実写版『ワンピース』 感想

 8月31日、ついに公開された実写版『ワンピース』。
どうなるんだという不安を感じつつも、原作ファンとしておだっちの「一切の妥協はない」という言葉を信じ視聴。

 率直な感想は、おもしろかった!
そりゃそう。実写ジョジョも「おもしれ〜」っていってたんだから大抵のモノは自分の中の基準値超えますわな。

 ただ、単純に“面白かった”だけでなく、モヤっとするというか“これが公式なんだなぁ……”という気持ちもあり、なんとも割り切れない感情がある。
その感情を整理するためにも、良かった部分と腑に落ちなかった部分をわけて感想を書いていこう。


良かった部分

 ひとつめは、ストーリー。
実写化にする上で、そのまま原作準拠のストーリーではこないんだろうなとは思っていた。
しかし、よくある酷い改変にはならず、ストーリーの繋がり方や細かな設定変更はあったものの、『ワンピース』という作品の大きな軸は変わっていなかったのでそれは良かった。


 ふたつめは、キャラクター。
これは本当に良かった。お前は…だれだ……となったキャラが1人もいなかった。
主要キャラは勿論のこと、ストーリー変更の関係で殆ど出番がなかったブードルさんですらめちゃくちゃブードルさんだった。

 それだけじゃなく、逆にやりすぎてて実写にしては違和感あるだろ……みたいなキャラもいなかった。
自分の中ではこれがかなり評価が高く、ティザーPVの時点で“このキャラは誰がやるんだろう?”と楽しみにしていたし、その期待をかるがる超えてきたので本当に嬉しかった。

 キャストの演じ方が再現度を高め、衣装が現実に馴染ませていたんだと思う。


 みっつめは、セット。
セットであってるのか微妙だが、船やら樽やら小物やらのこと。
マキノさんの酒場は「マキノさんの酒場だ!」って思ったし、メリー号内は「ここでみんな生活してるんだ……」となって感動した。
少し見ただけで、細部までこだわられているんだろうなと漠然と感じられるほどにあの世界を表現していたのでとても良かった。

 アクションシーンで刀が曲がってたとかいうあれは、アニメの中割りをみて「作画崩壊www」って言ってるようなモノなので個人的には気にならなかった。


腑に落ちなかった部分

 最も腑に落ちなかった部分は、キャラクターだ。
良かった部分にキャラクターあっただろ!と言いたいところだが、良かった部分ではあったけど、キャラクターの内面が自分の中の解釈と合わないキャラクターが多すぎた。
たぶんこれは、演じ方や衣装ではなく、そもそもの脚本の問題なのかなと感じる。
 端的に言えば、製作陣と自分とでキャラクターに対する解釈がかなり違う。

 海賊側のキャラクターには大きな違和感はなかったが、海軍や市民に対してはかなり違和感があった。(なかったとはいえ、ルフィは思っていても弱音は吐かないだろという気持ちはある。)
ルフィとコビーの2軸からストーリーを展開している都合上、海軍側のドラマを描く必要があるからこそのズレであり仕方ないとも思いはするが、納得はできない。

 モーガンはガープに媚び諂わないし、ガープはヘルメッポとコビーを比べてコビーを贔屓しないし、シロップ村の住人はウソップの嘘に本気で怒らないし、ノジコはナミに唾吐かない。
仕方ないのかもしれないが、序盤のワクワク感が強かった分、悪い意味での衝撃も大きく感じた。

 実際にこの現実世界にあの大海賊時代があったのなら、彼らはあのような行動を取るのだろうか。
市民や海軍からしたら辛い時代だが、それでも、シロップ村の住人はウソップに気を遣っているはずだし、ノジコはナミの1番の理解者であったはずだ。
英雄ガープは、寛大で常に世界の未来のために部下に対して良くも悪くも平等に接するだろう。
それは、漫画の世界でもこの世界でも変わらない、彼らの“腹に括った一本の槍”なのではないだろうか。

 腑に落ちなかった部分はあれど、良かった部分の方が大きいのも事実。
この人気ならシーズン2もほぼ確実だと思う。
シーズン2はどこまでやるのだろう。ローグタウンからグランドライン入りして、ウイスキーピークくらいまでだろうか。
今後も色々なキャラクターが登場するが、彼らの信念が変わっていないことを切に願う。

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