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<のぼる> おひさま のぼる やま のぼる はしご のぼる かべ のぼる かいだん のぼ…
<密語> 仔鹿のいきに草叢のにおい さわげば爆ぜる果実のかわ 雨は遠く 原っぱにことり 呼…
<或る神秘主義者の一日> 夕刻 闇より彼はめざめる 真新しいシャツにジーンズを履き 三和土…
<青空> 白い雲のうえに鉛筆で書いてみる はじめこそ読まれなかった文字の列は 一行二行三行…
<祈りの鳥> 羽のビブラート 翔べ 透き通る 風のトンネルを ひたすらに 天に向かって祈り…
<旅籠> 有象無象の宿が火を灯す 山をくだってきた旅人は湯をもとめ 赫らんだ顔を酒でまぎら…
<おもかげ> お前の顔を胸に抱いて まことにあたらしい 女の微笑み くたびれた駅舎 父は出かけた 公園で輪のおどり もうみな帰っちゃったのかしら 天使の影
<幾何学の街> 電線のない街まで飛んでいきたい 街の朝は垂直にやってきて 真夜中が放射状に…
<歳月> ひいふうみい 指折り数えるとは 亀の歩み のたりのったり のたりのったり お迎えで…
<アフターヌーン> 光のこぼれる 水たまり はじけ とけて もえる 幼な子の頬のごとく う…