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選ばれなかったことで、新しい道が開いた就活のこと

※以前書いた記事を削除して、書き直しました。

私が尊敬する仕事人であり、コピーライターの阿部広太郎さんの書籍「あの日、選ばれなかった君へ 新しい自分に生まれ変わるための7枚のメモ」を読んだ。阿部さんの中学時代から、アメフトのこと、大学受験のことなど、知らなかったことを知れてよかった。「阿部さんはこういう経験をして、その時こんな風に感じて、こういうことを考えて、生きてこられたんだな」と、阿部さんの、「その時、その時を丁寧に、時に悩み、時に悔しがり、時に大胆な変身もしながら過ごしてこられた経験」が赤裸々に綴られていて、シビれた。

この本は主語が「君」になっていて、阿部さんの経験が書かれているのだが、自然と自分の過去の体験も思い出され、自分の選ばれなかった経験を語りたくなってしまう不思議な力がある。

この本を私が読みたいと思ったのは、「あの日、選ばれなかった君へ」というタイトルと、帯の「就活に失敗した」という言葉を見て、どんなことが書かれているのだろうと思ったからだ。

「人間には限界がない。」という成功者やアスリートがいる。かつて私もその言葉を信じていたことがある。しかし、就活時代、私は自分の限界に直面し、挫折した。「広告で人を幸せにしたい。」そんな志望動機を抱いて、広告業界を目指し、就活をしていた。就活のほかにも、大学の研究、バイト、遊びにも寝る間を惜しんでどん欲に取り組んだ。

その結果、第一志望の面接の日に、会場の目の前まで行きつつも、面接を受けることができず、その日から一週間精神病院に入院した。

あれだけ行きたかった第一志望の会社。入院していたことから、第一志望だけでなく、ほぼすべての選考に行けなかった。

結果的に翌年、私は広告業界ではなく、メーカーに就職した。

広告業界は激務なイメージがあった。就活ごときで、メンタルやられている自分には広告業界で働いていくことは無理だ。自分でも諦めがついた。阿部さんの書籍の

選ばれなくて良かったんだよ。

「あの日、選ばれなかった君へ」より

という言葉が心にしみる。これからは自分が広告を作りたいと思うのではなく、あこがれだった会社の作る広告やコピーのファンとして、自分はメーカーで頑張っていこうと思った。

選ばれないということで、軌道修正ができる。思った通りにいかないからこそ、出会える人がいるし、人生をおもしろくする経験ができる。レールから外れたら人生終了なのではなく、レールから外れたところに、知らなかった世界、自分が活躍できる居場所があったりする。

かつて思っていた「広告で人を幸せにしたい」という気持ちは今、「イラストで人を笑顔にしたい」に変わっている。広告は作れていないけど、今はLINEスタンプをつくれたり、漫画をかけたりする。選ばれなかったからこそ、今の自分がいる。

選ばれないことで、新しい自分に生まれ変われるんだ。

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