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そばめし

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”長田区の一番のごちそう“を、長田に暮らしている、あるいは関わりのある人たちに数珠つなぎにご紹介いただく、長田区地域協働課発のSNS連載企画です。「一番のごちそう」を取材して記事… もっと読む
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記事一覧

〈そばめし〉第13回 長田で発見!新たな韓国定番麺・カルグクス

〈そばめし〉第13回 長田で発見!新たな韓国定番麺・カルグクス

「誰かを制限するような店にはしたくない。長田はいろんな人がいる。年齢や人種・国籍に関係なく誰でも利用できるのが、僕たちのジムの本当の意味の魅力」―。そう話してくれたのは、長田区菅原通にある「WAGOMUクライミングジム」の店長・宮本昇さんです。

ジムのオープンは6年前。きっかけは友人の吉川さん。当時、福祉事業所に勤めていましたが、障害者がスポーツをする場所がありませんでした。既存のスポーツ施設に

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〈そばめし〉第12回 フランスから長田へ 地元に愛されるケーキ屋さん

〈そばめし〉第12回 フランスから長田へ 地元に愛されるケーキ屋さん

今回伺ったのは、東尻池町の住宅街にある隠れ家のようなケーキ屋さん「Pâtisserie Aux plaisirs sucrés《パティスリー オ プレジール シュクレ》」です。中に入ると美しいケーキやカラフルなマカロンに目を奪われます。笑顔で迎えてくれたのは店主の大江 徹さんと妻の恵梨子さん。

徹さんはフランスで食べ歩いたケーキに衝撃を受け、35歳のときに渡仏。4年間の修業の後、ご実家があったこ

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〈そばめし〉第11回 長田の名物の新しい楽しみ方

〈そばめし〉第11回 長田の名物の新しい楽しみ方

今回のインタビューは六間道商店街にある「冨士屋呉服店」の増井宏行さんです。昭和61年にお店を継いで、今は奥さん・弟さんと一緒に経営されています。元々、創作が好きで、着物離れという流れの中で、少しでも着物を身近に感じてもらえるように手拭いや浴衣のデザインもされています。また、花緒選びから花緒すげが行える下駄作り体験は、ひょうごフィールドパビリオンとして、SDGs体験型地域プログラムにもなっています。

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〈そばめし〉第10回 母の味から、丸五の味へ

〈そばめし〉第10回 母の味から、丸五の味へ

夕方になると編んだ買い物かごを下げたお客さんが訪れていた昭和の時代(昭和51年7月14日)から、菅商店をご夫婦で経営されている菅共代さんにお話をお伺いしました。丸五市場の一角にある、ウナギやお惣菜を扱うお店です。取材の合間にも、常連さんがいつもの味を求めて訪れます。「どれにする?○○さんが好きなのまだあるよー」。お店を訪ねると気さくに声をかけてくれる、昔ながらの市場の雰囲気が残るお店です。

菅さ

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〈そばめし〉第9回 幸せの黄色いスパイス

〈そばめし〉第9回 幸せの黄色いスパイス

青と白のペンキ塗りの壁に開店1周年を祝うお花が彩を添えています。今回の「そばめし」でお話を伺ったのは、長田神社前商店街にある「Miracle-Cafe」の矢内まどかさん。舞子から北野まで物件を「探しまくって」、居住区の長田で希望通りのガラス張りの広い入り口のお店に出逢いました。

赤ちゃん、サラリーマン、おばあちゃん、ミュージシャン、近所のお店のオーナーさんなど、多種多様な方が毎日ご来店。見知らぬ

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〈そばめし〉第8回 生粋の長田っ子は「そばめし、アップル、銭湯、そして貝汁」

〈そばめし〉第8回 生粋の長田っ子は「そばめし、アップル、銭湯、そして貝汁」

「銭湯いって、お好み焼き屋いって、アップルとラムネ。僕らの世代の子ども時代は、みんなそんなんですよ、このへんに住んでる人は、きっと」。一番のごちそうを聞くと、弾む声で少年時代の思い出を語ってくれた桑原弘至さん。今回伺ったJR鷹取駅の南、海運町にある「桑原鶏卵」は、卸売りを担当する弘至さんと、小売を担当する妻の理恵さんのお二人で経営されています。4代目の弘至さんが小学生の頃、丸五市場から今の場所に移

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〈そばめし〉第7回 長田の“冷麺”といえば、やっぱり…

〈そばめし〉第7回 長田の“冷麺”といえば、やっぱり…

今回は、西代駅近くのおでん屋さん「酒処よしや」にて、初代店主の今井弘子さん、娘で2代目の由美さん、その息子の直人さんに話をお聞きしました。

弘子さんの夫が3代目店主をつとめていたお隣の酒屋さんから派生して、1967年に開店。「周辺にはケミカル靴関連の工場、隣には山陽電車の車庫と宿舎があったから、一升瓶3本分が売り切れるほど、毎日にぎやかなお店でした」と弘子さん。

