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若手医師が離島で1年を過ごして。島民と育てた対話と表現の場づくりから考える、ケアの文化のデザイン
船の甲板から見た景色は、一生忘れられないものだった。
見送りに駆けつけてくれた式根島の人達は、ざっと見渡して50人以上。
島で1番最近生まれた生後2ヶ月の赤ちゃんから、93歳のおばあちゃんまで。
みんな、1年前に赴任するまで顔も知らなかった。
そんな島の皆さんと、無数の紙テープを通して1人ずつ繋がっている。
笑顔と涙をたたえながら見送ってくれていた。
この1年間、私が式根島に赴任してから、全
式根島のおじいさんと始まった、島の健康と幸せを育てる挑戦
「先生、この本すごいよ」
診察室に入ってきた千松さんは、見覚えのある本を握りしめていた。
カラフルな表紙には、『コミュニティナース』と大きく書かれている。
何を隠そう私の本だ。
数日前、診療所の待合室のレイアウトを変える際に、
待ち時間で少しでも読書や雑談をして楽しみながら待ってほしいと思い、
私の本を数冊試しに置いてみたのだ。
まさかこんなに早く、私の蔵書を読んで面白がってくれる人と出会
瀬戸内国際芸術祭を訪れて、ここに医療の未来があると確信した話
それは、衝撃の3日間だった。
多忙極める社会人3年目の貴重な夏休みを当ててもなお、贅沢な時間だったと思えた。
次から次へと訴えかけてきたメッセージ達は、私の心を揺さぶり掴んで離さない。
頭の処理が追いつかない。
この体験が私の人生と価値観に、少なからず影響を与えたことは間違いない。
しかし残念ながら、私にはこの経験をすぐに言語化できるほどの能力はなかった。
日常生活の中でようやく頭の整理がつ
家族に歴史あり 〜1番近いのに知らないもの
今年のお正月は、いつもの見知った風景ではなかった。
いつもなら、静岡にいる父方の祖父母の家に行って年を越す。
新年は親戚が入れ代わり立ち代わりこの家に挨拶にくる。おばあちゃんは6人姉妹だったので、孫まで入れるともう大家族だ。
物心ついた頃から、ひっきりなしに挨拶に来る親戚のおじちゃんおばちゃんの間で遊ぶ風景が「僕のお正月」だった。
「このおじちゃんは、おばあちゃんの◯番目の妹の子供でね・・・
【SHIPメンバーインタビュー】新しい自分・新しい仲間に出会えた!しるこ流SHIPの楽しみ方
医療をキーワードに様々なバックグラウンドや目的を持った人達が交流するオンラインコミュニティ「SHIP」に4月から所属している。
SHIP内のライティングセミナーに参加した際に、メンバー同士のインタビューに取り組んだ。同じ4期生で、ヘルスケアベンチャー経験やマンガライターなど様々な顔を持つしるこさんにインタビューさせて頂いた。
しるこ プロフィール
大阪出身。筑波大学生物学類卒業。筑波大学大学院で
広尾スケッチ #2 味福あさの
マガジン『広尾スケッチ』では、広尾に住み始めたばかりの若者が、ドクターの目線から広尾に訪れる/住むだけで健康で幸せになれる秘密を紹介していいきます。
広尾散歩通りの中盤あたり、メインストリートから分かれた石畳の道沿いに、思わず足を止めてゆっくりと眺めたくなる古民家があります。
7階建てくらいのマンション達に囲まれた木造2階建の家の奥には青空が広く見えて、壁つたいに伸びた蔓の青々とした葉と、
広尾スケッチ #1 貴バル
マガジン『広尾スケッチ』では、広尾に住み始めたばかりの若者が、ドクターの目線から広尾に訪れる/住むだけで健康で幸せになれる秘密を紹介していいきます。
明治通りから広尾散歩通りに入ると程なく、歩道に立つかわいらしい黒板が目に入ります。4月に緊急事態宣言が出てどのお店も閉まっていたある日、「店長こだわりの唐揚げ!テイクアウトにどうぞ」と、その黒板に書かれていました。黒板の辺りの通り沿いにお店は見当
健康で幸せになれるまち!?医者が描きだす広尾発見
東京都渋谷区広尾。言わずとしれた高級住宅街です。
僕もそのイメージを胸に、今年の春に上京して、広尾に移り住みました。
しかしその実、想像もしていなかった多様性と人情にあふれ、たった500mの商店街に個性豊かなお店たちが詰まっていました。研修医として就職した矢先に新型コロナウイルスの流行が起き、心も体も追い詰められていた僕は、既に何度となくこの町と人に救われてきました。
病気は薬で治す