ぴんぱ

読書や詩作、武術、芸術を通じて強さや美しさ、愉しさを探求しています。強く影響を受けた人…

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読書や詩作、武術、芸術を通じて強さや美しさ、愉しさを探求しています。強く影響を受けた人物は桜井章一、執行草舟、成瀬雅春、野口晴哉、狩撫麻礼。 https://twitter.com/kmbxd991

最近の記事

アニマシオン

『読書で遊ぼうアニマシオン』 モンセラット・サルト 1997.4 柏書房 『子どもが必ず本好きになる16の方法・実践アニマシオン』 有元秀文 2014.10 合同出版 『絵本で実践!アニマシオン』 木村美幸 2024.1 北大路書房 今週、立て続けにアニマシオンの関連書物を3冊読んだ。 アニマシオンとは、1970年代にスペインのモンセラ・サルトによって開発されたこどもたちに読書の楽しさを伝えるとともに読む力を引き出すためのグループ参加型の読書指導メソッド。 アニマシオンは

    • ブルーレディ

      好きな紅茶の一つに「ブルーレディ」という品目がある。 マリーゴールドや柑橘系の香りづけがされたフレーバーティーの一種なのだが、数年前にその存在を知り、以来、家にストックするようになった。 さわやかな飲み心地と香りもさることながら、茶葉の中には、スミレ色やオレンジ色、赤や黄色の花びらが入り混じっているので、ティポッドに茶葉を移しかえ、湯を注ぐ時までも、華やいだ気分を味あわせてくれる。 以前はアールグレイを好んでよく飲んでいたのだが、最近、家で紅茶を飲むときはもっぱら、これだ。

      • 「若者の読書離れ」というウソ

        『「若者の読書離れ」というウソ 』 飯田一史 2023/06 平凡社 副題には「中高生はどのくらい、どんな本をよんでいるのか」とあったが、この20年間で、小中学生の平均読書冊数はV字回復しているという。 一般的に「若者は本を読まない」という事実と異なる説が流布されているが、各種データをもとに、この説が単なる大人たちの思い込みであったことが示されていた。 また、驚くべきことに、ネットやスマホの影響で読書率や読書時間が著しく減少しているという傾向は見られず、日本人は高校生以

        • 暴虐と虐殺の世界史

          『暴虐と虐殺の世界史』 村山秀太郎 (2024年1月刊) 二見書房 本書、今年読んだ歴史関連の書物の中で、抜群の面白さだった。 副題には「人類を恐怖と絶望の底に突き落とした英傑ワーストイレブン」とあり、歴史上、人類を狂気の時代に貶めた11人が、サッカーの4-3-3システムになぞって、紹介されていた。 フォーワードには、ヨシフ・スターリン、毛沢東、アドルフ・ヒトラー。 ミッドフィルダーは、ポル・ポト、フランクリン・ローズベルト、カーティス・ルメイ。 ディフェンダーは胡適、ジ

        アニマシオン

          密教を生きる

          『密教を生きる』中村公隆 1997年11月刊 春秋社 昭和2年広島県に生まれ、真言宗獨鈷山鏑射寺の住職であった、中村公隆阿闍梨の著書。 精神科医の名越康文さんが絶賛しており、紹介されていた阿闍梨の法力のエピソードが凄まじかったので、手に取ってみた。 自伝的な要素の強い内容で、名越医師が語っていたようなサイキックなエピソードはそれ程、なかったのだが、空海が残した密教という体系の片鱗がリアルに伝わり、また、まるでリアリティのなかった空海という存在がどういう人物であったのか、

          密教を生きる

          令和6年4月読書

          『クール 脳はなぜ「かっこいい」を買ってしまうのか』 スティーヴン・クウォーツ/アネット・アスプ (2019/01)日本経済新聞出版 認知科学、脳科学者による文明論、カウンターカルチャー論。 クール、かっこよさとは何なのか、そして、それが現代の経済活動にどのような影響をもたらしているのかを論じていた。 個人的には第5章で紹介されていた「一夫一妻制は人類の一大発明であり、この出現によって地位をめぐる興味が弱まり、地位のジレンマが軽減された」という論旨が興味深かった。 消費は単

          令和6年4月読書

          図解サバイバル読本―SURVIVAL SKILLS BOOK

          『図解サバイバル読本―SURVIVAL SKILLS BOOK』Fielder編集部 (2023/12発売) 笠倉出版社 ミドリガメやすっぽんの捌き方が図解で記されており、よかった。 今度、獲ってきて試してみたい。 先日、鯉のブツ切りで鯉こくを作ったのだが、家族の誰も食べてくれなかったが、旨かった。鯉は鱗まわりが脂乗りが良く、とても美味しい。 以下、目次であるが、焚火がやりたくなって、仕方がなくなった。 01 火熾し 02 焚火の基本 03 焚火の応用 04 シェルター構

          図解サバイバル読本―SURVIVAL SKILLS BOOK

          成瀬は信じた道をいく

          『成瀬は信じた道をいく』 宮島未奈 2024/1/24 新潮社 本書を読み終わった直後、前作の『成瀬は天下を取りにいく』が今年の本屋大賞受賞の報を聞いた。 自分も昨年、読んだ小説の中で、一番だったので、当然とは思いながら、とても嬉しかった。 なぜなら、前作を読んで以来、主人公である成瀬あかりのファンとなってしまった事と、成瀬という存在を祝福する読者が全国に多くいることを知ることが出来たからだ。 同時期に本書を読んでいた娘も同じ思いであったようで、二人でそのよろこびを分か

