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物流2024年問題と自動運転(その2)

2024年問題によって日本の物流システムが打撃を受けています。
この問題の解決のために国土交通省は高速道路などで荷物を自動で運べる「自動物流道路」の検討に乗り出しました。想定ルートを決定し、今後10年で実現を目指すプロジェクトのようです。
今回は「物流・運送業界の2024年問題」とその解決策と期待されている自動運転について書いてみようと思います。

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例えば、長距離ドライバーが東京・大阪間を運転する場合、移動距離は約500キロ、時間にすると6~7時間掛かります。
長距離ドライバーは一日で東京・大阪間を往復できないから、荷物を届けた後に睡眠をとる必要があります。トラックを停められる宿泊施設がないこともあるし、ホテルに泊まるとかなりの出費になるから、車内で寝ることもあるでしょう。
長距離ドライバーは一度家を出たら、その日のうちに家に帰れないから家族には会えないし、車内泊するから疲労が溜まります。

長距離ドライバーの労働環境は良いとはいえません。だから、政府がドライバーの労働環境を改善させようと考えていることは悪いことではありません。
しかし、物流が滞留してしまうと経済に悪影響を及ぼします。

「物流・運送業界の2024年問題」を解消するために政府は様々な検討をしています。その一つが自動運転の利用です。

図表1のように自動車の自動運転はレベル1~5に分かれています。説明の都合上、図表1にはレベル0を入れていますが、レベル0は自動運転ではありません。

【図表1:自動運転の定義】

まず、レベル1~2は人が車を運転します。人の運転を車が補助するのがレベル1~2だと解釈してもらえばいいでしょう。

一方、レベル3~5では車が自動的に動くから人は運転しません。つまり、自動運転はレベル3~5を指します。
レベル3まではもしもの時(システムに不具合が発生した場合など)のために人の同乗が必要です。レベル4~5は人の同乗は必要ないので完全自動運転です。

レベル4と5の違いは自動運転で走る場所に制限があるかないかです。自動運転で走る場所に制限があるのがレベル4、レベル5はどこを走っても構いません。

国土交通省が想定している自動運転がレベル4であれば、ドライバーの労働環境が改善し、物流システムも改善します。

人手不足の日本において自動運転システムの確立は大きなプラスになると確信しています。早く進めてほしいですね。

<その1はこちら>


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