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SINKY-YORK (JITTERIN'JINN)

ドラム日記 第38回

忙しい毎日で、ドラム日記もすっかりご無沙汰になってしまっていますが、今回は久しぶりのビートシリーズ
ビートシリーズも第8回になりました。

今回はジッタリン・ジンSINKY-YORKを通じて2ビートの美しい世界を味わってみたいと思います。

◇◇◇

ジッタリン・ジン。
アオハルど真ん中。
今でもこの曲聴くとエモが爆発して泣きそうになります。個人的には、ある人のことを思い出してしまいます。あの子、シアワセに暮らしてるかな。

そんなジッタですが、イカ天出たばかりの頃は、ジッタリン・ジンといえば2ビートって言われてました。

ジッタは、実はとても幅の広いジャンルの曲調を持ってまして、カントリースカロカビリーなど、いろんなリズムが出てきます。
それを見事にジッタらしくアレンジしているので、ジッタリン・ジンのジャンルは「ジッタリン・ジン」だ、と言いたいくらいです。

2ビートも、ルーツはレゲエとかスカなんですかね?速いウラビートです。
プレゼントのギターなんて、まさにスカですよね。ンッチャ!ンッチャ!ンッチャ!ンッチャ!

ところで、2ビートって、なんだ?

毎度、Wikipedia先生にとりあえず聞いてみる。

2ビート(ツービート)とは、ドラム・ビートの態様の1つで、2分音符、または2拍子を基本単位としたビート。行進曲、ラグタイム(四分の二拍子)、カントリー、ブルースなど幅広く使われている。

「2分音符、または2拍子を基本単位としたビート」ってなってますが、でも、ジッタで言う2ビートとか、メロコアで言う2ビートって、そうじゃないなぁ。
2分音符なんて出てもこないし、感じもしない。
じゃあ2拍子か?と言われると、ベースラインとかメロディが乗っかると、8ビートと変わらなくて、普通に4/4拍子。
もしくはもっとめちゃくちゃ速いブラストビートみたいなもうよくわかんないやつ。
テンポが速いからなんでしょうか。

Xビートって何?は、ドラム演奏で説明するとわかりやすいので、その目線で見てみるとわかるかも?(ジャズの世界の話はここでは忘れてください)

16ビートは、バス(赤)からスネア(緑)まで、間にハットが3つ(青)。

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アクセントとなるスネアの間隔が広いので、それよりハットのチキチキチキチキの方に意識が行きます。なので16ビートはハットの叩き方(アクセントの付け方)が大事なんですね。

8ビートは、バスからスネアまで、間にハットが1つ。

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適度にスネアで細かい(8分の)リズム掴みながら、アクセントとなるスネアも適度な間隔で来ます。全体的にまとまった感。3点(ハット、スネア、バス)全部でリズムを作る感じ。それがロックとかポップスとかで幅広く用いられる所以なんですかね。

4ビートは、バスからスネアまで、間にハットが無い。

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4ビートってほとんど見ない。ゆっくりな歌謡曲か、局所的にリズム変えるのに使われるくらいでしょうか。

え、じゃあ2ビートは???
バスからスネアまで、ハットが-1個???あれ?

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うーん、やはりこれだけ、意味が違うみたいですねぇ……。
2ビートって、ふつうこういうのですよね。

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上に書いた4ビートと、やってることは同じ。速いだけ。
ハネるのもよくある。

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結局のところ、他のXビートとは観点が違ってて、バスとスネアだけに着目して、速い2拍子っぽく聴こえるやつのことを2ビートって呼ぶってことでしょうか。

わかんなくなって検索したら、この方が同じようなこと書いていらっしゃいました。

8ビートと2ビートの違いって、ドラムの手脚の目線で見ると、テンポの速さと、間のハットの数です。極端な言い方ですけど。
バスとスネアの間のハットは、バスとスネアを繋ぐ効果を持つので、8ビートに比べて、間のハットが無い2ビートはバスとスネアが独立したように聴こえます。

バスとスネアが独立するということは、間が空いて跳ねてるように聴こえるということです。

「ドッ」「タン」「ドド」「タン」

ステップで捉えると、それぞれが1歩に感じるので、ドッタンドドタンで4歩進みます。そしてテンポが速いので、それはまさに走っている状態です。
なので、2ビートには疾走感が生まれて、モッシュが生まれて、砂煙が舞うんですね。なるほど〜。

