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琥珀的詩

10
2022年3月~5月
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記事一覧

琥珀的詩(10)

<のぼる> おひさま のぼる やま のぼる はしご のぼる かべ のぼる かいだん のぼ…

道海裕
2年前
4

琥珀的詩(9)

<密語> 仔鹿のいきに草叢のにおい さわげば爆ぜる果実のかわ 雨は遠く 原っぱにことり 呼…

道海裕
2年前
4

琥珀的詩(8)

<或る神秘主義者の一日> 夕刻 闇より彼はめざめる 真新しいシャツにジーンズを履き 三和土…

道海裕
2年前
2

琥珀的詩(7)

<青空> 白い雲のうえに鉛筆で書いてみる はじめこそ読まれなかった文字の列は 一行二行三行…

道海裕
2年前
7

琥珀的詩(6)

<祈りの鳥> 羽のビブラート 翔べ 透き通る 風のトンネルを ひたすらに 天に向かって祈り…

道海裕
2年前
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琥珀的詩(5)

<旅籠> 有象無象の宿が火を灯す 山をくだってきた旅人は湯をもとめ 赫らんだ顔を酒でまぎら…

道海裕
2年前
3

琥珀的詩(4)

<おもかげ> お前の顔を胸に抱いて まことにあたらしい 女の微笑み くたびれた駅舎 父は出かけた 公園で輪のおどり もうみな帰っちゃったのかしら 天使の影

琥珀的詩(3)

<幾何学の街> 電線のない街まで飛んでいきたい 街の朝は垂直にやってきて 真夜中が放射状に…

道海裕
2年前
4

琥珀的詩(2)

<歳月> ひいふうみい 指折り数えるとは 亀の歩み のたりのったり のたりのったり お迎えで…

道海裕
2年前
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琥珀的詩

<アフターヌーン> 光のこぼれる  水たまり はじけ とけて もえる 幼な子の頬のごとく う…

道海裕
2年前
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