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香道具が置かれた場所②:『室町殿行幸御飾記』を中心に
前回の記事では、大学院で研究していた将軍の邸宅の一部であった「会所」と部屋を掛け軸や花瓶、香炉や茶わんといった美術品で飾る行為「座敷飾」の広い意味での関係性について書きました。なかなか続きが書けず時間が空いてしまいましたが、今回は『室町殿行幸御飾記』(むろまちどのぎょうこうおかざりき)と呼ばれる室町時代の座敷飾りを書き残した史料をもとに、どのような香道具が飾られていたのかご紹介したいと思います。
香道具が置かれた場所①:会所と座敷飾り
前回の記事では、香雅堂の朝のルーティーンについて書きました。今回は少し毛色を変えて、私の大学院時代の研究について書こうと思います。大学院では、室町時代の座敷飾りというものを研究していました。座敷飾りの飾りには唐物(からもの)と呼ばれる中国からの舶来品が使用されていました。唐物には掛軸などの絵画、筆や硯といった文房具、茶碗などの茶道具、そして香炉や香合などの香道具といったものが挙げられます。
会所
香雅堂のモーニングルーティン
香雅堂の業務月誌
よく学びよく遊ぶを生活の指針にしている香雅堂スタッフまつもとによるお店での仕事やお香、日常に関するとりとめのないこと。
これから業務月誌を書くことになりました、香雅堂スタッフのまつもとです。まず簡単に自己紹介をさせていただきます。今現在香雅堂に入社して1年と少しになります。
香雅堂に入る前は大学院で日本美術史、特に室町時代の座敷飾りというものを研究していました。ざっくり言う