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パブコメ検証~日弁連1

議事録の更新がない

子どもの声が拾われるようにはなってきたけど

共同親権訴訟判決まで、3か月半・・・長いし、じゃあパブコメ検証しておこう!

明日ウェビナーもあるが

そこは、じっくり、まずは、日弁連のものから

ギリギリに提出がされた模様
72ページもあるし、ひとまず、かいつまんでチェックしておこうと思う

まずは、ここ↓

第2 父母の離婚後等の親権者に関する規律の見直し


父母の離婚後等の親権者に関する規律について検討するに当たっては、親権の義務としての性質が重視されるべきこと及びその規律が子の最善の利益に適うものかどうかが重視されるべきことに異論はない。しかしながら、採るべき結論については、甲案(双方親権導入案)に賛成する意見と乙案(単独親権案)に賛成する意見があり、現時点において一致した意見を表明することが困難である。 ところで、本論点に関しては、かねてより「離婚後の共同親権の是非」という形で、研究者や実務家の間だけでなく、一般社会においても広く議論が行われてきた。しかし、「共同親権」という言葉は多義的であるために、それによって実現することとなる離婚後の父母による子の養育への関与の具体的在り方については、各論者の想定が異なるためか、議論が噛み合わないうらみがあった。そこで、 部会の一巡目の議論、また、それに先立つ公益社団法人商事法務研究会「家族法研究会」においては、離婚後も父母双方を親権者とすることの是非を議論の出発点とするのではなく、離婚後も父母双方が養育に関与することの是非、という実態の議論を出発点とすることとされた経緯がある。 この経緯に鑑みれば、本論点は、離婚後も父母双方を親権者とすること(以下 「離婚後双方親権」という。)の可否を問うものであるが、そこには、実態として、 離婚後も父母双方が子の養育に関与すること(以下「離婚後双方関与」という。) そのものの是非への問いも含まれているものと思われる。 そこで、本意見書では、まず離婚後双方関与の是非という点から検討し、その上で本論点について検討することとする。
1 離婚後双方関与の是非
この点については、賛成する意見と反対する意見があり、一致した見解を示すことは困難である。そこで、今後の議論に資するよう、それぞれの意見の理由を併記する。
(1) 賛成する意見の理由について
 賛成する意見の理由は、以下のとおりである。 婚姻中は、父母双方が親権を有し(民法818条1項)、共同でこれを行使する(同条3項)。つまり、父母が共同して養育を行うこととされている。この原則は、子の養育については、一方の親の単独の判断に委ねるよりも、協議を前提とし、子に関心を有する父母共同の判断に委ねる方が、子の利益を増進するという価値判断に基づいているとも考えられ、そうだとすると、その価値判断は父母離婚後においても否定される理由はない。 現行法下の離婚後単独親権制度は、父母が別居していることや互いに夫婦としての信頼関係を失っているといった事情から共同の養育が困難な場合が 多いという実際的理由によるものにすぎず、必ずしもそれが困難ではないケースにおいては、子の利益の観点からは離婚後も父母が共同して養育できるようにすることが望ましい。それを可能とするための環境整備として、早期の段階における父母への支援の提供や、子の養育に関する事項につき父母間で合意ができない場合の迅速な解決手段の確保が国の役割として位置づけられるべきであるが(子どもの権利条約18条2項)、後者の制度の整備が困難である場合には、子の養育に関する迅速な決定が妨げられて子の利益が害されないよう、関与の度合いを緩やかにするなどしつつなお離婚後双方関与を認めていくべきである。 なお、内閣府大臣官房政府広報室の「離婚と子育てに関する世論調査」(令和3年10月)によれば、父母の双方が、離婚後も子の進路などの未成年の子の養育に関する事項の決定に関わることは、子にとって望ましいと思うか聞いたところ、「どのような場合でも、望ましい」と答えた者の割合が11. 1%、「望ましい場合が多い」と答えた者の割合が38.8%、「特定の条件がある場合には、望ましい」と答えた者の割合が41.6%と高い割合を示 している。また、「未成年期に父母の離婚を経験した子の養育に関する実態についての調査・分析業務報告書」(公益社団法人商事法務研究会、令和3年1月)でも、父母離婚・別居後の子の居住場所、進路、重大な医療について父母のうち誰が決めるのが理想的だったかと思うかという質問に対して、父母が相談して決めることが理想だとした者がそれぞれの項目で17%から19%であり決して低くない割合を占めていることに注目すべきである。
(2) 反対の意見の理由について
