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自営業夫婦のケンカを最短で収束させるにはどうすればいいか

夫婦で自営業をやっていると、思わず仕事のことでケンカをしてしまうものです。

私たち夫婦も、グラスの洗い方からスタッフの育成まで、それはもういろんなことが原因でケンカをしてきました。


でも別にケンカってそれほど悪いことでもなくて、場合によっては、お互いが真剣に仕事に向き合っているからこそ起こるものだったりします。

自分たちの事業について本気で考えているからこそぶつかるということも得てしてあるのです。


ただ問題なのは、ケンカがズルズルと何日も続くと、日常の仕事に悪影響を及ぼしてくること。

いくら隠しているつもりでも、お客さまや取引先、スタッフにも、険悪な空気って伝わるものです。

こうした事態を避けるためには、ケンカをしたらなるべく早めに収束させることが大切なんですよね。


ということで今日は、自営業を営む夫婦がケンカをした場合、どのように対処すれば最短で収束させることができるのかについて、私自身の経験もふまえながらお話ししてみたいと思います。


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大前提として人前でケンカしない

まずこれは夫婦で商売をするときの大前提なんですけど、人前でケンカをしないのは鉄則だと思っています。

逆の立場で想像すればすぐにわかることだと思うんですが、たとえば個人飲食店に入って、そこの店主と妻がケンカをしていたら、決して気分がいいものではありません 。

一緒に働いているスタッフだって、妻と夫のどちらに味方することもできないですし、仕事で聞きたいことがあっても話しかけづらい。きまずいことこのうえなく、良い迷惑です。

冒頭でケンカは悪くないと書きましたが、人前でするのはまた別の話。失うものが大きすぎます。

でもこれ、意外とやってしまっている人多いです。うちも過去に経験があります。

感情的になって周りが見えなくなってしまうんですよね...。反省してます。


話し合いをする時間を設ける

そういうことなので、自営夫婦が仕事中にケンカになった場合、まずはケンカの原因となっている事柄について別途話し合いの時間を設けるのがおすすめです。

もちろん周りにお客さまやスタッフがいなくて、すぐに話し合って解決できればいちばん早いのです。


しかしたとえ誰もいないタイミングだったとしても、どちらかがやるべき仕事を抱えている場合、話に集中することができません。

話し合いの途中で電話がかかってきて中断せざるを得なくなったり「ちゃんと聞いてる?」「忙しいから後にして」と、再び小競り合いが発生することがうちはよくありました。

なので私たちが話し合いの時間を持つのはたいてい、誰の邪魔も入らない仕事が終わってからのタイミングが多いです。


だいたい言いたいことが山ほどあるのは私のほうなので、イラッとしたらすぐに「このことについて夜話したいから、いつならいい?」と夫に聞いています。

食事をする前なのか、お風呂に入ったあとなのか。相手がきちんと向き合って話ができる時間を確認するのです。

いつ話せるかが決まるとそれだけで私は少し気持ちが落ち着き、夜まで平常心で仕事ができます。アンガーマネジメントにもなっているみたいです。



言いたいことは出し切る

話し合いの時間になったら、うちではとにかく言いたいことは出し切るようにしています。

これは翌日以降に遺恨を残さないようにするためです。


一緒に仕事をしていると、たとえば社長の夫に妻が気を遣ったり、逆に働いてくれているという意識から妻に気をつかったりして、お互い言いたいことが言えないこともあります。

それでは不満の芯が残ったままになってしまい、また同じことが原因でケンカをすることになりかねません。

ここできちんと、何がいやでどうしたいのかなど膿を最後まで出し切ることが大事なのです。


場合によっては、言いたいことは全て言えたかと相手に確認することもうちではあります。

あのときほんとはああ言いたかった、こんなことを思ってたなどと、あとになって出てこないようにするためです。

これは自営業の夫婦じゃなくても必要なことかもしれないですね。


日中の小競り合いから一呼吸おいてからの話し合いなので、言いたいことを言うといってもわりと冷静に話ができるのが、遠回りに見えてかえって近道だなぁと感じます。



折り合いをつける

話し合いの場をつくり、言いたいことを言ってさあ解決!といきたいところなんですけど、冒頭にも書いたとおり、自営夫婦のケンカってしばしばお互いが仕事に真剣に向き合っているからこそ起こることがあるんです。