          成瀬は信じた道をいく

          アントニオ猪木とは何だったのか

          『アントニオ猪木とは何だったのか』集英社新書 (2023/09) 今年、風邪をひき寝込んでいるとき、アマゾンプライムのリコメンドに現れ、見始めたのがアントニオ猪木の足跡を辿ったドキュメンタリー、映画『アントニオ猪木をさがして』だった。 半ば朦朧とした意識の中で見ていたのだが、エンドロールに「イノキボンバイエ」が流れ始めた瞬間、血液が沸騰するかのような感覚に襲われた。 映画が終わった後も、その翌日も、数日間「イノキボンバイエ」が耳の奥で突然、流れ始め、「イノキボンバイエ」「イ

          アントニオ猪木とは何だったのか

          空飛ぶ円盤が墜落した町へ

          『空飛ぶ円盤が墜落した町へ―X51.ORG THE ODYSSEY 北南米編』 佐藤健寿 (2015/04)河出文庫 写真家、佐藤健寿による南北アメリカ紀行文。いや、奇行文。 著者の写真集「奇界遺産」を見たときの衝撃は忘れられない。 武蔵野美術大学を卒業後、世界各地の“奇妙なもの”を対象に、撮影・取材・執筆を行ない、テレビ「クレイジージャーニー」の出演者として知る人も多いであろう。 その博物学的、美学的な視点は荒俣宏に通ずるところがあり、好む所でもある。 本書、北米編では「

          空飛ぶ円盤が墜落した町へ

          吹奏楽作品世界遺産100

          『吹奏楽作品世界遺産100』 伊藤康英、鈴木英史、滝澤尚哉 (2024年3月)音楽之友社 副題には「後世に受け継がれゆく不朽の名曲たち」とあり、世界の音楽家・演奏家たちの意見をもとに選ばれた吹奏楽の重要レパートリーが解説やスコア、周辺エピソードを交え、紹介されていた。 初めて知ったのだが、吹奏楽曲には民謡が数多く用いられており、本書で掲載されていた曲のスコアにも歌詞の記されているものが散見され、大いに驚いた。 以前、自衛隊音楽隊の委嘱曲に歌詞を提供させて頂いたことがあり

          吹奏楽作品世界遺産100

          令和6年4月読書

          『バナナ腰を治せば、体の不調が消える!」 とも先生 2022/11 小学館 ある方より、反り腰(バナナ腰)であるという指摘を受け、本書を薦められたので読んでみる。結果、自分はバナナ腰でないことが分かったのだが、姿勢に乱れがあることには変わりないので、改める機会としていきたい。 『高くてもバカ売れ!なんで?』川上徹也 2024/02 ソフトバンク新書 時代に合わせたヒット商品、サービスの生み出すための方法論とその具体的事例が記されていた。 「アガる」「プレゼント」「自分メ

          令和6年4月読書

          下流志向

          『下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち』 内田樹 (2009年07月)講談社 なぜ、子どもたちが学びに意欲的でなくなったのか、若者たちが働くことに悲観的であるのか、その背景と要因に迫ったのが本書。 以下、本書の目次であるが衝撃的だったのは、第2章で説かれていた「学力低下は努力の成果」だ。 第一章 学びからの逃走  新しいタイプの日本人の出現/勉強を嫌悪する日本の子ども/学力低下は自覚されない/「矛盾」と書けない大学生/わからないことがあっても気にならない/世界

          下流志向

          Dr.マシリト最強漫画術

          『Dr.マシリト最強漫画術』鳥嶋和彦 本書を読み終えたのは鳥山明の訃報を聞いた日の前日だった。 本書の筆者、鳥嶋和彦氏は鳥山明を発掘し、『Dr.スランプ』で悪役のDr.マシリトのモデルともなった少年ジャンプの編集者(後の編集長) 本書では、実践的なヒット作の作り方から漫画業界の仕組み、「ドラゴンボール」など傑作の誕生秘話が記されているだけでなく、たぶん鳥山明が描いた最後の漫画でないかと思われる「あのころのトリシマとトリヤマ」が収録されていた。 ちなみに自分が最も好きな

          Dr.マシリト最強漫画術

          タツノコプロを創った男 

          『タツノコプロを創った男 アニメの神様吉田竜夫の全仕事』宝島社 (2022/11) こどもの頃、TVの再放送で繰り返し見ていたアニメはタツノコプロで制作されたものが多かった。 ヤッターマンをはじめとするタイムボカーンシリーズ、いなかっぺ大将、みなしごハッチ、ハクション大魔王、破裏拳ポリマー、新造人間キャシャーン、どれも印象的なオープニングとそのテーマ曲が今でも鮮明に記憶の中からよみがえる。 自分の感性の一部は間違いなく、タツノコプロによって作られたといってもいいだろう。

          タツノコプロを創った男 

          一流の人は、本のどこに線をひいているのか

          『一流の人は、本のどこに線をひいているのか』 土井英司 サンマーク出版(2016/10) 著者は「読書とは数千行の中から自分の未来を拓く「1行」を見つける行為」と説き、アマゾンの日本サイトの立ち上げに参画し、エディター・バイヤーとして、数々のベストセラーを生み出してきたプロデューサーの土井英司氏。 頷くこと多々で、本に線を引かず読み進めていく自分のスタイルを見直してみようとも思った。 以下、本書の目次であるが、最も参考となったのは著者がこれまで読んできた2万冊のビジネス書

          一流の人は、本のどこに線をひいているのか