反対の意見の理由は以下のとおりである。 離婚は夫婦間の信頼関係が失われたためになされるものであり、またそれに至る過程で高葛藤に陥ることも多く、引き続き父母が共同して子の養育を行うべきとすることは父母に不可能を強いることになる。関与の程度をより 緩やかに設定するとしても、実際上、特に同居親に多大な負担がかかり、両者の葛藤が継続する要因にもなり得る。そもそも監護は子との生活そのものであって、監護に関する決定はその一部であるのに、その一部だけを切り取って子と生活を共にしない別居親の関与を認めることは、適時適切な決定を妨げることになる。こうして、決定自体が行えない、あるいは適時適切な決定がなされない事態が生じることにより不利益を被るのは子本人であり、かかる制度は子の利益に反するため導入すべきではない。 また、父母間には、DVなど様々な理由で支配・被支配の関係が存在する ことがある。そのような場合、被支配側が子を連れて別居、離婚することにより、かかる関係から避難・離脱できたとしても、支配側によりこの離婚後双方関与の仕組み(関与の程度如何によらず)が悪用され、なお被支配側及び子への支配が継続するおそれが強く、このようなケースでは離婚後双方関与を認めるべきではない。そして、「『協議離婚制度の実態調査に関する調査 研究業務』報告書」によると、複数回答を可として離婚原因を問うたところ、 「身体的な暴力」を選択した者の割合が7.9%、「精神的な暴力」を選択した者の割合が21%、「経済的な暴力」を選択した者の割合が13.5%であり、決して少ない割合とはいえない。とすれば、離婚した夫婦が支配・被支配の関係にあるという事態は必ずしも一握りの事象とはいえないため、双方関与の制度を原則としつつ支配・被支配ケースを例外として除外するという 枠組みも採るべきではない。 なお、前述の「未成年期に父母の離婚を経験した子の養育に関する実態についての調査・分析業務報告書」によれば、父母離婚・別居後の子の居住場所、進路、重大な医療について父母のうち誰が決めるのが理想的だったかと思うかという質問に対して、同居親が決めると答えた者の割合がいずれの項目でも依然として最も高く約40%であり、父母が相談して決めると答えた者の割合は20%に満たない。かかる調査結果はむしろ離婚後双方関与を導入する立法事実がない論拠として評価すべきである。
離婚後双方親権の可否(甲案か乙案か)
 この点については、甲案(双方親権導入案)に賛成する意見と乙案(単独親 権案)に賛成する意見があり、一致した見解を示すことは困難である。そこで、 今後の議論に資するよう、それぞれの意見の理由を述べる。
(1) 甲案(双方親権導入案)に賛成する意見の理由
 甲案(双方親権導入案)に賛成する意見の理由は、以下のとおりである。 離婚後双方関与を導くためには、父母双方に一定の権限が付与されなければならない。その方法としては、同居親のみが親権を有し、別居親には親権を与えずに一定の関与権限のみを与えるという方法もあり得る。しかしそれでは、関与権限という現行法にない権限を創設する必要があり、実際的ではない。むしろ、同居親と別居親の双方が親権を有するとした上で、一定の事項については権限の競合が生じることに鑑み、別居親の有する親権に一定の制約をかけ、緩やかな関与のみを認めるという方法が望ましい。 また、現行法において、父母双方が離婚後も共に法的権限を持って共同で子の養育を行おうとする場合には、別居親を親権者とし、同居親を監護者に指定するという方法しかない(親権と監護権の分属)。しかしこの場合、監護 者は、身上監護の権限はあるが財産管理の権限がないため、少なくとも理論 上は、例えば、子の進学についての権限(監護教育権)はあるが、学校との 在学契約の代理権(子本人を契約の主体と見れば同意権)は行使できないといった不都合があり得る。そこで、同居親に身上監護を全うさせるためには、 同居親にも親権を与えることが不可欠となる(この意味で、従前のような親権と監護権の分属状態は子の福祉の観点からも回避されることとなる)。この状態は、とりもなおさず同居親と別居親が共に親権を有している状態であり、その観点からも、離婚後も父母双方が親権者となり得る制度を認めるべきである。 海外法制を参照すると、英国、アメリカ、ドイツ、オーストラリアなどを 初めとして、多くの国々で、離婚後も父母双方が養育に関与できる制度が採られている。オーストラリアでは2011年に子の安全を重視する法改正がなされているが、共同養育法制自体はなお維持されており、離婚後の共同養 育責任の理念は国民の約9割により支持されているとされる 。また、ドイ ツでは、離婚後の共同親権を原則とする制度が定着していると言われている。 また、共同親権の行使において、父母が共同で決定する事項と同居親が単独 で決定する事項の区別基準は、判例上明確になっており、実務上も問題は生 じていないと報告されている 。
