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神奈川大学野球優勝の行方

こんばんわ。Yです(@kngw_baseball)
4月6日に開幕した神奈川大学野球連盟(以下神奈川リーグ)の春季リーグ戦も残すところあと1週のみとなりました。現時点で順位が確定しているのが5位・神奈川工科大学と6位・横浜国立大学の2校が順位が決定しています。特に昨秋のリーグ戦3位で終えた横浜国立大学が第5週の結果をもって最下位が確定し入れ替え戦に回る形になるなど、昨秋の結果と大きく異なる形になっており、昨秋のレギュラーメンバーなどが残っている中で、第6週目を終えた時点で1勝も挙げられないという予想できない展開になっています。

今回のnoteでは5月18日、19日に開催予定の春季リーグ戦第7週に行われる「桐蔭横浜大学ー横浜商科大学」の試合について書いていきたいと思います。第6週を終えて首位に立つ横浜商科大学と2位で追う桐蔭横浜大学、勝った方が優勝という最終週にふさわしい好カードが組まれているので、試合を盛り上げるためにもnoteにまとめていきたいと思います。







日程

5月18日@関東学院大学G

10:00〜桐蔭横浜大学ー横浜商科大学
12:30〜関東学院大学ー横浜国立大学

5月19日@関東学院大学G

10:00〜横浜国立大学ー関東学院大学
12:30〜横浜商科大学ー桐蔭横浜大学

※2カード共にどちらかのチームが2勝した場合は5月19日の試合終了後に、3戦目にもつれた場合は3戦目終了後に閉会式を実施予定

1位・横浜商科大学

前週の神奈川工科大学戦で2連勝をし、ついに首位に立った横浜商科大学
数年前はリーグ戦全敗で入れ替え戦に回った経験のあるチームが復活。しかしここ数年、あと一歩のところまで来てはいるものの最後の最後で勝ちきれずに2位でリーグ戦を終えてしまっているだけに悲願の優勝を目指す。


【先発投手】

先発として予想される高根 匠人(④文星芸術大学附属)岩瀬 風馬(④国士舘)のWエースだ。

右のエース・高根

右のエースでもある高根は序盤こそ17回連続無失点を記録するなど絶好調な滑り出しをする。しかし、そこから2試合連続で打ち込まれるなど本来の高根の投球からはすこしかけ離れた投球となってしまっていた。ただそこから1週空けた神奈川工科大学戦では7回無失点と復調の気配を見せているだけに万全な状態で挑むことが出来るだろう。

左のエース・岩瀬

左のエースでもある岩瀬はランナーを背負う場面も多くみられるが、その中でも打たせて取る粘りの投球を見せ最後はホームを踏ませずに凌ぐ、その姿はまるでOBの藤村 哲之(現東芝)を彷彿させるような熟練の投球術のようなものがある。高根とはまた違ったスタンスの投球でもあり、先発もリリーフもどちらもこなすことが出来る器用さもあるので大車輪に期待したい。



【救援投手】

リリーフ陣も盤石の体制を誇るのが今年の強みの1つ。
荒木 勇人(④惺山)が5試合に登板し、8回2/3を投げて無失点を記録するなど安定感抜群の右サイドハンド右腕を筆頭に、棟方 響(④湘南工科大学附属)次郎丸 匡峻(④つくば秀英)など力のある投手たちに加え、工藤 逞(①文星芸術大学附属)も生きのいいボールを投げているだけに劣勢などの展開で登板し流れを引き寄せる投球に期待したい。

右サイドハンドの荒木
左のリリーフ棟方
闘志を全面に出して投げる次郎丸
昨夏の甲子園で好投した工藤はリーグ戦でも好投を見せている




【野手陣】

野手は昨年のレギュラーと下級生が上手く融合しておりここまで安定した戦いを見せているのではないだろうか。昨年から出場している選手で今年も継続してレギュラーとして活躍している竹島 楓斗(④八幡商業)はここまでチームトップの9打点を記録し上位打線が繋いだチャンスを見事にものにしており、ここまでの状態の良さを伺うことが出来る。

俊足を生かしたプレーで下級生の頃から出場している竹島


その他にも主将・田村 和希(④大阪商業大学)宮崎 海(③愛工大名電)なども中軸を任されており、竹島の後ろにも強力な選手が控えているだけに相手投手としては気を抜くことができないだろう。

