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法制審家族法制部会第19回会議議事録2~水野委員・武田委員・棚村委員・石綿幹事・菅原委員

パブコメ出たよ

バズっててすごい

共同親権訴訟も応援される

世間も一緒に考え始めるとき

さて、議事録19を読んでいこう

○水野委員


 御説明ありがとうございました。水野でございます。中間試案の時期についてですけれども、法制審のこの部会は、民法という基幹となる法の改正について専門的に集中して議論する場だと思っております。そして、社会へのいろいろな影響について情報を収集したり、慎重に討議する必要はありますけれども、そのときの政治家の意見によっていちいち左右されるべきものではないと思います。中間試案を出した後の国民各層からのヒアリングとか、あるいは最終的な答申を受けての国会の判断があることはもちろんですけれども、中間試案の取りまとめは飽くまでもこの部会の中で決めることであって、政治家の意見によって左右されるものではないはずで、本来であれば今日の会議で中間試案を取りまとめるというのが原則的な進め方であると思います。
  ただ、さはさりながらなのですが、私は平成8年の婚姻法改正要綱を作成した部会の生き残りのメンバーでございまして、その生き残りメンバーとしては、世論や国民各層が冷静に議論できる状況を形作るということも、またすごく大切で、必要なことだと痛感しております。私の30代の5年間を費やした要綱であったのですけれども、当時、当然に立法されるものだと考えておりましたし、法制審の答申が実現しなかったのはあれが初めてのことでした。当時の参事官は、もちろん国会議員と連絡を取りながら進めておられましたし、部会のメンバーだけでしたら、恐らくもう少し過激な案になっていたと思うのですけれども、参事官の情報に基づく判断を反映して、国会審議を通るような、慎重な原案にしたつもりでおりました。当時の橋本総理や加藤幹事長も通すおつもりであったと伺っておりました。でも、ああいう結果になってしまいました。
 そのときの怒濤のような流れを思い出しますと、政治家というよりも国民の理解を得るために、もっとできることがあったように思います。当時ももちろんそれは考えていて、国民の理解を得るための大規模なキャンペーン開始を予定したりしていたのですけれども、ちょうどその日に阪神淡路大震災が起こってしまうような不幸な偶然もありました。政治家というよりも国民的な理解を得るために、我々としても部会の進め方についても、原則論でかたくなに進めるということであってはいけないように思います。報道で国民の関心は非常に高まっているように思いますし、そして、ここでの意見対立、あるいは政治家の間の意見対立の背景には、孤立した家族への社会的な支援が足りないという、日本社会の構造的な問題がございます。この構造的な問題を抱えているということについて、この機会に国民的な理解が得られれば、この問題についても手が入って、もう少し生きやすい日本の社会になるかもしれません。
 そういうことを考えますと、今日の段階で無理に中間試案の取りまとめを急ぐ必要はなくて、今日のところは一旦、試案の取りまとめを見送るというのも選択肢の一つとして十分あり得ることのように思います。ありがとうございました。
○大村部会長 ありがとうございます。水野委員からは、取りまとめの時期につき原則論とあわせて、具体的にどうするかということにつきまして、差し当たり今日のところは見送ってはいかがかという御意見を頂きましたが、ほかにいかがでしょうか。

水野委員は見送りに賛成

○武田委員


 親子ネット、武田でございます。冒頭、事務当局から様々な意見という御説明があったと理解はしておるのですけれども、本日時点で様々な意見というのはどういうものがあって、再考するのであればどのような方向性があり得るのか。例えば、分かりにくいという指摘、報道にも出ました。確かにまだまだ分かりにくい要素はあると思っています。元々4月の部会ですか、両論併記でというよりも、もう全部盛りみたいな形でまとめていこうということでこの部会の中で了承を得て、それで進んできたものだと思っていまして、そもそも両論併記がNGという話なのか、あと、報道で自民党法務部会、報道の中では分かりにくいとしか言及がありませんでしたけれども、自民党の中にも様々な意見があるということは聞いております。その中で、一部の議員さんが主張しているような案もあるやに聞いております。したがいまして、この辺りが少しでも明確にならないと、本日時点での意見を申し上げるのが非常に困難かなと思っています。なので、冒頭、事務当局から御説明いただきましたけれども、何かしら、様々な御指摘の具体的な内容であるとか、方向性であるとか、その辺りを補足説明いただける内容があるのであれば、そこをお聞きして、ないならないで、それは現時点でしようがない話かと思いますので、その回答を頂いた後、それにのっとった意見を申し上げたいというのがまず、冒頭でございます。まず、部会長、よろしいでしょうか。
○大村部会長 ありがとうございます。武田委員、今、会場で挙手があり、オンラインでも何人かの方が挙手されていますので、少し皆さんの御感触を伺った上で今の御質問について事務当局にお答えいただき、そして武田委員の御意見を頂くという運び方にしたいと思いますが、よろしいですか。
○武田委員 はい、結構です。
○大村部会長 それでは、棚村委員、石綿幹事、菅原委員という順番で行きたいと思いますので、棚村委員、どうぞ。

