Kenta | 22

26歳、会社員の傍ら、ライター、大学ラグビーのコーチもしてます。 https://n…

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26歳、会社員の傍ら、ライター、大学ラグビーのコーチもしてます。 https://number.bunshun.jp/list/author/%E4%B8%AD%E7%9F%A2%E5%81%A5%E5%A4%AA

最近の記事

ランチがなくなる

大阪・中津に馴染みの店がある。 魚をメインにした一軒家イタリアン。 お気に入りはマグロ頬肉のグリル、ウニのピッツァ。ワインも美味しい。 平日ランチに前菜がしっかり付くのも嬉しい。 知り合いに紹介されたのがきっかけで、会社からも近く、オーナーが元ラガーマンだったこともあって1年前から通うようになった。 ランチ営業が落ち着く頃合いを狙って、毎週木曜の13時過ぎに会社を出る。 「釜揚げしらすと青のりのオイルパスタ」これをつつきながらオーナーとのラグビー談議に浸るのが、僕の

    • またすぐ会える、なんて言わないから

      金曜の朝5時だった。 ケータイが鳴り止まない。 こんな時間に誰から。寝ぼけながら見た画面には、弟の名前が映っていた。 「朝から申し訳ないねんけどさ、ジージがさ、、」 声が震えていた。 祖父の訃報だった。 尊敬する祖父だった。 小さい頃は、よく旅に連れていってもらった。 奈良の法隆寺、滋賀の彦根城、山口の秋芳洞。 中でも、冬の京都で見た雪の金閣寺は、忘れられない。 今でも鮮明に覚えているくらい、美しかった。 お酒が大好きな一方で、ゴルフと散歩も趣味だった。

      • 小さな一歩

         初めて手に取った雑誌は、『Number』だった。ラグビー特集号で、当時最強だった早稲田が表紙を飾っていた。ラグビーを始めて間もない8歳のころ、親父が買ってきたものだったと思う。のちに優勝する権丈太郎の代で、五郎丸のインタビューも載っていた。  ページをめくると、明朝体で印刷されたテキスト。その後ろには「どうやって撮ったん?」と思わせる美しい写真の数々。まるでアートだった。文書に魔法がかかっている。スポーツ誌でこんな雑誌があるのか、と幼いながら強烈な印象を受けたことを覚えて

        • 目を逸らさない

           もう、書かずにはいられなかった。  1月11日。寒さが一段と増す中、新国立競技場で行われたラグビー大学選手権決勝。55-28で早稲田大学を下した天理大学の初優勝で幕を閉じた。関西勢の優勝は、実に36季ぶりだった。  優勝インタビューで周囲への感謝を述べた松岡主将は、中高の1つ下の後輩。当時から本当にラグビーが大好きで、プレーに貪欲で、あの熱さも雄叫びも全く変わらない。  2年前の大学選手権決勝。22-17で天理を下した明治は、22年ぶりの優勝を果たした。ピッチ上で抱き

        ランチがなくなる