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移住する瞬間の気持ち

 移住を決意してから半年以上の準備期間がありましたが、あっという間に時間が過ぎて、いよいよ引っ越しの日がやってきました。タイミングとしては、1月アタマ、今思うと大雪リスクがある中、よくぞこのタイミングで引っ越しをしたなと。。

 夫婦共に会社は辞めていたので、年始の帰省から戻ってくると共に引っ越し作業です。既に物は減らしていたり、引っ越し業者との段取りも済んでいたので、あとは期日までに荷物を梱包するのみ。帰省前に梱包できるものは終わらせていたので順調に作業が進み、あとはお世話になった大阪のワンルームマンションのお掃除。酒好きの友達を呼んで幾度となく飲み会を開いた思い出の場所を離れる寂しさを感じながら掃除したなー。

 梱包や掃除も終えて、移住前最後の夜は二人が大好きだったお店に行こうと決めていたので、自転車で向かいました。自転車で走りながら「いよいよ移住するね」とか「ここで◯◯な事あったね」と、会話しながらも、自分の中では大阪を離れる寂しさが一気に湧いてきた瞬間でもありました。「この坂道をチャリで下るのも最後かー。」といった事を思いながらの時間。

 翌朝は午前中から引っ越し作業です。業者の方が来て荷物を運び出してもらいます。僕らの荷物を一部残して、部屋はすっからかんに。この瞬間が何とも言えない感覚で、清々しさと共にまた溢れる寂しさと移住への期待もあったり。最後の一押しで掃除もしてお世話になったお部屋とお別れです。

 僕らの移動は、既に手に入れていた車ので移動でした。学生時代の先輩から譲り受けた旧式のクラウン(見た目ほぼタクシー)を格安で譲っていただける機会があり、田舎で必須となる移動手段は確保済みでした。乗り心地は抜群でしたが、見た目がタクシー、というかイカつさもあったので、運転する僕とのギャップがシュール。

 そんな車に最後の荷物を詰め込んで、いざ丹後へ移動開始。見慣れた大阪の景色ともお別れをして、高速道路に乗って2時間ほどで丹後に到着します。引っ越し先の家も、事前に大家さんとコミュニケーションが取れていたので、スムーズに入居ができ(クラウンにはさすがに驚かれた)、引っ越し業者さんの到着を待ちます。

 1月の丹後なので、めちゃくちゃ寒かったのを憶えてます。とりあえず暖房器具を揃えないと。。そんな事を考えている間に引っ越し業者さんが現れて、荷物を運び込みます。「こんなトコに引っ越すんすか!スゴイっすね!」そんな会話をしながら、部屋の中に段ボールが積まれていきます。

 大阪のマンションから平屋の一軒家に変わったので、スペースや収納は十分あり、とりあえず段ボールを広げて置いてても生活はできます。最低限のものを出した後は、現地調達予定だった調理機器や暖房などを買いに市街地へ。月1程度、丹後には通っていたので、土地勘やお店には慣れていましたが、いざ生活必需品を買うとなると、移住してきた感を改めて実感します。

 買い物を終えて最低限生活できる感じになり、夜は僕が働く先となる農家さんがちょっとした歓迎会を開いてくれました。美味しいお野菜の鍋と日本酒をいただきながら、ほっとする時間です。まだ引っ越して数日は荷解きでバタバタしそうだったので、農家としての仕事開始は1週間後に決め、改めてよろしくお願いしますと、ご挨拶も。

 飲み会を終えて、二人で歩いて家まで帰りました。歩いて15分くらい。外に出れば辺りは暗く、畑が広がっていて、大阪とは別世界です。寒さ震えつつ足早に歩きながら「ついに移住してきたね」と夜闇に広がる畑を眺めながらした会話。7年経っても鮮明に憶えている、移住する瞬間の記憶でした。

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