珈琲店でのいい時間。気がつくと長居してます。
天気のいい日曜日、自転車で図書館に行きました。
その帰りに町の珈琲店で休憩をした時の話です。
借りた本をザーッと読んで、面白くなかったら読まずにサッサと返却しよう。
それともう一つ。
珈琲店のマスターに会いに行くという目的がありました。
SNSの情報によると、マスターの男性はこの町で珈琲店を開いて44年目の大ベテランらしいのです。
私はこの町に移り住んで10年くらい経つのですが、それよりも前の町並みがどんな様子だったか興味がありました。
それをマスターに聞いてみたかったのです。
店に着いて中に入ると、
「いらっしゃいませ。」
店内には女性の店員さんが一人でした。
あれ、マスターご不在。
そうか、マスターは毎日店に立っているワケではないのかな。
ご高齢のようだし。
ちょっと残念ですが、折角だから珈琲を飲みながら本でも読むことにします。
店内には小さなテーブルと椅子のセットが4台くらいあり、先客が2組います。
私はなるべく先客と目線が合わない席に座りました。
チラチラ目が合ってしまうと先客さんに迷惑かなと思いまして。
そしてコロンビア珈琲を頼んで本を読み始めました。
店内を見渡すと、年期の入った珈琲器具や豆の入った樽や大きな麻袋が置いてあります。
店の角には小型の焙煎機がありました。
壁に埋め込まれたスピーカーからは昭和の音楽が流れてきます。
騒々しさを全く感じさせない音量でとても快適。
選曲は、「恋は水色」や「ゴッドファーザー愛のテーマ」、手品の定番曲で有名な「オリーブの首飾り」などがインストゥルメンタルで流れています。
いい店だなあ。
コロンビア珈琲もいい香りだし、とても居心地かいい。
読んでいた本も面白くて、しばらく本の世界に入り込んでいました。
時間を忘れて没頭していると、、、
カランカラン♪
とドアベルが鳴り、細身で白髪を短く刈り上げたシブい男性が入ってきました。
私が本の隙間からその男性をチラ見すると、
「いらっしゃいませ。」
とニコやか。
どうやら目当てのマスターのようです。
今日は不在かと思っていたのでラッキーでした。
マスターは何種類かの珈琲豆を取り出して、それぞれ重さを測り、豆をブレンドし始めました。
そして焙煎機に火を入れて炒り始めたようです。
すると香ばしい香りがしてきました。
その一連の動き、表情や手つき、ノートにメモする仕草などがとてもカッコいい。
これはもう完全にプロの仕事です。
つまりマスターは簡単に仕事を休むような質ではなさそうです。
ご高齢だから今日は休みなど失礼な思い違いでした。
さて、ずいぶんと長居してしまいましたので、そろそろお会計をして引き上げます。
「あの、このあたりは昔どんな景色だったのですか?」
「ああ昔はこの辺りは原っぱでね、ちょうどその角にはガソリンスタンドがあってね、となりは倉庫でね。」
というように当時の様子を教えてくれました。
そうか、昔とだいぶ町並みが変わったんだな。
少しだけ閑談した後にマスターが、
「ポイントカードをあげるからまた来てください。」
とのこと。
「ありがとう」とお礼を言って店を出ました。
今日は来てよかった。
そしてポイントカードを見ると、、どうやら有効期限はないようです。
・・・・この展開は以前にもあったような。
またポイント貯めに来よう。
文+イラスト : ケーモティック
■ 関連する記事
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?