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理解不可能な石丸伸二安芸高田市長の東京都知事選挙立候補声明

石丸伸二安芸高田市長が東京都知事選挙への立候補を表明

 石丸伸二安芸高田市長が東京都知事選挙への立候補を正式に表明しました。しかし、なぜ東京都知事選挙なのか理解不能です。

都知事選出馬表明の石丸氏が会見「いつもの調子で苦言から入る」 都議会は「さすが首都」

 7月の東京都知事選出馬を表明した広島県安芸高田市の石丸伸二市長が17日、広島市で記者会見を開いた。石丸氏の会見を巡っては質問に回答するだけではなく、報道の姿勢や質問内容に疑問を感じると、記者側に議論を持ちかけるなど「劇場型」の演出でも知られる。この日も「メディアへの苦言」に始まり、報道が偏向的と判断した地元テレビ局の記者に対して、逆に追及する場面もあった。

冒頭は記者への〝逆質問〟

 「いつもの調子でメディアへの苦言から入る。なぜテレビ局、この前の臨時記者会見で妙に切り抜く動画を作ったのか。意図があったのか」
 会見冒頭、石丸氏はこう切り出した。次期市長選への不出馬を表明した10日の臨時記者会見を巡る一部報道に不満があったようだ。
 ただ「逆質問」を予期していたのか、石丸氏に当てられたテレビ局の記者は割と長めに当時の編集意図について説明すると、石丸氏も素直に「丁寧なご回答、ありがとうございました」と謝意を示しつつ、「(テレビ局の報道よりも)新聞社の方が、こちらの意図は素直に伝わった」と指摘した。

都知事選出馬の背景

 都知事選に出馬する背景には、人口減少が進展する中で同市も含めた地方自治体は存亡の危機に直面しており、人口や財政規模、影響力が大きい東京都を動かすことで、地方分散型社会の早期実現に貢献したい思いがあるという。
 小池百合子都知事が平成28年、1期目の都知事選で公約に掲げた「都道電柱ゼロ」「残業ゼロ」など「7つのゼロ」について、「進捗(しんちょく)が芳しくない面もある。いずれにしろ全部が対症療法だ。原因療法、なぜそれが生じたのかアプローチするのが当たり前だ」と述べた。
 その上で「東京の過密を解消し、東京を世界一住みやすい街にできると考えている。住みやすさを追求することが地域の活性化につながる。一石二鳥、小池氏の言葉を借りればアウフヘーベンだ」と語った。「アウフヘーベン」は小池氏が多用するカタカナ言葉で、広辞苑によれば「矛盾する諸契機の発展的統合」を意味する。

無所属でも「支援」なら

 石丸氏は政党の後ろ盾を持たない。都知事選での政党推薦について「受けない。国政政党の代理戦争をしている場合じゃないというのが私の危機感だ」と無所属で出馬する考えを示した。
 「推薦」よりも応援の度合いが弱い「支援」については、「本質的に私の考え方、東京と地方の発展を願う考えを支持する政党ならば歓迎したい」と述べた。
 石丸氏は都議会の議事録を、最近1年分について目を通しているという。「お世辞をいうつもりはないが、さすが首都だ。職員の働きぶりがそこに表れている。答弁がしっかりかみ合い、議員の質問も多岐にわたっている」と語った。

小池都政を疑問視

 小池氏の評価を問われると「メディアが評価して記事にすればいい。聞く意味はあるのか」と苦言を呈した。記者側が石丸氏に「自身が小池知事より、よいと思っているから出るわけで、そこを聞いている」と改めて質問すると、石丸氏も「なるほど。(小池氏が掲げる)都民ファーストならば、それ以外についても東京は考えないといけないのではないか」と述べ、小池氏の都政を疑問視した。
 これまでの記者会見を通じ、石丸氏と対立傾向にある地元報道機関もあるようだ。石丸氏は、ある地元テレビ局の報道ぶりを問題視し、公開質問状を送ったという。会見の趣旨から脱線する形で、そのテレビ局の記者に対し「(質問状の答えを)この前伺っていないので」とした上で答えを促すと、記者は石丸氏側に回答したと答えた。
 これに対し、石丸氏は、回答内容について「まったく回答になっていない。(自分は)かなり偏向的な報道になっているという評価をした。どう受け止めているか。ここにいらっしゃる限りは質問を続ける」と〝宣告〟すると、記者は自ら退席した。
 都知事選出馬が国政選挙への踏み台になっているとの質問に対しては「違う。都知事選の次は首相みたいなドラマを描いているなら、そう言ってもらって構わないが。当てずっぽうだ」と反論した。

薄紫色のネクタイの理由

 会見の最後は、石丸氏が着用していたネクタイについて、自ら切り出した。普段は緑のネクタイだというが、この日は薄紫だった。
 「聞かれるかなと待っていたが、なかった。『ネクタイはなぜ紫なんですか?』と」と苦笑。小池氏らのイメージカラーを避けたといい、紫の理由については「赤と青を足した色で紫。米国(の政党)も分かりやすく赤と青だが、そこに縛られない。右と左も合わせて実現していく必要があるという思いで、紫を選んでみた」と説明。記者団に一礼すると会見場を後にした。(奥原慎平)

産経新聞「都知事選出馬の石丸氏が会見『いつもの調子で苦言から入る』 都知事は『さすが首都』」

 まず、理解不可能なのは東京都知事になろうとしながら、人口減に苦しむ東京都とは正反対の状況にある地方公共団体を何とかしたいという東京都知事選挙への立候補を決めた理由です。そのような地方公共団体を救いたいのであれば、地方公共団体の長ではなく国政に挑戦して地方交付税交付金などの配分方法を変えるなどの手法が考えられますが、東京都のような巨大な地方公共団体の長であったとしてもやることはほとんどありません。石丸伸二安芸高田市長はほとんど任期が終わろうとする現役市長でありながら、そのようなことすらわからないのでしょうか。ただ、それも仕方ないのかもしれません。石丸伸二安芸高田市長は任期中に地方公共団体の長としてなすべきことをほとんどやらずにご自身の気持ちいい言動に終始し、安芸高田市政とは無関係の主張をなさっていたわけですから。

地方公共団体の長のあるべき姿

 地方公共団体の長といえば、大阪市長や大阪府知事を務めた橋下徹さんや泉房穂元明石市長など発信力の高い方を評価する方が多いと思いますが、地方公共団体の長は多くの実務の中で重要な判断をするのが仕事で、発信力はそれほど重要な要素ではなく、膨大な実務の大略を理解する力こそが重要であると私は思います。例えば、子育て支援一本で攻めた泉房穂元明石市長時代の明石市政では、公立病院の維持管理が充分になされておらず長寿命化に失敗し、今後の市政運営の中で大きな財政負担が見込まれています。大阪都構想についても、日本維新の会の一貫した主張である財政削減による小さい政府や地方公共団体というものとは程遠いもので、特別区となる大阪市や堺市が細分化されて独立した地方教協団体となって全体の財政支出は想像以上に大きくなります。これも日本維新の会の地方公共団体の長が地方公共団体の長として求められるものを持ち合わせていないことが原因であると思います。