マーケティング視点で読解力を高めるノート

OMO(Online Merges with Offline)やDX(Digital …

マーケティング視点で読解力を高めるノート

OMO(Online Merges with Offline)やDX(Digital Transformation)についてマーケティングの視点で見聞きした事(理解、読解、整理、体系化)をおすそ分けします。経済産業大臣登録中小企業診断士/日本商工会議所販売士1級

マガジン

  • リテールメディアとリテールAdsの読み解き

    最近よく目にする小売企業が展開するメディアビジネスである「リテールメディア」を取り上げ、リテールメディアの特性や従来型の広告媒体と比べた優位性、米国型の広告メディアと日本型の販促メディアの差異等を読み解き、ご紹介しています

  • IDとデータを起点とするデジタル経済圏

    QRコード決済が広まった背景にある大規模なポイント還元キャンペーン等、決済事業者の施策に焦点を当て、QRコード決済の競争が生まれた背景や、垂直統合型プラットフォーム事業者の戦略意図を解説しています。また、今日までの主要事業者の動向やキャッシュレスを巡る変化を取り上げ、具体的な事例をもとに、ID・データ保有者による経済圏の半歩先の未来についても考察しています。

  • 工夫次第で情報を届けられる時代の共感型マーケティング

    小さくてもファンを増やす仕組みと仕掛けがわかると題し、中小企業や個人事業主がオンラインチャネルを活用する際の前提となる、情報接触態様の変化を読み解き、IDやSNS、そして口コミを科学して理解するノートをお届けしています

  • デジタル思考とデータドリブン・マーケティング

    変化量が大きく、変化のスピードが速い時代の処方箋として「デジタル思考とデータドリブン・マーケティング」を提案しています。アナログとデジタルの判断の違いやデータの特性や活用上の課題、DXを推進するために必要な考え方やステップなど、ますます求められるファクトベースの変革について解説します。

  • 【PowerPoint】お仕事で使える時短テンプレ

    お仕事で、パワーポイント(PPT)を利用されている方向けに、用途や目的にあわせ、結論部分や、説明要素のテキストを打ち込むだけで、1つのスライドが完成する、時短フォーマットを用意しましたので、ぜひご活用ください。

最近の記事

  • 固定された記事

アジェンダ(目次)

 マーケティングの視点で見聞きし、読み解き、整理、体系化したこと事を発信しています。発信テーマ別に目次を用意しましたので、気になる記事がありましたら、ぜひご覧ください。 1.リテールメディアやリテールAdsについて読み解いた事・驚きの格差!米国と日本のリテールメディア市場規模 ・空気を読まない友達のような広告の失速 ・定義と要件から考えるリテールメディアのポテンシャル ・リテールメディアの実像:その本質は物販ECサイト内広告にあり ・お財布分断の舞台裏:メーカー部門別の役割

    • 「リテールメディア概論」-今注目のリテールメディアを立体的・構造的に理解するためのガイダンス-をAmazon Kindleで出版しましたー('◇')ゞ

      1.書籍の紹介 「リテールメディア概論」-今注目のリテールメディアを立体的・構造的に理解するためのガイダンス-は、小売業やメーカーにおけるデータ起点のマーケティングを支援する会社と、小売業の両方に勤め、それぞれの企業で経営企画に従事した経験を持つ筆者が、日米のリテールメディア市場の現況や差異の分析、日本企業における実践事例に関するレポートの作成とあわせ、成立可能性が高い事業モデルの見極めと導入課題に関するレクチャーのご依頼を受けた際にまとめた資料を元に、リテールメディアを立

      • リテールメディア市場への参入スタイルと立ち位置の考察

         2022年~2023年にかけ、自らの屋号名称を冠したメディアビジネスの事業化を目指す小売業者に加え、小売業のメディアビジネスの確立や事業実装、基盤開発を支援する周辺の事業者、そして、自らが事業主体(パブリッシャー)として自社名義のメディアを取扱い、メーカーが持つマーケティング費用や、その他、ノンエンデミック領域(小売と直接取引を持たないクライアント)の広告宣伝費を確保しようとする事業者による、市場参入の検討が進んでいます。  今回は、リテールメディア市場の事業環境を調査・

        • リテールデジタルメディアの提供主体とタッチポイント別のメニュー

           2023年に入り、リテールメディアに対する注目度や関心の度合いが高まっています。リテールメディアの高い収益性や利益率に着目した小売業はもとより、広告出稿効果に期待するメーカー、小売業のメディアビジネスの成立を支援する広告代理店やコンサルティングファーム、アドシステムやCDP等のデータ活用基盤の開発を下支えするベンダー、リサーチや販促支援の事業者を巻き込む形で、今まさに市場が立ち上がろうとしている状況にあります。  本noteをご覧になる方の中には、リテールメディアの事業化

