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法制審議会家族法制部会第36回会議議事録読む5~大石委員・赤石委員・北村幹事・水野委員

 届けー勇者の声よ!親も子も幸せにする社会のために!!

育休中離婚問題もなんとかしていかないと

国民性とのギャップがまだ深いけど

議事録読み再開~ちょうど休憩明けのところから

○大村部会長 それでは、再開させていただきたいと思います。
 先ほどまでで第1についておおむね御意見を頂きましたので、この後は大石委員の方から、冒頭に御説明があった委員提出の資料についての趣旨を御説明いただきたいと思います。大石委員、お願いいたします。

大村部会長はこれからも元気でいてほしい

○大石委員

 ありがとうございます。委員の大石です。この意見書は赤石委員、戒能委員、柿本委員との連名で提出させていただいております。私から御説明させていただきますけれども、その後に赤石委員に補足をお願いしたいと思っております。まず、内容を読み上げさせていただきます。
 附帯決議(事項)の提案について。
 意見の趣旨。当部会において議論されている要綱案(案)の附帯決議として以下の事項を提案する。
 一つ目。家庭裁判所の機能向上のため、研修・人員体制の強化を行うとともに、そのための財源が確保されること。
 二つ目。家庭裁判所は、親権者の指定を求める家事審判又は家事調停の申立ての件数及びその結果について報告を行うこと。また、今回の民法改正が家事事件の動向にどのような影響を与えたか、改正法施行後しかるべき時期に報告を行うこと
 三つ目。父母の離婚前後の子の養育への父母の関与、および親権者・監護者の取決めに関し、ドメスティック・バイオレンス(DV)および児童虐待を防ぎ、子の安全と安心を確保するため、法的支援をはじめとする充実した取り組みが行われること。また、そのために必要な財源が確保されること。
 四つ目、子の養育に関連する税制、社会保障制度、および教育支援にかかわる制度について、父母の離婚により子に不利益が生じないよう、関係省庁の連携協力による真摯な検討および必要な措置が講じられること。となっております。
 理由については次のとおりです。まず、当部会で議論されている要綱案(案)では、家庭裁判所に一層大きな役割が求められております。当部会においても、案件の増加や複雑化に十分対応し得る機能の拡充を求める意見が多数出ております。そうしたことを背景に、1点目を御提案いたしております。
 2点目については、民法の見直しは国民生活に大きな影響を及ぼすものであるだけに、裁判所の判断がどのようになされているかを国民に周知することが望ましいと考えます。実証分析に関わる者としましても、やはりどのような実態があるのか、エビデンス・ベースド・ポリシー・メイキングの時代でもありますので、そういった状況について把握ができることは今後の法政策を考えていく上でも非常に重要なことではないかと考えております。
 三つ目について、DV事案への対応に関しましては、急迫の事情の解釈について当部会でも繰り返し、実態にそぐわないなどの懸念と支援の必要性が述べられております。
 また、四つ目、税制、社会保障制度や教育支援に関しましては、省庁横断的な対応を求めたいということで、第20回の会議で私ども4人で意見を提出させていただきました。また、部会においてもほかの委員や幹事からの御発言でも、そういったほかの制度との連携というものが非常に重要だという御発言があったと理解しております。
 当部会への諮問というのは、要綱案を示してくださいというものでありました。しかしながら、当部会のこれまでの議論の内容は非常に多岐にわたっておりまして、ここで要綱案となっている規律に対して賛成、反対の御意見はあろうと思いますけれども、いずれの立場においても、単なる条文にとどまらず、運用が非常に重要であるという認識は共有されていると考えております。私たちは法律案の製造物責任を担うことになりますので、それに当たっては、言わば取扱説明書として、どのように運用されるべきか、私たちが何を考えて議論していたかということを附帯決議という形でメッセージの形で出すことが望ましいと考えております。
 付け加えさせていただきますと、この意見書の作成に当たりましては、素人ながら、私が少年法改正を初めとした過去の法制審の様々な部会の附帯決議や議事録などを読んでみました。そうした中で、こういったメッセージといいますか附帯決議というものを出すことは恐らく可能なのではないかと考えましたもので、今回このような提案をさせていただく次第です。この附帯決議につきましては要綱案とは別に、附帯決議という形で別に決議されるということを私どもとしては希望しております。そういった扱いにつきましては、法制審議会の会社法制部会というものがありましたが、そこにおいても別々に決議がなされておりますので、可能ではないかと考えたという次第です。
 それでは、もし可能でしたら赤石委員に補足していただければと思います。ありがとうございます。
○大村部会長 ありがとうございます。赤石委員、何か補足があれば。

