こはる心理カウンセリング室

臨床心理士で公認心理師です。青年期・成人期の個人カウンセリングが専門です。ストレスケア…

こはる心理カウンセリング室

臨床心理士で公認心理師です。青年期・成人期の個人カウンセリングが専門です。ストレスケアを学校や企業、家庭など身近に取り入れてもらえるような活動に取り組んでいます。https://koharushinri.jimdofree.com/

最近の記事

言葉にならないもの -雨の火曜日-

かけがえのないもの 個人にとってかけがえのないものが、他の人にも同じように、かけがえのないものであるかどうかわかりません。むしろ同じではない方が当たり前でしょう。だから、誰かと共有できた時には、より一層かけがえのなさが強まるのかもしれません。だとすると、物事のかけがえのなさを「共有できる誰か」の存在こそが、かけがえがないものとも言えるのではないのでしょうか。「旅は道連れ、世は情け」を辞書で調べると、以下のように説明されています。 これは、「旅は道連れ、世は情け」の意味を問わ

    • 多職種研究会報告-家族教室の実践-

      2、3ヵ月に一回くらいで、対人援助職の研修会を開催しています。「心のケア多職種研究会Lemonade」という会を立ち上げ、医師、看護師、作業療法士、精神保健福祉士、薬剤師、教員、就労支援施設職員、マッサージ師、心理職等々、多職種で集まって勉強を続けています。 2024年5月19日には、「家族心理教育のあり方-精神科病院での実践-」というテーマで開催しました。精神科病院で、精神障害を抱える患者様のご家族のための家族教室の取り組みを話していただきました。講師は、作業療法士と臨

      • あじさい 自分らしく暮らせるように

        あじさいの咲く季節になりましたね。 この頃は、 色んなタイプのあじさいがあって、 驚かされます。 精神科病院で担当していたグループに、 「あじさい会」というグループがありました。 以前の担当者から引き継いだのですが、 せっかくかわいい名前がついているので、 会の説明をこんな風にして伝えていました。 あ  明日への希望を持てるように じ  自分の生活を自分で決められるように さ  寂しく不安になる時もあるけれど い  一緒に話していきましょう この説明を始めて、

        • 彫刻家舟越桂さんを偲んで 彫り出される生命や主体性について

          彫り出される人物の存在感 2024年3月29日、舟橋桂さんは旅立っていかれました。72歳でした。謹んでご冥福をお祈りいたします。 舟越さんは岩手県盛岡市で出生し、楠を素材にした木彫作品を数多く創作した芸術家です。木から掘り出された人物の多くは半身像であり、油絵の具で色付けされ、独特の存在感を放っています。日常で出会いそうな人物から、スフィンクスや、山や川などの自然の風景が擬人化された人物も作品になっています。舟越作品の人物たち、彼ら彼女らは崇高な雰囲気を醸し出していま

        言葉にならないもの -雨の火曜日-

          大丈夫、大丈夫?

          「私は大丈夫」 (だから心療内科受診は必要ない) 「私は大丈夫」 (だから相談してもどうせ同じ、一人でいいんです) 「私は大丈夫」 (だから相談して、今より少し良い状態を考えてみたい) 「私は大丈夫」 (だから自分の中の色んな感情を認められるのかも) 「私は大丈夫」 (だから            ) 「私は大丈夫」 (だから            ) 大丈夫にも色々ありそう 耳を傾けてみよう

          丁寧にページをめくる -カウンセリングについて-

          ページをめくっていて ついめくりすぎてしまうことがありますよね めくりすぎたページを遡って 今度は丁寧に そのページを読む、眺める そういう作業を 心理カウンセリングの中では 行っているのかもしれません

          丁寧にページをめくる -カウンセリングについて-

          やわらかあたま教室③ 雨のどんより気分解消に

          精神科病院で実施されている プログラムの中に、 メタ認知トレーニングという リハビリテーションがあります。 メタ認知トレーニングとは、 自分のものの見方の傾向に 気づく力を育て、 考え方の幅を広げることに 役立つプログラムです。 そして メタ認知トレーニングを 取り組みやすく工夫した プログラムに、 やわらかあたま教室 というものがあります。 やわらかあたま教室の最初には、 あたまのストレッチとして、 ウォーミングアップとして、 最初に同じ平仮名で始まる言葉を たくさん

          やわらかあたま教室③ 雨のどんより気分解消に

          モヤモヤを解消したい

          なんかモヤモヤする… あぁスッキリしたい。 そう感じることは、 日常の中でたくさんあるのではないでしょうか。 そもそも、 モヤモヤってなんでしょう? どうしたら解消できるのでしょう? 怒りだけでもない、 不満だけでもない。 「これだ!」と 断定できない感情が与える不快な状況、 それがモヤモヤなのかなと思います。 何だか得体の知れないもの、 感情、 状況に対面しているのかもれない。 それで今私はモヤモヤしているのかも。 そう気づくだけでも、 得体の知れない何かは 少し形