主将を務める田村
関東学院大学戦でサヨナラホームランを放った宮崎


そして下級生の活躍を取り上げる中で外すことのできないのが加藤 蒼惟(①愛工大名電)だ。

広角へ打ちわけ安打を重ねる加藤蒼惟

以前更新した新入部選手紹介noteでは「シンプルなフォームから力強いスイングで安打を積み重ねる。昨秋のリーグ戦では様々な選手がサードを守るなどをして最後まで固定されなかっただけに春からリーグ戦出場の可能性が高いのではないだろうか」などと記載していたが、まさしくその通りの結果となりここまで9試合全てでスタメン出場。序盤こそ下位打線を打つことが多かったものの、6週目の神奈川工科大学戦からは遂に3番まで打順を上げている。ここまで9試合連続安打を記録しているだけに加藤がどの打順になるかはわからないが、彼の出塁で打線に勢いをつけたいところだ。

加藤蒼以外ではこちらも今春から出場している上迫 稜弥(②神村学園)も面白い存在になっている。

小柄ながらガッツ溢れるプレーを見せる上迫

主に2番などを任されていたが、神奈川工科大学戦では1番を任されるようにもなった。ガッツ溢れるプレーやここぞという場面でベンチの期待に応える打撃に積極的な走塁など、泥臭い野球をしてくる選手であり上位にいると相手バッテリーからしたら警戒しなければいけない内容が増える、いい意味で「いやらしい打者」になっている。



【個人的キーマン】

渡辺 優斗(捕手/②敦賀気比)

今春からレギュラーとして出場している渡辺


ここ何シーズンかはあと一歩のところまでいくものの優勝を逃している商大。
この春からレギュラーとしてスタメンマスクを被るようになった渡辺は1年春からベンチ入りをしており、届いていないあと一歩の悔しさをベンチで見ているだろう。今季は経験豊富な先輩たちを巧みにリードし、経験の浅い後輩を引っ張っておりチームを引っ張ってきた。最終週でどれだけ投手陣を強気に引っ張れるかに注目したい。


【初戦の予想スタメン】

4 上迫(②神村学園)
8 竹島(④八幡商業)
D 加藤蒼(①愛工大名電)
7 宮崎(③愛工大名電)
9 田村(❹大阪商業大学)
3 橋本(④日大三)
6 松木(④西武台)
2 渡辺(②敦賀気比)
5 及川(④横浜商業)
P 高根(④文星芸術大学附属)







2位・桐蔭横浜大学

リーグ戦3連覇中と他の大学を寄せ付けない強さを見せている桐蔭横浜大学。昨年秋のリーグ戦も最終戦の横浜商科大学戦で優勝を決めており、昨秋の再現なるかに注目。


【先発投手】

リーグトップの29奪三振を記録している薮野 哲也(③鹿島学園)と2位となる20奪三振を記録している髙田 恭平(④壱岐)の両投手が先発を任されている。

薮野はこの春から本格的に先発へ転向し、既に6試合に登板。37イニングを投げて四死球がわずか13と安定した制球力で試合を作っており、初戦での先発が予想されるだけに試合を作れるかに注目したい。

薮野は昨年の神宮で悔しい思いをしただけにリベンジのチャンスを掴めるか


2戦目を任されているのがこの春からリーグ戦の主戦になった髙田だ。テンポのいい投球で投げ込む投手で、相手打者から空振りを奪えるストレートはホップしているかのような打者の手元で浮き上がるようなボールが魅力的。23回を投げて四死球がわずか5と制球力もあるだけに自らの投球で流れを作ることができるか。

去年の主将もかなり期待をしていた髙田


【救援投手】

髙田と共にこの春から主戦としてリリーフエースの座を掴んだ伊吹 聖矢(④帝京第五)が君臨。ここまでイニング数と同等の三振すうを記録しているだけにリードした展開で彼に繋いでいきたい。伊吹以外にも福田 拓実(③山村学園)や東芝とのOP戦で好投した次の週のリーグ戦ですぐにベンチ入りした松岡 凜太朗(①京都国際)など実力のある投手が揃っているだけにどの投手がベンチ入りするかも予想が出来ないだけに、ここまでベンチ入りしていない投手が入る可能性も考えられるだろう。

