国見英嗣

株式会社ナレッジラボCEO/創業者/マネーフォワードグループでSaaS型経営管理Man…

国見英嗣

株式会社ナレッジラボCEO/創業者/マネーフォワードグループでSaaS型経営管理Manageboardを提供/Deloitte(監査/DTFA)→ナレッジラボ創業(事業再生/Railsエンジニア)→M&Aでマネーフォワード/会計・経営管理・エンジニアリング好き/公認会計士

最近の記事

日米企業の戦略実行力の違いについて考えてみる

失われた30年の日本企業と強い米国企業過去30年間で日本経済と米国経済の差は大きく広がったと言われています。次のグラフはIMFが発表した1990年からの名目GDPの推移です。 米国の名目GDPは1990年から比べると4倍以上となっていますが、日本は同じ期間でほぼ横ばいとなっています。 過去30年の間に、米国は2008年のリーマン・ショックと2020年のコロナ禍によって、マイナス成長はあったものの、この2年間を除くと順調に成長を続けてきました。特に近年の経済成長は非常に強く、

    • 経営管理の課題は思ったよりも深い

      こんにちは、ナレッジラボCEOの国見です。 当社では、6つのカルチャーを定めていて、その中に 顧客の本質的な成功にフォーカスする というものがあります。 お客様の本質的な成功とは、目の前の問題点だけを解決した状態ではなく、気づいていない根本的な課題が解決された状態だと捉えており、表面上の課題だけでなく、お客様が気づいていない根本課題を追求し、解決策を提供することで本質的な課題の解決まで支援するという当社のカルチャーを表したものです。 なぜこのようなカルチャーが生まれた

      • ナレッジラボにとってのカルチャー

        ナレッジラボらしさって何? こんにちは、ナレッジラボCEOの国見です。 ナレッジラボは2013年に創業し、最初の5年はコンサルティング事業だけでやってきましたが、2018年からSaaS事業を開始したり、バックオフィスDX支援事業を立ち上げたり、創業から今に至るまで、何度も事業内容や組織が変化してきました。 創業から事業内容は大きく変わり、メンバー数も大きく増加し、創業当初と比べると個性豊かで多様なバックグラウンドを持ったメンバーにたくさんジョインしていただく中で、組織と

        • 「失敗を語ろう。」 ナレッジラボ 国見 編

          こんにちは、ナレッジラボCEOの国見です。 失敗を語ろうシリーズ、HIRAC FAUND古橋さん、R&AC花松さん、 マネーフォワードベトナム都築さん、スマートキャンプ林さん、クラビス菅藤さんからのバトンを受けて私の番が回ってきました。 私もナレッジラボを2013年に創業して以来、いろんな失敗をしてきましたが、今回は2016年にナレッジラボが大きな方向転換をしたときの経験を書いてみたいと思います。 ナレッジラボは創業してからしばらくの間、事業再生コンサルティングを主軸と

        日米企業の戦略実行力の違いについて考えてみる

          会計事務所の皆さまと新しい経営管理の体験を創る

          こんにちは、ナレッジラボCEOの国見です。 Manageboard2.0も新しい経営管理の体験を提供したいという想いのもとでさまざまなアップデートを重ねてきました。 2021年6月30日にいよいよManageboard2.0でも現行Manageboardの会計事務所さまにご活用いただけるアドバイザープランをリリースすることができました。 今回は、アドバイザープランをリリースするに至った背景や想いについて書いてみたいと思います。 「経営を会計の力で変えたい」から始まった

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          なぜキャッシュはショートするのか

          こんにちは、ナレッジラボCEOの国見です。 やりたいことに対してキャッシュが十分にあるという会社ってほとんどないですよね。多くの会社が限られたキャッシュをいかにうまく使って事業を回していくか、という課題と常に付き合っているんじゃないかと思います。 この課題と付き合っているにもかかわらず、ベンチャー企業であっても業歴が長い会社であっても資金が足りなくなってしまって事業継続が危うくなる会社を多く見てきました。 いろいろな要因があるのですが、キャッシュがショートしてしまった会

          なぜキャッシュはショートするのか

          スタートアップ企業のバックオフィスの現実

          こんにちは、ナレッジラボの国見です。 スタートアップ企業にとって立ち上げ初期から最優先課題はもちろん事業の成長ですね。 顧客や市場のニーズを的確に把握するためにプロダクトやビジネスモデルの試行錯誤を繰り返し、プロダクトマーケットフィットが見えてきたらマーケティング、セールス、カスタマーサクセスなど事業成長のための人材採用を強化してチームビルディングに取り組んでいきます。 スタートアップ企業は事業立ち上げから成長フェーズまではここに全力を尽くすケースがほとんどだと思います。