 なお、離婚後双方親権の制度を導入するとしても、(注)前段の考え方を採り、子どもの福祉が害される事情が発生する場合には、子又は親権者の一方からの申立てにより、家庭裁判所は、親権者の一方のみを親権者と指定できるようにすべきとの意見もある。
(2) 乙案(単独親権案)に賛成する意見の理由について
 乙案(単独親権案)に賛成する意見の理由は、以下のとおりである。
ア 離婚後双方関与に反対する理由と同じ理由で反対である。仮に離婚後双方関与を認めるとしても、双方が親権を有する理由はなく、別居親に一定の関与権限を付与することをもって足りる。別居親に親権まで与えることは、過剰であり不当である。 別居親が親権を付与された場合には、親権者の権限とされる財産管理 権や法定代理権の行使に当たり、父母の協議が調わず、適時適切な決定が妨げられる事態が想定される。仮に双方関与の程度を緩やかなものとしたとしても、別居親が「親権者」という地位を背景に、認められた関与の程度を超え、同居親の安定的な子の監護を妨害し、子の福祉を害するおそれがある。支配・被支配の関係にあった父母間では、その危険性は一層高い。したがって、離婚後も父母双方が親権者となり得る制度を認めるべきではない。
イ 仮に、DVなど様々な理由により父母間に支配・被支配関係があるケースや、父母が離婚後も高葛藤状態にあり、板挟みになる子の心理的負担が大きく、また、養育に関する事項を適時適切に決められないケース など、本来別居親の子の養育への関与を認めるべきではないケース(以 下、「不適合ケース」という。)を例外として除外するという枠組みを設けたとしても、それを完全に除外することはできない。例えば、父母間 に支配・被支配関係がある場合には、被支配側が離婚後双方親権の選択を事実上強制されるおそれがあり、父母の協議による除外は期待できない。また、強制とは言えなくとも、高葛藤ケースでは、早期に離婚を成立させるために、熟慮なく離婚後双方親権が選択されるという事態も想定でき、結果的に不適合ケースが混入してしまう。さらに、現在の家庭裁判所は必ずしもDVや虐待の認定に積極的ではなく、リソースも不足しており、後述本試案第2の2の枠組みで仮に家庭裁判所の許可手続を設けることとしても、結局、こうした不適合ケースの完全なスクリーニ ングは不可能なのである。実際、先進諸国では、不適合ケースの除外が 極めて困難であるために、離婚後の子の監護に別居親が関わる制度を見直す動きが顕著である。具体的には、オーストラリアでは、2006年に共同養育を推進するための大きな法改正を行ったが、不適合ケースの 混入を防ぐことができず、子と同居親の安全・安心への大きな脅威をもたらしたため、2011年、「友好的な親ルール」の削除をはじめ、子の 安全を最優先する法改正が行われている。また、アメリカでも、離別後 の別居親による子及び同居親への殺害を含む加害が多発し、2018年には連邦上下両院議会で家庭裁判所における面会等監護裁判の調査と改善を求める決議が出され、2022年には州の家裁手続において裁判 所がDVや虐待を認識判断し、子どもの安全の優先度を高めること等を 目的にした連邦法が成立した。そして、英国でも、DVや虐待ケースでも面会交流が命ぜられ、裁判を経てDVや虐待が悪化したことが報告され、別居親の関わりより安全を優先する見直しが勧告されている。 さらに、カナダでは、裁判所が面会交流や監護の決定に際し、あらゆる形態の家族暴力とその影響を考慮すべきことが2021年改正法で明記された。
ウ そもそも、父母の関係が葛藤性の低い場合には、法的権利として親権や監護権がなくても、事実上、子の養育のことで連絡を取り合い相談したり協力したりすることは可能であり、現にそうした協力は行われている。離婚後双方親権の選択肢を提供しなかったとしても、事実状態として共同で養育することは可能であるから、父母の選択の自由という点からは制約があるとしても、子にとっての不利益はない。これに反し、不適合ケースで双方親権となった場合、子の不利益は明らかであり、安全・ 安心への脅威ともなる。この点からも、反対である。
エ なお、現行法において、親権と監護権が分属した場合に、監護者は、 身上監護の権限はあるが財産管理の権限がないため、不都合が生じ得るとの点については、現実にそのような不都合が多発しているとの報告はなく、必要であれば、監護に関わる事項についての財産管理権、法定代理権、同意権は監護者に帰属するとの規律を設ければ足りる。よって、この不都合を解消するために離婚後双方親権を可能とする制度を設ける必要はない。

是非からの可否について、2段階の検討

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