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        マガジン

        • リテールメディアとリテールAdsの読み解き
          17本
        • IDとデータを起点とするデジタル経済圏
          17本
        • 工夫次第で情報を届けられる時代の共感型マーケティング
          24本
        • デジタル思考とデータドリブン・マーケティング
          14本
        • 【PowerPoint】お仕事で使える時短テンプレ
          58本
          ¥500

        記事

          リテールメディアの新常識:デジタルレベルと顧客接点からみた境界と分類(何をもってリテールメディアと称するか)

           2022年から2023年にかけ、リテールメディアに注目が集まっています。小売、卸、取引先のメーカーの商流、物流、情報流に関わる方、広告代理店やアドシステム(アプリケーションやシステム)のベンダー、小売業の業務システム手掛けるSier、お客さまのIDや購買履歴を預かり小売業やその取引先に価値提供を行うリサーチや販促支援の事業者等の中で、リテールメディアへの期待値が、日を追うごとに高まっていると感じています。  ただ、「リテールメディア」というキーワードだけが、比較的、短期間

          リテールメディアの新常識:デジタルレベルと顧客接点からみた境界と分類(何をもってリテールメディアと称するか)

          米国と日本のリテールメディア構築アプローチの違い:EC起点の内製化とマーケティングフィールドの解放

           ここまで、米国型のリテールメディアの代表格である、Amazon AdsやWalmart connectと、日本型の共同販促型広告(リテールAds)やインストアサイネージ、デジタルクーポンの取組みについて、そのビジネス構造や特徴、成立の要件やボトルネックの存在について紐解いてまいりました。  米国型の強力な自社の物販ECプラットフォームを起点とするメディアビジネスのアプローチと、日本のメーカー、卸、小売りの商流やここまでに確立した商習慣に配慮する形での発展を企図する共同販促

          米国と日本のリテールメディア構築アプローチの違い:EC起点の内製化とマーケティングフィールドの解放

          リテールメディアを駆動させる組織デザイン:中と外を結びつけるハブとしてのインサイドエージェンシー機能

           ここまで、AmazonやWalmartなど米国の小売業は、自社の物販ECサイトを起点に、新しい広告メニューや機能を拡充し、システム開発とメディアビジネスに関連する組織機能を内製化することで、高い収益性と利益を確保している点を、確認してきました。  リテールメディア事業において、内製を前提とした事業展開を検討する際、米国と日本では事業の前提条件に相違があるため、日本での事業展開にあたっては、制約条件や状況の違いに配慮する形で、内製範囲や組織機能をデザインすることが求められま

          リテールメディアを駆動させる組織デザイン:中と外を結びつけるハブとしてのインサイドエージェンシー機能

          リテールメディア内製化への道:明確なポリシーの下で動かす段階的なPOCの役割

           リテールメディアへの期待感が高まっている理由は、自社名義のメディアを品揃え、メディアビジネスの主体者になることで、新たな収益源を確保できる可能性があることです。また、リテールメディアは、本業の小売業の収益率を上回る新しい事業として展開できるという期待感が背景に存在します。  ダイヤモンド・チェーンストアの記事「営業利益の1割以上!?「リテイルメディアは、小売業の利益にどれだけ貢献するのか?」の中でも、専門家から以下の意見が述べられています。  今回は、ここで言う「正しい

          リテールメディア内製化への道:明確なポリシーの下で動かす段階的なPOCの役割

          リテールメディアの利益率を高めるカギ:内製化と自社資産の分散回避の必要性

           近年、米国の小売業で活況を呈すリテールメディアですが、ここにきて、日本においても注目が集まっています。リテールメディアが耳目を集める一つの理由が、自社の収益率を高め、財務状況を改善するキードライバーとなる可能性があるためだと考えられます。  例えば、米国スーパー大手のクローガー(Kroger)は、販促費が増加しているにもかかわらず、PB商品の堅調な販売実績と、リテールメディアなど代替となる収益源への投資により、2023年度第1四半期決算において粗利益率を改善することができ

          リテールメディアの利益率を高めるカギ:内製化と自社資産の分散回避の必要性

          リテールメディアのライバル-メーカーのお財布を狙うデジタルクーポンの憂鬱

           日本では、2020年以降、「どこで(販促対象屋号が決まっている)」と「何を(販促対象の商品)」が明確で、自社の取引先である流通小売に、お客さまを送客し、さらに自社商品を拡販する、という流通対策組織のミッションや業務目的にFITしたデジタル販促手段として、QRコード決済の仕組みを活用したデジタルクーポンの取組みが始まっています。  今回は、メーカーと小売による共同販促広告(リテールAds)とQRコード決済事業者が展開するデジタルクーポンの差異点を、商流や商習慣の視点から確認