武田委員の姿勢見えず

○棚村委員

 早稲田大学の棚村です。報道でそういうことが出されたので、はじめて知った次第です。今回御説明を頂いて、私も水野委員とほぼ同じ考えでして、法制審議会に家族法制を検討する部会が設置をされて、そこでは通常の部会を構成するメンバーよりもはるかに幅広い形で、いろいろな御意見を伺えるような体制で進んできました。審議会は法務大臣の諮問を受けて、しかも部会は民事法制というか家族法制についてどう在るべきかというので様々な形で専門的に検討してきて、いろいろな御議論がある中で、よりよいものを知恵を絞って取りまとめというか、御意見を伺うためにいろいろやってきました。そこで、外部からどのような御意見があろうとも、法制審議会の部会としての議論や取りまとめは是非尊重していただきたいと思います。
 私は、水野委員に賛成するわけですけれども、その間の経緯とか、政治家のみなさんからのどういう内容でどんな御意見があったかということを、武田委員の言うように、重要な点もあるのでしょうが、それよりも、私たちが審議してきた中身とか提案そのものは、国民全体の付託を受けてそれぞれの立場から発言をしているということなので尊重をしていただきたいと思います。外の御意見で、中身が変えられるということはあってはならず、むしろ今回の調査審議については、私たち委員・幹事に任せていただいて、その議論の中で皆さんで取りまとめたものをできるだけ御理解いただいたうえで、必要があれば御意見は承るという形にしていただきたいと思います。もちろん、とはいっても表現の仕方とか、先ほど分かりにくいという話もありましたけれども、そういうようなことで、国民各層の御意見を聴くためにどういう聴き方をすればいいかとか、どういうふうな形で、整理なんかが必要なことがあれば、その範囲で、御意見として出されたものを全く無視するということはできないと思います。
 今回は、そういう意味では、本来だったら中間試案の取りまとめということでパブリック・コメントを頂くという予定で進めましたけれども、ある意味では政治家の方たちも国民を代表して選ばれている方ではあるので、場合によっては国民の声を代表する皆様の御意見という意味合いもあるかもしれませんので、少なくとも聴き方とかそういうレベルのところでは、もし分かりにくいとか、もっと整理しろということがあれば、それについては少し耳を傾けさせていただいてもいいかもしれません。しかし、内容そのものについては、例えば甲案、乙案とか、それからA案、B案とか、せっかく両論併記や対論という形でようやく議論を整理して、その御意見も参考にさせていただき審議をさせていただくということはやぶさかではありません。中間試案のたたき台につきましても、いろいろ細かく聴いているところが分かりにくいというところがもしあったとすれば、それについては皆さんと少し意見交換をさせていただいて修正させていただくということは可能であると思います。しかしながら、これまで積み重ねてきた議論とか中身そのものをもう一回やり直して、こういう方向でやれという話であるとすれば、この点については承服できないのではないかと感じています。
 ですから、飽くまでも御意見の一つとして考慮するという範囲での可能性はあると思いますけれども、中間試案の本体は私どもが選ばれた責任において、是非しっかり議論をして、これまでもやってきましたので、そういう形でできるだけ早く形にさせていただければ幸いです。時間の制約の中で皆さんが一生懸命になって調査審議を尽くしてきたわけで、100パーセント理想的な形を求めるというのはなかなか難しく、そういう中で皆さんの議論を擦り合わせたり、いいものを作るということでようやく一致しつつあるので、是非その方向性だけは確認させていただければ幸いです。それから、できるだけ早期にこの議論を形にして国民皆さまの意見を幅広く聴いていくということは、是非やるべきことだと思いますし、そこでいただいた御意見を踏まえて、またそれを参考にして詰めていくということ、この方針とか進め方自体に、私は大きな変更を加えるべきではないと思っています。
 以上の次第ですので、分かりにくいとか、若干こういうところはこういう聴き方をすべきだというような、そういう辺りの表現の仕方ですとか、聴き方とかいうレベルではお聞きしてもいいと思います。しかし、内容そのものを変更するとか、大幅に見直すということは、法制審議会の部会の存在意義みたいなものがかえって問われると思うのです。きちんと中立公正に、それぞれの立場からきちんと調査し議論をした、その結果というものが覆るとか、他から影響を受けるというようなことは、是非慎んだ方がいいと考えます。
○大村部会長 ありがとうございます。棚村委員からは、原則としては冒頭の水野委員の示された方向に賛成だという御意見を頂きました。具体的な問題としては、内容については、皆さんでここまで議論を重ねてきて、今まとまりつつあることを考えると、これを動かすということは適切ではない。しかしながら、これは先ほど武田委員から御発言にもありましたが、分かりにくいのではないかという点については、部会内でもこれまでに何度も話題になってきたことですので、その点については工夫の余地があるのではないか、このような御発言を頂いたと理解をいたしました。
 それでは、石綿幹事、菅原委員、戒能委員までお聞きして、事務当局に先ほどのお答えを頂きたいと思います。

要は見送りに賛成



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