マガジンのカバー画像

ちはるのファーストコンタクト

ファーストコンタクトは相互理解への第一歩。このマガジンでは、私が考えていることの第一歩をできるだけそのままの形で公開していきたいと思います。話題は、アドラー心理学、教える技術、研… もっと読む
毎週月曜と金曜にブログを書いています。それ以外の曜日では、過去記事の切り抜き、質問受け付け、本の紹… もっと詳しく
¥500 / 月
運営しているクリエイター

記事一覧

【ブログ】Zoomミーティングで直接質問を受けることの意味

2024年5月17日(金) eスクールの科目「スタディスキル」と「データリテラシー1」の受講生を対象としたZoomミーティングを月一回設定している。先日、その1回目を行った。それぞれ1時間で、30人ほどの学生が参加した。 最初に4-5人の学生をサイコロでランダムに当てて、近況報告をしてもらう。そのときどこにいるかも言ってもらうのだが、練馬もあれば、カリフォルニアもあり、ということでこれがeスクールらしい。 残りの時間は質問を受け付ける。時間いっぱいまで質問が出てくる。W

【本】イアン・パーカー『ラディカル質的心理学―アクションリサーチ入門』:(3) インタビューとナラティヴ

2024年5月16日(木) 2021年9月19日(日) イアン・パーカー『ラディカル質的心理学―アクションリサーチ入門』を紹介しています。前回の記事では、アクションリサーチの方法としてエスノグラフィを取り上げました。今回は、インタビューとナラティヴについて取り上げます(言説分析と精神分析については省略します)。この本の紹介は今回で最終回となります。 インタビューインタビューから本当に役立つ構造を発見するためには、カオスからことを始めなくてはなりません。インタビュイー個人

【質問】別領域の修士課程に再度入学するのはおかしいか

2024年5月15日(水) 質問は「マシュマロ」からお送りください。匿名で送ることができます。 2022年11月10日(木) 質問先日、社会科学系の修士課程を修了しました。今後の進路のことで悩んでいます。ぜひ向後先生にアドバイスをいただきたいです。 社会人になってから大学進学し、学部は学際系の学部を卒業しました。修士課程では、入学後(在学中)に専攻領域が消滅してしまったため、これまで、これといった専門の学びを積み重ねていないことが私の悩みです。そこで、私の研究関心によ

【アドラー教科書】(5) 21世紀のアドラー心理学の教科書の構成

2024年5月14日(火) ここまで、アドラー心理学の入門書の構成をいくつか示しながら、その特徴を紹介してきました。それを踏まえて、21世紀のアドラー心理学の教科書を書くとしたら、どんな構成が考えられるでしょうか。以下に私のアイデアを提示してみました。 1) イントロ:よく生きるための科学 第1部:ライフスタイル(自己覚知) 2) ライフスタイルの形成、所属、劣等感 3) ライフスタイル類型、家族布置 4) 早期回想によるライフスタイルの推定 5) ライフスタイ

【考え】教える仕事についている人のための塾

2024年5月13日(月) 今年度は、教える技術オンライン研究会はお休み中だが、教える仕事についている人のための塾を開くのは良いかもと思った。一種のオープンカウンセリングのように、教えるに際しての困りごとを参加者の見ている前で扱っていくという方法だ。 領域や分野、職種を問わず、教えるという仕事はどこでも発生しているのにもかかわらず、個人的なスキルに還元されてしまい、組織として共有できていないケースが多い。組織として教える技術を共有できているところは、それだけでかなり良い組

反転授業の設計と実践(Part 1)

2016年12月29日 反転授業の設計と実践  ……学習効果を高める授業設計の工夫……向後 皆さん、こんにちは。早稲田大学の向後です。よろしくお願いします。今日は反転授業のお話をしていきたいと思います。 ■反転授業とはどんな授業か 「反転授業」というのはどのようなことかという話ですが、今までは対面授業をやってから宿題を出すという形でした。皆さんも宿題を出されるかもしれません。しかし、大抵の学生は、宿題をやりません。それならば宿題はやめよう、と。  そうでなく、あらかじめ