          リテールメディアのライバル-メーカーのお財布を狙うデジタルクーポンの憂鬱

          リテールメディアとデジタルクーポンの差異:メーカーのお財布を狙うデジタル販促プレーヤー

           メーカーと小売の共同販促広告(リテールAds)に投下される費用は、主に、メーカーの流通対策部門や営業企画が持つお財布からねん出されており、営業が担当する小売への送客、そして自社商品の拡販のために投下される予算という性質を考慮した場合、オンラインやオフライン、アナログやデジタルな手段という枠組みを問わず、メーカーが実施するあらゆる販促手段や施策と競合していると考えられます。  例えば、ペットボトルのお客に付けるノベルティを製作する費用や、特定の飲料を購入すると新商品の飲料を

          リテールメディアとデジタルクーポンの差異:メーカーのお財布を狙うデジタル販促プレーヤー

          日本のリテールメディア:購買時点と近距離にあるデジタルサイネージ

           日本では、小売業の店舗の入り口や売場内の商品棚、そしてレジの上部等に設定された大型ディスプレイに広告を掲載するデジタルサイネージに注目が集まっています。店舗を持つ小売企業ならでの取組みであり、リテールメディアというキーワードを聞いた時に、真っ先に思い浮かぶメディアだと言えます。  デジタルサイネージは、自ら販売機能を有する小売が、購入時点と近い場所で、お客さまに直接働きかけることができ、あるカテゴリの商品を買いたいという本来目的をもって来店されたお客さまに対し、そのコンテ

          日本のリテールメディア:購買時点と近距離にあるデジタルサイネージ

          日本のリテールメディア:メーカーと小売の共同販促型広告(リテールAds)とは

           日本では、小売業が取得したデジタル会員の顧客IDや広告識別子と会員の購買データを活用し、GoogelのYouTube等、オフサイトへの広告配信を通じ、多数のお客さまのリーチを獲得し、自チェーンへの来店を促す、いわゆるリテールAdsの事業モデルが立ち上がり、存在感を強めています。  今回は、日本のメーカーと小売による共同販促広告であるリテールAdsを取り上げ、その事業モデルから、日本型リテールメディアの特徴を整理していきます。 1.共同販促モデル 一般的な共同販促モデルは

          日本のリテールメディア:メーカーと小売の共同販促型広告(リテールAds)とは

          Walmart Connect:自社EC起点の広告内製化プラットフォーム

           今回は、米国におけるリテールメディアでNo.2のポジションにあり、現在、No.1のAmazonAdsを急追する、ウォルマートの広告事業であるウォルマートコネクト(Walmart Connect)を取り上げ、この事業モデルから、米国型リテールメディアの特徴を整理していきます。  2021年1月末に、ウォルマートは、デジタルマーケティングの内製化を企図し、デジタル広告を扱う部門を「Walmart Connect」として再編。それ以降、デジタル広告ビジネスを成長させるため、さま

          Walmart Connect:自社EC起点の広告内製化プラットフォーム

          お財布分断の舞台裏:メーカー部門別の役割に応じたメディア選択

           こんにちは。マーケティング視点で読解力を高めるノートです。  今回は、メーカーと流通小売の行動原理の違いに着目し、メーカー各部門の役割と業務目標の差異を確認してみます。その上で、1つのメーカー(広告主)が持つ広告や販促にかける予算の分割構造と、区分された予算(お財布)ごとに選択されるメディアについて詳しく探っていきたいと思います。 1.メーカーと小売の目標と行動原理の違い リテールメディアに投下される広告費や販促プロモーションについて会話がなされる際、「マーケ費用」、「

          お財布分断の舞台裏:メーカー部門別の役割に応じたメディア選択

          リテールメディアの実像:その本質は物販ECサイト内広告にあり

           こんにちは。マーケティング視点で読解力を高めるノートです。  今回は、直近で米国企業のマーケターの1/3以上(38%)が利用するまでに成長したリテールメディアの現在地についてみていきたいと思います。  リテールメディアと呼ばれる媒体は様々なものがありますが、現在のリテールメディア広告とは何を指しているのか、米国の事例をもとに考えます。 1.米国における活用実態 GlossyのCMO戦略シリーズのためにリテールメディアを取り上げたGlossy+リサーチの最近のレポートによる

          リテールメディアの実像:その本質は物販ECサイト内広告にあり