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フランス語のparapluie(パラプリュイ)とparasol(パラソル)の違いから面白いことがわかる

(はじめに)


 先日(2018年の)7/17のフランス語講座で、フランス人留学生のAさんから、非常に興味深い話を聞きました。その日のフランス語の教材にparapluie(パラプリュイ:雨傘)が出てきましたが、この単語と発音、私もMさんも、なかなか覚えられない、言えない。そしたら、Aさんが、面白い話をしてくれました。

1. Parapluie(パラプリュイ)とparasol(パラソル)のパラはどういう意味?


 パラ(para)は、英語ではavoiding(ふせぐ、よける)という意味です。プリュイ(pluie)は雨だから、parapluie(パラプリュイ)は、雨をよけるものという意味になり、雨傘を表すのです。パラ(para)は他にも使われていて、paratonnere(パラトネール)のtonnereは雷なので、この単語は「雷よけ」つまり高い所についている避雷針のことです。パラソル(parasol)は、太陽soleil(ソレイユ)をよけるものなので、日傘。パラバンは、(何度聞いても、Mさんも私もバカボンって聞こえてしまうのですが)、このパラバンはparaventと書くので、風(vent)をよけるもの、つまり、びょうぶ(屏風)のことですと教えてくれました。
なので、下にまとめると、
   Parapluie      → 雨よけ →(雨)傘
   Paratonnere → 雷よけ → 避雷針
   Parasol         → 日よけ → 日傘
   Paravent       → 風よけ → 屏風
 そうか、パラソルって、日よけのことだったんだ。私には、それまで雨傘と日傘の違いがよくわかっていなかったのですが、この話を聞いて、非常に納得しました。勉強はするものですね。

2. 屏風について


 ここで、「びょうぶ」のことをふとよく考えてみました。私は、「びょうぶ」は衝立くらいにしか思っていなかったのですが、そう言えば「屏風」と漢字で書くと、確かに「風」に「塀」すると書いてあるように見えます。「びょうぶ」って、風よけのことだったんだ。立派な虎の絵が書いてあったりして、なんでも鑑定団に出てきたりするので、装飾品のようなイメージが強かったのですが、本来、風よけの役目だったんだと改めて理解したのでした。となると、漢字の「屏風」の意味は、フランス語のパラバン(paravent)と全く同じだなあと気がついたのでした。

3. パラシュートについて


上のAさんから教えてもたったことに関連するのですが、10月16日のフランス語の講義で、フランス語のS先生から、paracheuteも同様に、落下(cheute)を防ぐ(para)ものという意味であるとの指摘を受けて、大いに感動しました。パラシュート(落下傘)て、フランス語だったんですね。

(おわりに)


雨よけ、日よけ、風よけがあるんなら、雪よけも、あるんじゃないかと、私は想像を膨らませました。それで、フランス語でparaneigeとつづって、辞書やネットで調べてみました。私の持っている辞書にはなかったのですが、ネットではちゃんとparaneige(防雪(用具))が載っていました。おもしろい!もっとあるかもしれない!
先日これに関連して、郷里の高校の友人とチャットしていたら、昔、腕時計にパラウォーター(parawater)というのがあったと教えてくれました。これはシチズンが完全防水の腕時計と謳って発売したものだったそうです。フランス語+英語となっていますが、これ、水を防ぐものという意味だったんですね!
 
          2018年7月19日 随筆
          2018年10月18日 加筆
          2023年5月5日 加筆

*なお冒頭の写真は、著作権フリーの画像を下記の使わせていただきました。
https://www.photo-ac.com/main/search?q=%E9%9B%A8%E5%82%98&pp=70&qid=&creator=&ngcreator=&nq=&srt=dlrank&orientation=all&sizesec=all&color=all&model_count=-1&age=all&mdlrlrsec=all&prprlrsec=all&qt=&p=1&pt=A
 
 

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