【雑談】「くさらない」と予見される人物をあてる

2024年5月12日(日) NHKオンデマンドをサブスクして、古い大河ドラマを毎日のようにみている。大河ドラマ『独眼竜政宗』(1987)は半分を超えて29話まで来た。政宗は気性が激しく、波乱の多い人生だったのだな。だからこそ大河ドラマになるのか。実の母から毒を盛られたり、自らの刀で弟の小次郎を斬ってしまうとか。 政宗が、代々続いた米沢から岩出山への国替えを秀吉(勝新太郎)に命ぜられたときの家康(津川雅彦)が印象的。「海もあるし、平野もあり、私なら150万石にしてみせる」と

【連載】教える技術講座#05(最終回):「これじゃないもの」をどう教えるか、あるいはアンチョコの発見。

2017年2月10日 (金曜日はちょうど終了したオープンカレッジ講座「教える技術」をネタにして連載しています) 前回は「入門期には楽しくやり、熟達期には挑戦させる」ということを言いました。今回は、「これじゃないもの」をどう教えるかということを考えて、連載の最終回としたいと思います。 【「これじゃないもの」をどう教えるか】ということ自体がわかりづらいと思いますので、まずこれを説明します。私たちが何かを学ぶときは、先生や師匠や(自分が子供であれば)親といった人について、学び

【連載】教える技術講座#04:入門期には楽しくやり、熟達期には挑戦させる。

2017年2月3日 (金曜日は現在開講中のオープンカレッジ講座「教える技術」をネタにして連載しています) 連載#01「「ダメ」と言う必要はないのです。」で紹介したように、教え方のゴールデンルールは「スモールステップ、即時フィードバック、挑戦/スキルバランス」です。 特に「入門期」においてはスモールステップと即時フィードバックの原則は重要です。具体的には、簡単で単純な課題をこなしてもらって「達成感」や「楽しさ」を味わってもらうことです。 入門期で「楽しい」と思えないよう

【ブログ】光が丘のバラ園に行く

2024年5月10日(金) ゴールデンウィーク後半4連休は、宇都宮に行って餃子を食べてこようかと計画していたが、電車が混んでいるだろうということで、近場の光が丘に行ってきた。光が丘団地で有名なところで、練馬駅で西武池袋線から都営大江戸線に乗り換えて終点が光が丘駅だ。

【本】イアン・パーカー『ラディカル質的心理学―アクションリサーチ入門』:(2) アクションリサーチとは何か

2024年5月9日(木) 2021年9月12日 イアン・パーカー『ラディカル質的心理学―アクションリサーチ入門』を紹介しています。前回の記事では、アクションリサーチの前提として、研究とは道徳的・政治的な活動であるということと、自分の研究活動を反省(省察)することについてまとめました。 今回は、アクションリサーチとは何か、それをどのように実践するかということについてまとめます。

【連載】教える技術講座#03:教えることは協力すること。

2017年1月27日 (金曜日は現在開講中のオープンカレッジ講座「教える技術」をネタにして連載しています) 前回は「キャロルの時間モデル」を取り上げました。もし自分が学ぶのに必要な時間が与えられているならば、全員が100%習得できるはずです。これを「キャロルの時間モデル」と呼びます。 一見して当たり前のことのように思えるキャロルの時間モデルですが、学校というシステムではこれが実現されていません。クラス全体が決められたスピードと順番で学習を進めていきます。そのスピードがち

【質問】何ができれば行動分析を使えているといえるか

2024年5月8日(水) 質問は「マシュマロ」からお送りください。匿名で送ることができます。 質問いつもありごとうございます。何ができていることが確認できれば、行動分析を使えているといえるのでしょうか。先生のお考えをお聞かせいただけますでしょうか。

【連載】教える技術講座#02:必要な時間をかければ誰でも習得できる。

2017年1月20日 (金曜日は現在開講中のオープンカレッジ講座「教える技術」について連載しています) 教える技術の最終的な目標は、すべての人が自分に必要な技能を習得できるようにするにはどうしたらいいのかを明らかにすることです。それは可能なことなのです。 「でも、学校で習うことは100%できるようになるわけではない」と反論するかもしれません。もしそうならテストは全員が満点を取れるはずです。しかし現実には満点を取る人はごくわずかで、それ以外の大部分は満点ではありません。落