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4月の読書

みんなのフォトギャラリーから画像をお借りしました。
美しい桜を楽しんだ4月でした。
次男は入学式を迎え、新生活がスタート。本を全く読まなかった彼も、中学生活でよい出会いがあり、本を手に取るようになりました。
友達の影響って大きいですね。
今月は思ったより読めた気がします。


かがみの孤城

本屋大賞受賞作(今年ではありません)だそうです。気になっていたものの今まで手に取らず。
ポプラ社文庫から出ていることからもわかるように、小学校高学年くらいから読める内容です。
主人公は、学校に行くことができない中学生。
ある日部屋の鏡が光って、その中に吸い込まれるように別世界へいざなわれます。そこには中学生が集められていて、どうやら彼らも学校へは行っていない様子です。
ありがちな設定と内容だなと思いつつ、でもそこは作者の力量もあり、そしてこれからどうなるんだろうという思いもあって、読み進んでいったところ、思いがけず最後に泣いてしまいました。
こんな仕掛けがあったとは。
そしてそれにこんなに泣かされてしまうとは。
不登校の子供へのエールともいえますが、直接的なものではなく、こんなにもあなたのことを思っている人がいるんだよということを伝えてくれる物語だとおもいました。
作者が強いメッセージを送って、そして、その言葉を読んだ人がしっかりと受け取れる、そんな温かいラストでした。

ゲームの王国

日本SF大賞受賞作とあって、上を読んだ時点では、これ、SFなの?という感想でした。
しかし下巻では一転して、SFであることに納得。
ストーリーも面白かったけれど、ほとんど知らないカンボジアの歴史を知ることになり、つらい描写も多かったです。
一言で言ってしまえば「ソリヤとムイタックの物語」なのですが、当時の社会情勢が二人を引き裂いて、悲しく対立し、そして最後に再び出会う。そこにカンボジアの歴史とSF的な設定が絡んで、面白い物語になっています。
途中であり得ない人格や能力を持った人々がいっぱい出てくるのですが、その描写も面白いです。

母と娘はなぜ対立するのか

なんていうか、自分自身の同世代に母娘関係をこじらせている人がたくさんいて、自分も含め、なんでかなという気持ちが少し解決できた気がする一冊です。
作者の個人的恨みが延々と述べられているのですが、不思議なことに、それがわりと同世代の大半に当てはまり、結果、個人的恨みを述べているだけではなくなっているという・・・そんな本だと思います。
この感覚は、世代が違うとわかりづらいかもしれません。

曽根崎心中

表紙に魅かれて図書館で借りました。
角田光代さんはこんな本も書いておられたのですね。
お初や、身を売って生活せざるなかった遊女の悲しさがひしひしと伝わってきて切なかったです。
大阪に文学散歩に行きたくなりました。

漂流者は何を食べていたか

面白かった。
若いころ、椎名誠の辺境探検記のようなものに夢中になっていましたが、そのころを思い出してうれしくなるのと同時に、作者がどんなに探検記や漂流記を愛していたかも読んでいたので、こうやってまとめてくれたのはなんだかうれしいです。
今はもう絶版になったものも含めて、漂流記を「何を食べていたか」に絞って紹介するもの。
ただそれだけなのですが、それがとても面白かった。何を食べてどう生き延びたのか?こういうものに興味を持ってしまうのは、やはり人間の生存本能からくるものなのかしらと思ってみたり。

モネのあしあと

中之島美術館の「モネ展」に行った際に購入しました。
内容についてはさすがの原田マハさん。わかりやすく面白い。
「モネ展」はすごい混雑でしたが、終わり際に入る(ちょうど出口付近で閉館の時間になるくらいに計算して入場する)とわりと楽に見ることが出来ました。
これからは混んでいそうな展覧会はこの作戦で行こうと思います。
同時に開催されていた福田平八郎展も、とてもよかったです。

年金生活の具体的イメージをつかみたくて図書館で借りてみました。
どちらかというと心がまえが大事なような気がします。

以上です。
5月はあまり読めない気がします。急に裁縫がやりたくなって、連休中はそちらばかりしていました。
本を読んで、何か縫って、それだけして暮らしていけたらいいのになと気弱なことを思っています。

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