チャージマン研50周年ということで魅力語りと自分語りをする記事

チャージマン研が2024年の4月1日に50周年を迎える。もちろん僕は生まれていないどころか、自分の親父ですら子供の頃の話だ。


チャージマン研と出会うまでの話

まず筆者は2007年生まれの16歳。初めて見たアニメは「ドラゴンボール改」のセルゲームだ。そのあと親の影響で「ケロロ軍曹」などを見ながら順当にオタクとして育っていった。

当然、放送当時のエピソードを持っているわけでもなければ、一番チャージマン研(以下チャー研)が流行っていたであろう2007年から2014年あたりをインターネットに使って過ごしていたわけでもない。その時は妖怪ウォッチなんかの年相応なもので遊んでいるか、家族共用のタブレットを使って一生Gigagineを読みふけっていたかの二択だった。

そんな僕がチャー研と出会ったのはつい最近、2020年だったと思う。それ以前にニコニコ動画なども嗜む程度には楽しんでいたので、音MADなどを楽しむ過程で触れてはいると思うのだが、正直記憶はない。どちらかというと必須アモト酸や淫夢ネタ、あとはMSSPやもこうなどのゲーム実況を見ていた記憶がある。

どうしてニコニコで音MADを見ているのに出会わなかったのかは知らないが、ちゃんと出会ったのは2020年の一斉休校の時だった。学校の課題も出てはいたが、小学校の延長線上のような宿題なんかを残しておくほど馬鹿じゃないのでさっさと片付けてゲームをしたりYoutubeで動画を見ていた。

そんなある日、たまたまアニメが見たい気分にでもなったのかは知らないが、適当に見れるアニメを探していた。そして出会ってしまったのだ。Youtubeで全話無料公開されているチャー研に。

最初は全64話ということもあり、見るのを躊躇していたが別に最初は全部見なくてもいいと知り、インターネットでネタにされている回から見始めることにした。

最初に見た回は今でも鮮明に覚えている。第35話「頭の中にダイナマイト!」だ。意味不明な回も多いチャー研だが、僕は群を抜いて意味不明な回だと思っている。

だが、僕はハリウッドザコシショウを始めとした意味の分からない面白さに心魅かれることが多く、チャー研も例外ではなかったのだ。

そこから面白いと言われる回を中心に見始め、最終的にはしっかりと全話視聴させてもらった。すべて見終わった時に抱いた感想は「なんで全部見たんだろう」という疑念で頭がいっぱいだったのを今でも覚えている。

そんな感想を抱いていたのも過去の話、今では友人間の会話で嬉々としてチャー研を薦める人間になっている。これもジュラル星人の仕業に違いない。

チャージマン研の悪いところ

チャー研には見る上で避けては通れない悪い点が存在する。なので今回は先に紹介させていただく。

正直なところ、チャー研自体の出来栄えは良いとは言えない。むしろ悪いと言えるだろう。まず作画は手抜きが多い。昔のアニメだから仕方ないと思い込もうとしたが、ゲッターロボや宇宙戦艦ヤマトが同時期にやっていると知って思い込めなくなってしまった。

本編自体は5分程度しかないのに引き延ばしをしているのも出来栄えが良いとは言えないだろう。アニメで引き伸ばしといえばドラゴンボールZを思い浮かべる諸氏たちも多いだろう。超サイヤ人になるまでを引き延ばしたり、ベジットに合体するまでを引き延ばしたりとどこでも引き延ばしが行われていたのは有名な話だ。

だが、それが100%許されるとまでは行かなくとも、割と好意的に受け止められているのは引き延ばしにも工夫を重ね、キャラクターをカッコよく見せることに成功したからだと思っている。個人的に好きなのはセルゲーム開幕で悟空とセルが向き合っているシーンだ。

あのシーンはセリフもなければ大きな動きもない、いたって普通の引き延ばしシーンなのだが、向き合うキャラクターが悟空とセルだからカッコよくなっていると思っている。戦闘民族サイヤ人として、亀仙流の武闘家として世界をめちゃくちゃにしようとしているセルと全力で戦う決意を表現できているからだ。