なので、いくら話し合ってもお互いの主張が強すぎて話がまとまらないこともある。

これはうちもそうでしたし、周りの自営夫婦をみても似たようなものだなぁと感じます。

どちらも熱いし、どちらの言っていることもまぁ正しい感じがするのです。


なのでひとつ最近の私たち夫婦が意識しているのが、ケンカになってしまったら折り合いをつける努力をすることです。

私はここを譲歩するから、あなたもここは譲ってね、という感じ。落とし所を見つけるとも言うかもしれません。


私が夫と働き出した初期のころは、これができなくてとても苦しい思いをしました。

自分の主張を通すか、完全に諦めるかの二者択一。ゼロか100かで争っていたのです。

夫はわりと私の意見に耳を傾けてくれる方ではありましたが、いちど「こうだ」と思ったらガンコで。

仕事に関するケンカは、お互いが自分の主張を通すための「戦い」でした。


それがある時期から、とくに私のほうが、もうケンカをすることがしんどくなってしまったんですよね。

それに、自分の主張を100%通したところで間違うこともあること、一般企業なら意見が違うときもっと冷静に、ビジネスライクに解決することに、ちょうど気づき始めたころでもありました。


なのでだんだん私は、言い負かそう、戦って勝とうとすることをやめて、お互いが納得できるところを探って早々に決着をつけるようにしました。

夫も度重なるケンカに疲れていたのか、私が落とし所を提案するとすぐに乗ってくれました。

すると驚くほどケンカが早く収束するようになり、次第にケンカの数じたいも減ってきたのです。


穏便に済ませることにも問題はある

お互いの強い主張がぶつかり合うケンカ、長引くと本当にしんどかったです。

ただ一方で、モメごとが勃発したときに平謝りして穏便に解決してしまうのも、それはそれでちょっと問題かなと思います。

いますよね。もう自分が悪者でいいから早くその場を収めたいっていう人。

一般的な夫婦であれば、たぶんこれがいちばん平穏な解決方法です。私の夫もプライベートではだいたいこれ。とても優しいのです。

でもこれを仕事でしてしまうとちょっと微妙かなと。

というのも、仕事のことでケンカした場合、どんなふうに解決するかによってその後の事業の行く末を変えてしまうかもしれないからです。

たとえば妻が、自分たちが経営する飲食店のためによかれと思って高価な器をたくさん買ってきたとします。

しかし夫は、提供する料理の価格に合わない、経費の無駄使いだと注意しました。

それを聞いた妻は、無駄じゃない!必要経費だ!といろいろ理由をつけて猛反論。

これ以上揉めたくないと思った夫は妻に平謝りし、これからは妻の思うとおりに器を買っても良いことになりました。

たしかにこうしたやり方だと激しいケンカは起きないかもしれません。翌日まで遺恨を残すことも少ないでしょう。

でも経費はどんどんかさんでいきそうで、いつか利益を食い尽くして赤字に転落してしまうかもしれません。

夫婦仲は良好に保たれても、経営としては良い選択とはいえなさそう。

器を定期的に刷新するのは悪いことではないですが、ここは夫もある程度は主張して、予算を決めるとか、勝手に買わないで事前に見積もりを出してもらうなど、やはり「折衷案」を考えた方が良かった気がするんですよね。

ケンカしたくない、が理由でお店の大事なことを決めてしまうのはまずいと思うのです。



このように、自営夫婦が仕事のことでケンカをした場合、お互いに主張をしすぎても解決できないし、どちらかが早々に諦めて折れてしまうと、経営として正しい選択ができなくなってしまう可能性がある。

なのでどちらのパターンであっても「お互いが」折り合いをつける努力をすることがとっても大事だと思います。


もちろん「グラスの洗い方が雑」みたいな、一方に完全に非がある場合もあります。

そういうときも、相手を責めよう、言い負かそうとするのではなく、どうやったら改善することができるんだろう、ブラシを変える?洗剤を変える?というふうに、使用するツールや仕組みに目を向けて解決を目指すほうが、怒りを燃えたぎらせないで済むんじゃないかなと思います。

夫婦関係と仕事のバランス、難しいですよね。

少しでも参考になれば幸いです。


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