          将来の不安 先が見えない不安

          これから先どう生きていけばいいのか? 先が見えなくて不安…。 例えば、 精神科やカウンセリングルームに初めて行く時、 上に書いたような 不安な気持ちでいっぱいになっている時かもしれません。 精神科医中井久夫先生は、 患者さんに 「私はこれからどうなるのでしょう」 と尋ねられたら、 次のように答えるとおっしゃっています。 「医療と家族とあなたとの 三者の呼吸が合うかどうかによって これからどうなるかは大いに変わる」 何よりも大切なのは 「希望を処方する」 ことともおっし

          将来の不安 先が見えない不安

          コラージュ療法 職員のこころのケア

          以前勤務していた精神科病院で、スタッフに向けたコラージュ療法体験会を開催しました。 一人の精神科医の先生が、 「患者さんはもちろんだけど、 スタッフも体験して、 楽しんだり夢中になったりしてほしい」 と言ってくださり、 企画が立ち上がったのです! コラージュ療法とは、 雑誌やポスターから、 絵や写真、文字を切り抜き、 画用紙に貼り付けるものです。 ただそれだけ(笑) でも、 自由に、 気持ちが向くままに、 切ったり貼ったりしているうちに、 心がすっきりしたり、 おだや

          コラージュ療法 職員のこころのケア

          やわらかあたま教室② 自分のせい?相手のせい?

          人は混乱した時ほど、何か原因を探したくなります。 自分のせい? 相手のせい? どちらかに偏って、 決めつけてしまうことってありませんか? 自分の物の見方を少し見直して、 バランスの良い物の見方ができるようになるために、 メタ認知トレーニングが役立つことがわかってきました。 そのプログラムを さらに楽しくわかりやすくしたものが、 やわらかあたま教室のプログラムです。 今起きている状況について、 次の3つの視点で考える グループワークを 行います。 自分のせいかも?

          やわらかあたま教室② 自分のせい?相手のせい?

          やわらかあたま教室①

          先日、 精神科リハビリテーション研修、 やわらかあたま教室研修会に参加しました。 やわらかあたま教室とは、 メタ認知トレーニングを 基礎にしたリハビリプログラムで、 東尾張病院の臨床心理士古村健先生が 開発されたものです。 当時勤務していた精神科病院の グループワークで私も担当していました。 偏った考え方をしてないか? あいまいな状況を把握できているか? あわてて早とちりをしていないか? そう言われてみると、 誰でもあることですよね。 バランスの良い物の見方、 考え方

          ギャップも魅力 パクチーの花

          これはパクチーの花です。 あの刺激的な臭いとは かなりのギャップを感じませんか? レースでできているような可憐な花です。 ギャップも含めて、 魅力を感じます。 植物も人も。 (20190509記載)

          ギャップも魅力 パクチーの花

          笑顔になれる花

          雨上がりは、 花や緑が生き生きして見えますね。 ひまわりは、 明るい 元気 さわやか といったイメージが湧きます。 笑顔がすてきな方から、 ひまわりの花束をいただきました。 その方のイメージと重なって、 元気がもらえて、 自然と笑顔になれるなと感じます。 あたたかい良いイメージが重なると、 もらえるパワーが倍増するみたいです。 (20190529記載)

          ずっとそこにありました

          いつかの休日 前から気になっていた 美術展に行きました 展示を巡り 画家の生き方や 創作物に出会う中で 見ているこちらの内側から インスピレーションが 湧き出してくるような とても嬉しく 満たされる時を過ごしました そして ミュージアムショップで 幾つか関連グッズを購入して 帰ったのでした それから数ヶ月後の平日 あんなに ワクワクして 買ったのに 棚に入れたままにしていました それを探してみました しまったはずの棚を 探しても見つかりませんでした 収納

          ずっとそこにありました

          リラックス 呼吸法

          自分のこころと身体のベースを作っているもの。 それが呼吸なのだ と改めて感じることが増えてきました。 先日参加した災害支援の研修では、 災害などで大きく動揺されている方に、 まず椅子に座ることや、 お水を勧めて、 ちょっと深呼吸してみましょうかと、 声をかけるロールプレイを体験しました。 あわせて、呼吸を整えるヨガの実践を学びました。 色々な呼吸法があるので、 ここでもご紹介していこうと思っています。 まずは、心を落ち着かせるための呼吸のキーポイントだけ書いておきます