周知は当然するはずだが

○赤石委員 

赤石でございます。ありがとうございます。もう大石委員が御説明をかなりしてくださったので、私の方からの補足は3点ですかね、ございます。
 この意見の趣旨に関しては、例えば○の2点目、報告のところでございますが、単にその件数の報告にとどまらず、どういう影響を家族の、あるいはこどもたちに及ぼしたかなど、そういう影響についての分析や調査の報告がしかるべきときに行われるべきであろうと思っておりまして、それが非常に重要ではないかと思っております。
 また、○の1のところなのですけれども、是非裁判所の方でどのくらいの件数増の見込みというのがあるのかというところが出されて、そして予算、人員の拡充。人員の拡充というのはすぐにできるものではないと思うのです。やはり教育とか研修とか採用とかのプロセスというのは非常に大変だと思いますので、やはり法律が施行されるまでに御準備いただくとすると、そういった見込みを作っていただくということが必要なのではないかと思っております。
 それから、○の三つ目で、これは少し補足として、この中には、例えば法的支援にはもちろん法律相談、それから弁護士への依頼等の費用の支援といったものがございますけれども、それに加え、面会交流支援団体というのが全国にあって、このドメスティック・バイオレンスや児童虐待があって面会交流がなかなかできないといった場合にも支援が継続的に行われることが必要になってくる、もちろんそれができない場合には、しなくてよろしいわけですけれども、こういったところの支援が必要になるということも想定しております。
 あと、○の四つ目のところでございますけれども、今までも税制、社会保障制度については、なかなか今答えられないということで答えが出てこなかったわけです。とはいえ、やはり、例えば就学支援の新制度、大学、いわゆる高等教育の無償化などは非常に大きなインパクトのある支援になっておりますので、こういったところがどういうふうに運営されるのかも含めて、もちろんこどもに関する手当ても含めて、もう本当に大きな影響があるところでございますので、大変気になるところです。関係省庁については、もしかしたら等が入っていた方がよろしいのかなと思いながら、直し切れませんでした。
 あと、最後でございます。附帯決議に関しましては、是非別のお取扱いがされることを望んでおります。
○大村部会長 ありがとうございます。大石委員からこの提案の趣旨について御説明を頂き、赤石委員から、個別の提案についての補足と、それから取扱いについての補足を頂いたかと思います。
 ここで、附帯決議というものが出てきているわけです。大石委員の説明の中で多少触れられておりましたけれども、この附帯決議というものがどういうものであるのかということにつきまして、事務当局の方から少し御説明をお願いできればと思います。

