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【担任の先入観】いじめられる長男が、教室を飛び出したら叱られた。〈失敗#12〉子どものこころ専門医なのに失敗子育て


長男は、担任の先生と相性が合うと、生き生きと幸せそうに登校します。

学習ノートはクラス1位を目指して毎日何ページも取り組みます。

学校行事や発表会も、人一倍張り切って、家でもどこでも、身体が勝手に動き出して、練習をし始めるほどです。



一方で、相性の合わない先生もいます。

先生の気持ちを押し付けてくる人、長男の気持ちを理解してくれない人です。



登場人物

私 30代 子どものこころ専門医
妻 30代 保健師
長男 当時小学1年生


泣き虫な長男


卒園が近くなるにつれ、長男は泣き虫になりました。

登園のときは離れるのを嫌がり、お迎えのときは「だっこ!だっこ!」

小学校に入ってからも、母子登校が続きました。


それでも、夏休み前には慣れてきたのか、徐々に収まってきました。


いじめられる


2学期になり、また泣き虫に戻りました。


夏休みでリセットされてしまったかな?

時間が経ったら1学期同様落ち着いてくるだろう。
と私は考えていました。

でも、時間が経っても変わりがありません。




ある日、頬にケガをして帰ってきました。

クラスメートの乱暴な子と、その仲間に突き飛ばされて、地面にぶつけてケガをしました。

長男に話を聞き、休み時間や下校途中に絡まれていることがわかりました。



この件は、担任を通じて解決してもらいました。


担任の交代


年度途中に体調の都合で担任が交代します。

小学校入学を控えただけでも、泣き虫になった長男なので、担任の交代でも泣きやすくなりました。



でも、今回は事情が違いました。

次第に、学校に行きたくないと登校しぶりが出るようになりました。

学童保育に迎えにいくと、飛び出して逃げ回るようになります。

家に連れて帰ると、そこからも飛び出して近くの公園に家出します。

親も理由がわからない。
本人も理由が言えない。
突然、スイッチが入ったように怒り狂う。

親もどうしていいかわからず、途方に暮れてしまいました。


そして、学校の発表会の時期になると、「怒り出して練習にならない。」と、親が呼び出されるようになりました。


担任の対応


授業中の長男の様子を見せてもらいました。
私は遠巻きに見ています。

発表会の練習へ移動するとき、クラスメートが長男に近づいてイタズラをしかけました。

長男が怒り始めます。

担任が、教室から出てクールダウンをするよう、長男に言い渡します。

長男は怒ったまま、廊下に出て、そのままの歩いて行きます。
後ろをついていく私。

他のクラスの先生に引き継いで、担任が追いつきます。



座り込んで目を合わせない長男。

その長男に話しかける担任。

担任 なんで怒ってるの。

長男 ……

担任 練習に参加したくないの。

長男 ……

担任 どうたら、みんなのところに戻る?

長男 もどりたくない。

担任 でも、授業中だし、練習にはいかないといけないよ。

長男 もういいよ!

担任 でもね、そうはいかないでしょ。



見ているのが痛々しくて、私の方で引き取って、その場は終わらせました。

行き当たりばったりで対応しており、頭ごなしに学校が決めているルールを突きつけ、流れに乗せようとする。

そんな悪循環が学校で起こっていたので、長男の怒りのボルテージが上がりつづるのは仕方のないことでした。


担任はイジメに気づいていない



後日、担任から要請され、面談を行いました。
教頭も同席です。

しかし、お互いの話す内容が噛み合わない。

学校側は、長男かんしゃくが起きたときの対処方法を話します。

  • 本人にも周りにも安全第一です 

  • 羽交締めにして止めていいですか

  • クールダウンに支援室を使わせていいですか

私たちは、長男の様子が、元々の彼とは明らかに違う状態となっていることを話します。


そこで、はっと気づきました。

担任の先生、

長男の怒った原因が、イタズラされたからだと気づいていない。

いじめのことを引き継がれていない。


担任の先生の中では、引き継いだときから、長男をかんしゃくを起こす問題のある子と思っている。

かんしゃくの理由を考えず、頭ごなしに指導でなんとかしようとしている。



そこまで思い当たったとき、学年主任が通りかかり、

「こんなに遅い時間まで、何してるんですか。」

「担任の先生も、小さなお子さんがいるので、今日はこのくらいにしてください。」


今度は、我々が、担任の先生に長時間クレームをつけていると思われている。

先入観で、前後のことを知らずに、自分が正しいと思って口に出す。

まさに、長男の置かれている状況そのものでした。


その後

この件については、その後、
発表会本番の舞台の上で、長男が突き飛ばてしまい、みんなが目撃することとなりました。

そのおかげで、正式に「いじめ」として扱われるようになりました。

校長が長男のフォローに回ったり、親の方でもいろいろ対応を取ったりすることになりました。



長男自身は、小学2年生に上がり、学校で一番子どもたちのことを考えてくれて、授業はもちろん、学校生活全体を楽しませてくれる担任の先生に恵まれました。

発表会でも、長男は生き生きとしており、読書感想画に何日も居残りして取り組むなど、小学校が楽しいという経験を積むことができました。


感想

いまでも、思い出すと胸が苦しくなります。

もっと早く学校に行って、担任の勘違いに気づいてあげられればよかった。

そしたら、1年生の間をもっと楽しく過ごせたのにと思うところがあります。


一方で、この失敗があったから、子どもたちが「学校に行きたくない。」と話してくれると、理由を聞いて、必要なら担任とやりとりすることに臆することがなくなりました。

そして、担任がどこまでわかってるか考えながら、話すようにしています。

長男は小学5年生現在、楽しく学校に通えているので、結果オーライだと思っています。


重たい内容にお付き合いいただきありがとうございました。
明日は楽しい内容にしたいと思います。

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