“おでんの命”である出汁の作り

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〈そばめし〉第6回 長田は僕の「ホーム」、おいしいのは「おすし」ですの巻

〈そばめし〉第6回 長田は僕の「ホーム」、おいしいのは「おすし」ですの巻

今回のインタビューは、長田区五番町にある「肉のしらいし」さんの店長、藤村正俊さん(47歳)です。

藤村さんは生まれも育ちもお住まいも長田区。藤村さんのご両親は三宮でお寿司屋さんを営んでおられます。藤村さんも、学校を卒業後はご両親のお店を継ぐつもりで、三宮や心斎橋の和食店に勤め、朝早くからの仕込みや注文など店の営業にあわせて夜は10〜12時くらいまで働くハードな生活を20年間過ごされました。「体が

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〈そばめし〉第5回 新長田で愛される味「ゆきちゃんのにくてん」

〈そばめし〉第5回 新長田で愛される味「ゆきちゃんのにくてん」

須留原光浩さんは、新長田の洋菓子店「パティスリー・ド・ロマン」を先代であるお父さんから受け継ぎ、50年以上続く店の二代目としてお店を切り盛りしています。お店を継いだ光浩さんの手腕で百貨店に売れるようになって来た頃、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、売り上げの3分の1を占めていた百貨店の催事が全てキャンセルになってしまったといいます。

そんなとき、昔から作り続けてきたバタークリームを使ったカップ

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〈そばめし〉第4回 お好み焼き、おでん、シチューにも!長田で愛される牛すじの巻

〈そばめし〉第4回 お好み焼き、おでん、シチューにも!長田で愛される牛すじの巻

「祖父が戦前、鑑賞用のユリを育てて卸していたんです」と、店名の由来を教えてくれたのは、長田神社前商店街の酒屋さん「ユリヤ」のご主人、中島吉隆さん。お店の内外にズラリと並ぶソースが目を引きます。阪神・淡路大震災後、被災して長田区を離れた人々から「こっちのは口に合わんから送ってくれ」とリクエストされたことがきっかけでソースの販売を増やすことに。今や取り扱うソースは100種類を超えます。

ところで、神

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〈そばめし〉第3回 新長田一番街といえば「新長田一貫楼の豚まん」

〈そばめし〉第3回 新長田一番街といえば「新長田一貫楼の豚まん」

木村繫一さんは、お父さんが長田区神楽町にある吉田ピーナッツの商品を販売していたお店を継ぎ、平成元年に「お菓子のデパート」のフランチャイズ店として「お菓子のデパート遠州屋」をオープンさせました。毎朝8時にお店へ到着し、納品と品出しが一段落した後は16時半までは何をやろうと自由なんだそう。「みんなから羨ましがられるんやけどね」、と悪戯っぽくニヤリ。

そして、木村さんには遠州屋の店主だけでなく、新長田

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〈そばめし〉第2回 ふと思い浮かぶ誘惑の存在、「幻の焼肉」

〈そばめし〉第2回 ふと思い浮かぶ誘惑の存在、「幻の焼肉」

長田生まれ、長田育ちの45歳青森功樹さんは、そばめし発祥の店「お好み焼き青森」の3代目。休日は小学生の娘さんと遊ぶのが楽しみなのだそう。

店内に満ちるソースの香り、お好み焼きが焼けるジュワっとした音。食べたくなる誘惑に耐えて質問しました。ご主人の「長田区で一番のごちそうは?」「焼肉ですかね、営業日には食べられないから特別感があって。行きたいと常に思っていて。」朝早くから仕込みを始め、夜遅くまで営

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〈そばめし〉第1回 長田のういろといえばこれ!創業146年のやさしい味

〈そばめし〉第1回 長田のういろといえばこれ!創業146年のやさしい味

「神社には宮司(ぐうじ)、権宮司(ごんぐうじ)、禰宜(ねぎ)、権禰宜(ごんねぎ)という役職がありましてね。会社でいうと、社長・副社長・部長という感じです。」と教えてくれたのは長田神社で禰宜を務める佐々木知行さん。長田神社で働いて数十年、広報から祭祀の執り行い、屋台の出店調整など仕事は多岐にわたります。

立派な朱色のご本殿、樹齢約800年の大きなクスノキ…。歴史を感じる空気の中、佐々木さんがお話し

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〈そばめし〉第0回 新連載「そばめし」誕生秘話

〈そばめし〉第0回 新連載「そばめし」誕生秘話

「そばめし」とは、”長田区の一番のごちそう“を、長田に暮らしている、あるいは関わりのある人たちに数珠つなぎにご紹介いただく、まちづくり課発のSNS連載企画です。「一番のごちそう」を取材して記事にすることで、人の思い、長田の食文化、その周辺にある歴史や風景を掘り起こし、まちの記憶を繋いでいきたいと思っています。

なお、「そばめし」のネーミングやコンセプトの企画は、長田区役所の6名の有志が集まり、5

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