SaaSビジネスにおける重要財務指標メモ

自分へのメモがてら。

SaaSビジネスとして、投資家が確認したい重要な財務指標をピックアップしてみた。

さらに自社のビジネスの状況を他SaaSと横比較できるという意味では、自社ビジネスの特徴や伸びしろがどこにあるのか、等を知る上で自社にとっても重要。必ず追っておきたい指標ですね。

前提、海外投資家向けの指標もあったりするので、国内投資家向けに fund raising を考えている企業にとっては、不要な指標 (そこまで重要視されてない) もある。

  • PSR:企業価値対売上高の倍率。コロナによるDX気運の減速や、金利上昇によりだいぶ相場は下がってきたが、ざっくり5~10倍程度のイメージ。

  • 売上

    • 顧客数:導入企業数。フリーミアムモデルの場合と有料のみで意味合いが異なる

    • 顧客単価 (ARPU):販管費との絡みで顧客単価はかなり重要。単価安いSaaSはSales人員の費用をいつまでも賄えなくなる (LTVに対してCACの割合が高止まりしてしまう)

  • 商材別売上

    • Subscription:定額部分の売上

    • Add-ons / Professional Services / Others:追加的な売上。導入コンサルの売上など

  • 売上高成長率:前年同月比が主。許容PSRに大きくインパクトがあるので超大事。グロース株というのであれば、国内SaaSでも30~40%、海外SaaSなら50%以上は欲しい。

  • MRR・ARR:月次売上・年間定期売上

  • NRR:昨年同期間に獲得した顧客が、今年どれだけの売上増加しているか。アップセル分と、顧客解約分も含んだ計算。国内SaaSだと100%超えてれば優秀、海外だと120-130%超えてれば優秀。

  • 受注残 (売掛):受注しているものの、まだサービス提供してないため売上計上していない売上分

  • 売上原価:サービス提供のためのコスト。売上が伸びるほど、原価が逓減するモデルが構築できているのかがクソ大事。

    • サーバー代:サービス維持のためにかかるサーバー代

    • CS人件費:カスタマーサクセス人件費

  • LTV:1社の顧客から生涯に渡って得られる収益

    • 月次チャーンレート:月次の解約率。1%切ってればかなり優秀。2%以下で優秀。

    • 月次ARPU:月次の顧客単価

  • EBITDA:簡易的なキャッシュフローの計算。色々な計算式があるが、便宜的には営業利益 + 減価償却費でOK。株主へ還元できる金額の目安になる。

    • 営業利益

    • 減価償却費:資産となる項目 (例:ソフトウェア資産など) を一括で費用計上せず、分割で計上する際の費用項目

  • CAC:顧客1社あたりの獲得コスト

  • ユニット・エコノミクス:事業の経済性を測るモデル。SaaSの場合はLTVとCACを比較して、3*CAC < LTV が望ましいと言われる

  • Magic Number:セールス&マーケティング費を1投下した場合に、ARRがいくら伸びるかを示す指標。セールス&マーケ費用を1年で回収できるという意味で、1を超えたら優秀と言われるが、目安は0.75としてベンチマークされることが多い。国内より海外SaaSの方が開示している企業多い

  • 40% rule:売上成長率 + 営業利益率。40%を超えてれば優秀だが、国内だと満たす会社はかなり少ない。。

ざっと洗い出してみるとこんな感じ。

自分も米国株の投資やってますが、この辺の数字を見て他SaaSと横比較し、投資有無を判断します。対投資家としても重要。

さらに自社のビジネスの状況を他SaaSと横比較できるという意味では、自社ビジネスの特徴や伸びしろがどこにあるのか、等を知る上で自社にとっても重要。必ず追っておきたい指標ですね。

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