以前の日記で、ダンスビートについて触れましたが、あれと身体を動かす仕組みとして基本は同じですが、テンポや、スネア・バスといったアクセント音の間をどう繋ぐかで、歩いたりノったりするのにちょうど良くなったり、走りたくなったりと、リズム効果か変わるんですね。
おもしろーい。

そう考えると、ジッタのライブってノリ(を表現し)にくそう。気持ち的にはめっちゃノリたいのに縦揺れも横揺れもしにくそう。
えー、それ、たいへーん!
ボクだったら目をウルウルさせながら地蔵になる気がする。

ちなみに、テンポゆっくりな、いわゆる二拍子ソングの場合も、この跳ねる効果、進める効果はあります。
おっどらーにゃそーんそん。阿波踊り。
よいーしょーこらーしょー。御神輿わっしょい。
はいさいおーじさん。沖縄民謡。

そういえば、にちようびは沖縄風でしたね。

土着のリズムはハネてる2拍子多いですよね。ズッチャ ズッチャ。二拍子だけでも跳ねる効果あるわけなので、さらに音割りがハネたら、踊るに十分です。
だから2ビートって日本人に好まれるんでしょうか。懐かしい、けど新しい、みたいな。

◇◇◇

さてさて、みんな大好き、SINKY-YORK。

この曲はテンポ速くない(bpm110くらい)ですが、2ビートで疾走感があります。それに32分連打も出てくるし、それに加えてハネてます。

なので、切ない歌詞、切ないメロディ、切ないギターなのに、どこか若さというか元気さというかアオハル感があります。

ジッタは、歌詞やメロディは暗い曲が多いですが、まさに2ビートのチカラによって、軽快なエモい曲になってるわけです。
これ、リズムが普通の歌謡曲調になったら、すごーく暗くて演歌みたいになるんでしょうね。

それくらいこの2ビートには威力があるってことなんですね。ふむふむ。

ちなみにBメロのライドになるところでは、ジャズの世界で言うところの4ビート、ツーチャッチャ ツーチャッチャが出てきて、2ビート感がいったん収まります。そして、Bメロ終わりの32分音符連打からサビに突入して、また2ビートに戻ります。
それって、続いていた日々から(Aメロ)、ちょっと立ち止まって彼女のことを考えてしまい(Bメロ)、でもそんな気持ちを振りほどいて(32分連打)また日々が続く(サビ)、でも、、、みたいなまさに歌詞の世界の通りの展開じゃないですか!!!

エモい曲には、こんなマジックが隠されているんですねぇ。

◇◇◇

ジッタについて語るのは今更な気がするし、ドラム日記なので、やめときます。
ジッタ愛を語ってるサイトはたくさんありますけど、このサイトが好きでした。

ジッタらしさを作り出している、名ドラマー。
入江美由紀さん。いりえちゃん。
ほんと大好き。
こんな記事もありました。

ボクは、ドラムもっと上手くなったとしても、この人みたくは叩けないと思います。なんか流れてる血が違うみたいな。こういうビートは叩けない気がします。

そんなのもあって、憧れます。いっかいライブで観てみたかったな。まだチャンスあるかな?
お師匠さまなら上手に叩きそうだなー。叩いてくんないかなー。

蛇足ですけど、上の記事見つけたときに、合わせてこの記事も見つけました。
ジッタのインタビューが載ってるそうで。

このロッキング・オン・ジャパン、20年前のやつですが、ボク持ってました。
……が。
つい先月、本棚が入りきらないので、なんでアユの特集買ったんだっけな?もう手放してもいいかな!と思って、ブックオフに売ってしまいました!!
確か買値100円だった気が!!
なんてこった!!!
コロナ禍の弊害だー!!!

うーん、買い戻しに行くか。

◇◇◇

どーでもいい話をもうひとつ最後に。

ミニ連載であるビートシリーズを書こうと思い立ってすぐに、2ビートはテーマ候補にできるなと思ってメロコアからアーティストを探していました。
探しているうちに、そうだ、マキシマム ザ ホルモンについてまだ語ってないじゃないか!と思い、包丁・ハサミ・カッター・ナイフ・ドス・キリにしようと決めて記事をタイトルだけ作成していましたが、なんだか気分がノらず、そのまま2ヶ月が経ち、結局ジッタに変えちゃいました。

なので、ホルモンはまた今度別の日記でたっぷりと(そう実はボク腹ペコなんですフフフ)。

次回はまったく未定です!



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