性も薄いかなと。

消費者の初回検索がGoogleから、それ以外へと変化

皆さんがECで買い物をしたい時に何を使いますか?自分はAmazonのサイトに飛んでそこで検索します。Amazonへの体験価値が高く、ロイヤリティが醸成されているからこそ、比較検討するのも面倒だし、Amazonに直接向かいます。

インターネットが発達し、充実したサービスが出揃ってくると、こんな感じでGoogle検索バーに打つ人の「割合」は年々減っていくのではないかと思っています。

その他にも、最近の若い人たちは近場でランチを検索するときに、Instagramを使って「#渋谷 #ランチ」などと検索するそう。

確かにGoogle検索だと、ぐるなびとかRettyとかが必ず出てきて、そこの「文字を読んで」、「比較検討して」、「意思決定する」っていうステップがかなり面倒。しかも「渋谷 ランチ」とかでGoogle画像検索という技を使っても、結局はお店がキレイに撮ったランチ写真ばっかで、実際にお店に足を運んでみるとイメージと違う、なんてこともあったり。

その点でやっぱりインスタとかで消費者が投稿した写真の方が安心、というメリットはあるのかなと。

そんな中で、①何かに特化し消費者のマインドシェアを獲得している、②テキスト以外での訴求が重要になっているように感じています。

メディアのリッチ化

メディアのリッチ化でいうと、業界の人には当然ですがメディアの流れとして、「テキスト⇒画像⇒動画」といったリッチ化が進んでいます。ちなみにですが、動画の次はプレイアブルなフォーマットが次世代候補と言われています。

その流れでいうと、テキストでの検索であるGoogle検索の優位性は低下し、画像や動画メディア、それらの検索の重要性が高まってくるのは必然です。

とはいえ何でもかんでもリッチになれば良いかというと、それも違っていて、目的によって最適なフォーマットがあります。

Pinterestは先述のようにファッションや家具などでの利用用途が多いのですが、それらを購入しようと比較検討するときに、動画だと時間もかかるので画像でサクッと比較検討できる方が便利なシーンが多いように思います。

Pinterestユーザーの利用目的は商品の発見&購入

とはいえ、他にもSNSが多くある中で Pinterest の優位性が何かというと、まさに商品検索・購入時のマインドシェアを取れていることかと思っています。

eMarketerのデータによると、Pinterst利用目的の半分が商品の発見&目的となっていて、他SNSの5倍前後というとても高い値になっています。

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何か商品を購入しようとする際に、アメリカではGoogle検索、Amazonでの検索以外に、Pinterestでネットサーフィンして探すというマインドシェアを取れているのかと思います。

まとめ

思ったままに書いていったので、最後に言いたかったことをまとめると、

①Google検索が使われる「割合」が減っていくのでは。なぜなら、テキストでの検索の優位性が特定の分野においては、失われていくから。

②消費者が検索する時、最初にどのメディアで検索するか、そのマインドシェアを獲得できることが重要。そしてPinterestは、そのマインドシェアを獲得できている。

大きな流れでいうと、これらの理由がPinterestに長期的な可能性を感じている理由です。

消費者の購買ファネルであるAISAS(認知・興味・検索・購入・シェア)の「検索」部分のシェアを高め、一時代を築いたGoogle検索ですが、そういう意味では次世代の検索としてPinterestも検索シェアの大きな部分を奪っていくことがあるかもしれません。

買収もありなんじゃ・・(おっと誰か来たようだ ( ∂∀ ∂)

ただし、テキスト vs 画像 での検索シーンを考えても、毎回、画像に軍配が上がるわけではなく、BtoB製品など、テキストでの比較の方が適している分野も多々あるので、あくまでシェアの一部を奪っていくにとどまるかとは思っていますが。

長くなってしまいましたが、今回は以上です。

「広告×アプリ」ということで、自分の仕事の分野に近いので、最初にPinterestを取り上げてみました。

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