髙田と共に昨年の主将が期待していた投手の1人でもある伊吹
1年生からリーグ戦経験のある福田
東芝戦で3者凡退を記録した1年生の松岡


【野手陣】

昨年秋から野手陣は大きく変わった。今春からリーグ戦に絡む選手が多い中でスタメン9人中4人が打率3割超えの選手を擁す強力打線を形成し、リーグ1位タイの打率を記録している桐蔭横浜大学。先制点を許しても直後のイニングで逆転をするなどここ数年でも繋がりのある打線になっているように感じる。

ここまで1番を任されている山崎 隼(④日大藤沢)が打率3割を超えており、チームを勢いつける打撃をしている。昨年までは守備固めなどで出場する機会は多かったものの今春からレギュラーに定着。出塁率も4割近い数字を記録しているが打点が11打点とリーグトップの成績のこしているだけに、自らの出塁で得点チャンスを演出し、ランナーがいれば自らのバットでランナーを生還させることが出来るだけに彼の打席は大きな鍵になるだろう。

走・攻・守のバランスが取れている山崎


山崎の出塁を鈴木蓮(④作新学院)梅澤 蒼空(①藤沢翔陵)佐藤 塁大(③山村学園)の中軸がいかに本塁へ返せるか。

昨年の神宮では代打であと一歩という打球を放った鈴木蓮

特に4番に入る梅澤は1年生ながらここまで打率.556、3本塁打、9打点と打率・本塁打の2冠王を維持。渡部 健人(現埼玉西武ライオンズ)以来の1年生の春から4番に座る形になっており、4番として勝利に貢献する打撃に期待したい。

捕手登録も三塁の守備もそつなくこなす梅澤


また梅澤の後ろを打つことが予想される佐藤もこの春は打率3割を超えておりこちらも好調を維持。1年生のころから試合出場を続けており昨年の大学野球選手権ではスタメンも経験。ここまでの成績を見ると梅澤との勝負を避けてくる可能性も高いだけに、佐藤がどれだけ勝負強さを発揮できるかに注目したい。

今シーズン3割を超える打率を記録している佐藤


上記の以外だと丸 優太(③白山)は打席数こそ多くないものの打率3割を超える成績を残しているだけにスタメンの可能性も十分に高いだろう。

ここまで3割を超える打率を残す丸


その他にも打席数は少ないが、本塁打を記録しており長打力が魅力の坪井 蒼汰(②山村学園)やこちらも打席数は少ないが3割近い数字を残している安藤 健(③八王子学園八王子)などの勢いのある選手も控えている。

東芝とのOP戦ではチーム初安打を放った坪井
セカンドを守る安藤


主将の上田 甲(❹橘学苑)はショートでスタメン出場し、途中からセカンドへ回るケースが多いものの、ショート・セカンドどちらで出場してもセンターラインを固めてくれる安定した守備力を見せてくれるのも注目したい。

2024年度主将の上田


【個人的キーマン】

加田 拓哉(外野手/④帝京)

ここまで2本塁打を記録している加田

開幕戦は4番を打っていたものの、そこから14打数ノーヒットとかなり苦しんでおり一時期はスタメンから外れる試合も。しかし、神奈川工科大学2戦目で4打数4安打1本塁打と復調。力強いスイングで下位打線から相手バッテリーへプレッシャーをかけられるかに注目したい。


【初戦の予想スタメン】

8 山崎(④日大藤沢)
4 上田(❹橘学苑)
3 鈴木蓮(④作新学院)
5 梅澤(①藤沢翔陵)
7 佐藤塁(③山村学園)
D 加田(④帝京)
8 丸(③白山)
6 青柳(④西日本短大附属)
2 沼生(④昌平)
P 薮野(③鹿島学園)





最後に

勝った方が優勝の最終節。最後の最後までどうなるか予想ができないだけに両チーム共に悔いのない試合をしてもらいたいと思います。

また、優勝したチームは「第73回全日本大学野球選手権大会」へ神奈川大学野球連盟代表としての出場が決まります。横浜商科大学が優勝すると2010年以来13年ぶり5回目の出場になり、桐蔭横浜大学が優勝すれば2年連続9回目の出場となります。6月10日の神宮球場第1試合に北陸大学野球連盟との対戦が決定しており、2022年の神奈川大学以来の初戦突破が出来るかどうかにも注目したいと思います。


以上が簡単な第7週・最終週に行われる優勝争いの試合展望となります。
是非、熱い試合を観に球場に運ばれてみてはいかがでしょうか。


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