DVや虐待があっても面会交流はするってイメージがあるようだね
親子交流支援機関はDV・虐待対策に特化してほしい

○北村幹事

 事務当局でございます。従前から御説明しておりますとおり、この部会におきましては、法務大臣から、離婚及びこれに関連する制度に関する規定等を見直す必要があると思われるので、その要綱を示されたいという諮問があったことを受けて、家族法制の見直しに関する要綱案について御議論いただいているということになろうかと思います。
 もっとも過去の法制審議会の例を見ますと、部会において諮問に対応する要綱案を取りまとめる際に、要綱案とは別に附帯決議や附帯事項というものをおまとめいただいた場合がございます。附帯決議をするかどうかや、どのような事項を盛り込むかは、部会において御議論いただいてお決めいただくことになりますけれども、部会において附帯決議がされた際には通常、要綱案とともに法制審議会の総会において御審議いただいて、その了承が得られましたら、要綱の答申とともに法務大臣にお渡しするという流れになろうかと思います。
 なお、附帯決議について御議論いただく際にも、この部会が法務大臣の諮問機関である法制審議会に設置されたものであることとの関係で、決議をすることができる事項に一定の限界があることにも御留意いただけますと幸いです。すなわち法令の定めによれば、法制審議会がつかさどる事務というものは、法務大臣の諮問に応じて民事法、刑事法その他法務に関する基本的な事項を調査審議することと定められております。そのため、本日御意見いただく際にも、その御意見や御要望の内容の当否とは別に、最終的にこれが法制審議会として決議することができる法務に関する基本的な事項の枠内の事項であるかを意識していただけますと幸いでございます。
○大村部会長 ありがとうございました。附帯決議というものは今のようなものだということについて御説明を頂きました。この附帯決議につきましては、本日提出されました4委員の意見書を参考にして、事務当局の方で決議案を作成していただくということになろうかと思いますけれども、今日の時点でこの意見書について特段の御意見があれば伺っておきたいと思います。それから、この機会に併せて要綱案の第2から第7までの点につきましても、やはり何か特段の御発言があれば、おっしゃっていただければと思います。
 ということで、附帯決議及び第2から第7について御意見を伺いたいと思います。

法制審は諮問機関

○水野委員

 委員の水野でございます。附帯決議について発言をさせていただきます。
 拝読いたしまして、一研究者としては、DVや児童虐待を防ぐためにという内容は、もう本当にそのとおりだと思います。私もこの会議の中で何回も、育児支援が著しく足りない日本の状況について、何回も発言いたしました。ここにはこども家庭庁の方もおられますし、と行政的な支援への希望も述べました。ですから内容については本当に賛成したいと思うのですが、ただ、これを附帯決議という形で出して良いのかという点には、不安があります。法制審議会の部会歴は、私は恐らく最も長い一人だと思います。法制審議会は、あくまでも法務大臣の諮問機関という位置づけで、そのことの権限の限界というのを持っております。端的な話、立法の権限はありません私の30代の5年間を費やして作った婚姻法改正要綱は、ついに立法されませんでした。それから、一研究者として発言するときには好きなことを言えるのですけれども、この部会の意見としては好きなことを言えるというものではないことを、やはりそれらの経験から痛感しております。権限の限界というものがございまして、逆にそれを守ることによってある意味、法制審議会の権威が守られてきた側面があります。そして、法制審議会が何を言おうと自分たちはこれでさっさと立法してしまうのだと国会が考えれば、そうできてしまうわけなのですけれども、でも慣例として、法制審議会で民法改正の議論をするという慣行が維持されてきたのは、私はとても意味のあることだと思っております。そして、それにはやはり法制審議会の方でも慣例としての権威を維持できるための自制が必要になってくるのだろうと思うのです。
 そこで、内容的には賛成なのですけれども、ただ、これが我々の権限の限界を越えているかどうか、つまり、内容的にかなり行政機関や裁判所に対する注文になっているのですが、そういうものについて我々が附帯決議という形で文書を出して良いのかというのが、私の不安な点でございます。この点について改めて事務当局で整理をしていただいて、そして、この範囲ならば法制審議会としての権限の範囲内であるという形で再度まとめていただけましたら、私も安心して賛成ができるのですが、そのような作業をお願いしたいというのが私の意見でございます。
○大村部会長 ありがとうございます。水野委員からは、内容については賛成であるという前提の下で、法制審の部会として答申をする際に付すことができるものには、限度があるのではないか、限度があるというと消極的なようにも聞こえるけれども、それによって守られてきたものがあるのではないかという御発言をいただいたかと思います。先ほど私も少し申しましたけれども、これについては、今日の御意見を伺った上で事務当局の方で整理をしていただいて、改めて案を出していただくことにさせていただこうと思っておりますけれども、そのようにしていただきたいという御要望だと承りました。
 棚村委員、それから落合委員、原田委員という順番で手が挙がっていますので、その順番で伺います。

法制審の権威よ
立法機関ではなかった法制審

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