これ以外のドラゴンボールの引き延ばしも個人的には好印象の物が多い。やはり気を溜める行為であったり、武術の達人同士のにらみ合いというドラゴンボール’’らしさ‘‘を表現していると思っているからだ。

だが、チャー研の引き延ばしには何の魅力もない。よくわからない街並みを延々と流すだけであったり、本筋には関係ないよくわからない怪獣を映していることもあった。今ではあり得ない手抜きだ。

そこがチャー研の不思議な魅力ではあるのだが、アニメとして見ると悪いところでしかないので今回はこうして紹介させていただく。

チャー研の魅力とは?

先ほど散々な評価をしていたのだが、もちろんチャー研にも魅力はある。先ほども言った謎の引き延ばしもチャー研でしか味わえないという風に言えば魅力になるのかもしれない。

だが、僕が思うチャー研の真の魅力はそこではない。

チャー研の真の魅力。それは「あまりにも突飛な展開」「現代どころか当時でも普通にアウトなセリフ回し」だと思っている。今同じような展開のアニメを放送したらもう炎上に炎上を重ねて消し炭になっていることだろう。しかも話題になったのは「ニコニコ動画」。しかも空耳や音MADなどの何かの作品をおもちゃにする文化が全盛の頃にこんなアニメが流行ったのならネタにする以外の選択肢はないだろう。

そうしてチャー研が普及された結果、あの引き延ばしも作画もなぜか仕事しないSEも全てが絶妙に絡み合い、チャー研でしか味わえない独特の空間を生み出すことに成功したのではないのだろうか。

どの悪い点もそこだけ見たら本当に良くないのだが、悪い点すべてが複雑に絡み合い、そして魅力である突飛な展開やこれ以外で見ることのないセリフ回しなどがトッピングされることで見ていて面白く感じるのではと推測している。

先ほど挙げた引き延ばしもあまりにも突飛な展開のおかげで他のアニメほど伸ばしている感じがしないのだ。おそらくその突飛な展開が頭に残りすぎて他の要素を覚えれていないだけなのかもしれないが。

セリフ回しに関しても、普通ならあり得ないセリフでしかないのだが、突飛な展開と合わせて心のどこかで納得してしまうのだ。前述した第35話「頭の中にダイナマイト!」では文字通り頭の中にダイナマイトを仕込まれたボルガ博士を敵の宇宙船に叩きつけるというあまりにも非人道的な行為が行われる。

その時に主人公である泉研が放ったセリフが「ボルガ博士、お許しください!」なのだ。あまりにもひどいと思わないだろうか。他のアニメで爆弾を付けられたエピソードがあったとしたらどうにかして取り除こうとするだろう。だがチャー研では最初からあきらめて非人道的行為に走った。それも物語の主人公、正義の味方がやっているのだ。

そうしたあり得なさすぎる展開というのが本作でしか味わえない魅力となっているのではないだろうか。

チャー研は僕の人生を変えてくれた

僕は様々な創作物に触れてきたことでいまこうしてゲームライターとして働いている。自分に影響を与えた作品を上げていくとするなら「ドラゴンボール」や「モンスターハンター」、「ポケットモンスター」に「魁!!男塾」などキリがないがこの中にチャー研も入っているだろう。

この作品を見るまで僕はよく食わず嫌いをしていた。ラブコメは女々しいから見ないと言っていたり、音ゲーは見えないからやらないなんて言っていた。

だが、この作品を見た後、「見てみると面白いかもしれない」という考えが頭の中によぎってきた。それを実践してみると道が開けたような気がした。どの分野でもそうかもしれないが、知らないことを知るというのは楽しいと気づかせてくれたのはチャー研だった。

本当にチャージマン研50周年、おめでとうございます。まだまだチャー研で楽しんでいこうと思いますし、続くことをどこかで祈っております。

チャー研から学んだ知らないことを知るということでsteam版『千恋*万花』プレイしてみようと思います

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