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          公認会計士がゼロからSaaSを作った話

          こんにちは、ナレッジラボCEOの国見です。 ナレッジラボではManageboardというSaaSを提供していますが、このサービスは構想段階から一貫して社内メンバーのみで作ってきたものになります。 でも創業当初からSaaS開発をやっていたわけではなく、社内で試行錯誤を繰り返しながら作り上げたものになります。 作り出した当初、僕はエンジニアではなく公認会計士としてのキャリアしかなかったのですが、2016年にWEBサービス立ち上げ構想を企て、2017年からSaaSプロダクト開発に

          公認会計士がゼロからSaaSを作った話

          財務データと非財務データはセットで見る

          こんにちは、ナレッジラボCEOの国見です。 売上やコストといった財務データは多くの会社で簡単に入手できる経営状態を把握できる有能なデータです。一方で、マーケティングやセールスなどの事業プロセスの状態を数値化した非財務データも、形はどうあれ社内には必ずあるデータです。 予算管理は一般的に財務データで行うことが多く、非財務データは事業部サイドが現状把握や目標管理に使っていますが、今回はこれら財務データ、非財務データをどのように活用するのが最適解なのかについて書いてみたいと思い

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          会計に対する価値観を変えた事業再生の話

          こんにちは、ナレッジラボCEOの国見です。 2013年に中小企業に新しいサービスの形を作って経営管理の価値を提供したいと考えて創業したナレッジラボですが、創業後、最初に取り組んだのは中小企業の事業再生でした。 それまで事業再生というとM&Aの手法を使った外科手術的なスキームしかやったことがなく、リスケジュールを中心とした中小企業の事業再生はほとんどやったことがなかったため体系だった中小企業の「事業再生ノウハウなどはありませんでした。 そのため、起業から約3年ほどは事業展

          会計に対する価値観を変えた事業再生の話

          チームについて考えてみる

          こんにちは、ナレッジラボCEOの国見です。 ナレッジラボでは、嬉しいことにここ1〜2年で個性豊かで優秀なメンバーがたくさんジョインしてくれています。 数年前まではメンバー個人がアウトプットを最大化することに力点が置かれていた会社でしたが、今はチームとしてのアウトプットが求められるフェーズに変わってきました。 そこでここ1年ほどじっくり考えたのが、「チームってなんなんだろう?」ということでした。 チームで働く面白さは前からすごく感じていて、自分自身チームプレーが好きだっ

          チームについて考えてみる

          ナレッジラボがコンサルティングをやる理由

          こんにちは、ナレッジラボCEOの国見です。 ナレッジラボのVisionは「テクノロジー×コンサルティングで経営のプラットフォームを提供する」となっているように、ナレッジラボにとっても僕にとってもコンサルティングというのはとても大事な領域です。 でもはじめからそう思っていたわけではなく、コンサルティングの面白さや提供価値の重要性に気づくまでは結構な紆余曲折がありました。 今でこそナレッジラボはManageboardというSaaS開発というテクノロジー領域に力を入れています

          ナレッジラボがコンサルティングをやる理由

          難しい業績予測を解決するテクノロジーの進歩

          こんにちは、ナレッジラボの国見です。 ここ数年、環境変化が激しくなっていて、特にこの一年は新型コロナの影響によって先行きの見通しがなかなか立てづらい状況が続いていますが、このような中でうまいこと経営の舵取りをしていくためにも、業績予測が重要なテーマとなっています。 上場企業はもちろんですが、中堅企業や成長する中小企業でも経営をうまくコントロールするためにとても重要だけど精度を高めるのが簡単でないのが業績予測です。 設定した目標を毎月達成するためにはタイムリーでかつ精度の

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          アジャイルファイナンスについて考える

          こんにちは。ナレッジラボCEOの国見です。 近頃、アジャイルファイナンスという言葉に触れることが徐々に増えてきたので、今回はアジャイルファイナンスについてさわりをまとめてみたいと思います。 アジャイルといえば、ソフトウェア開発の考え方としてよく知られていて、ナレッジラボが開発しているManageboardも当社プロダクトチームがアジャイルの手法であるスクラム開発をしているので、結構馴染みのある言葉ではありました。 一方で、アジャイルファイナンスとなればあまり聞き馴染みが

          アジャイルファイナンスについて考える