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合体ヒーローの特許(1/16はヒーローの日)

おはこんにちこんばんは、かねぽんです。

本日、1月16日は「ヒーローの日」
1(ひ)1(い)6(ろ)の語呂合わせですね。

ヒーローにも様々ございますが、私が愛してやまないのは特撮ヒーロー。

ウルトラマン、仮面ライダー、戦隊モノはもちろん、メタルヒーローシリーズ(ギャバン等)や、レスキューポリスシリーズ(エクシードラフト等)も大好きです。生まれて初めて観に行った映画は、仮面ライダーJでした。望月祐多さんホントかっこよし。

最近のお気に入りは、現在放送中の「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」です。戦うトレンディドラマの異名を持つ「鳥人戦隊ジェットマン」の井上敏樹大先生が再び脚本をされており、戦隊内で恋仲を争うトレンディな展開を楽しむことができます(44話にしてやっとメンバー揃っての変身をする等、トレンディ以前に、ぶっ飛び要素しかありませんが…)。

さて、そこで今回は「合体ヒーローの特許」と題して、ヒーローにまつわる特許を紹介いたします。みなさんがご覧になったあの合体バンクが、実は特許発明だったりして・・・!?

1.ヒーロー特許を探してみよう!

検索は簡易に、J-PlatPatの全文検索にて「(特撮 or 特殊撮影) and ヒーロー」としました。

文献数は36件。やはり株式会社バンダイさんが多いですね。
これらのうち、気になる発明を以下にピックアップいたします。

2.「合体玩具、制御主体玩具体及び相手玩具」(株式会社バンダイ)


今回紹介したいのは、特許第7204722号、株式会社バンダイさんの合体玩具に関する特許発明です。図2を以下に引用いたします。

特許7204722

ゼンカイジャー!ゼンカイジャーじゃないか!

図面だけで明らかに何レンジャーなのかが分かると、特許文献を読むにもテンションが上りますね!

戦隊モノの合体ロボといいますと、5体のロボが、胴体&頭、右腕、左腕、右脚、左脚をそれぞれ担当することが多いかと思います。
これに対し、機界戦隊ゼンカイジャー(2021年-2022年)では、2体のロボが、右半身左半身をそれぞれ担当するというなかなか斬新な合体バンクをみることができます。

特許第7204722号では、その合体バンクを玩具で表現するにあたり、子供たちのごっこ遊びにおける「没入感」を大きくするために、合体バンク中に玩具から報音されるBGMの操作と、合体操作とを一体化させる工夫が凝らされています。

【請求項1】
 形態変形可能な複数の玩具体を具備し、変形前形態から合体用形態に変形した前記玩具体同士が合体可能な合体玩具であって、
 前記複数の玩具体は、一体の制御主体玩具体と、その他の相手玩具体とであり、
 前記制御主体玩具体は、
  演出出力部と、
  前記変形前形態からの形態変形を検出する合体用変形検出部と、
  前記相手玩具体が合体したことを検出する合体検出部と、
  合体前状態から変位可能な変位部材と、
  前記変位部材が変位したことを検出する変位検出部と、
  前記合体用変形検出部による検出に応じて所与の合体待機演出を前記演出出力部から出力開始させる待機中制御と、前記合体検出部による検出後において前記変位検出部による検出に応じて所与の変位演出を前記演出出力部から出力させる変位時制御と、を実行する制御部と、
 を備える、
 合体玩具。

特許第7204722号、特許請求の範囲より。太字は筆者による。

請求項1は、実際の玩具で遊んだことがあれば、非常に読みやすいです。あ~、このスイッチのことね~と思いながら読めるので、玩具や文具の特許は楽しいですね。

では、発明の内容を、我が家にある2体の玩具(ゼンカイジュラン、ゼンカイガオーン)を用いて説明いたします。

変形前形態の一例
左:ゼンカイジュラン、右:ゼンカイガオーン

番組では2体のロボが合体しますが、請求項1では「複数の」と表現することで3体以上の合体も権利範囲としていますね。

複数のロボのうち、一体に演出出力部制御部が内蔵されています。上の写真ですと、ゼンカイジュラン(赤色ロボ=制御主体玩具体)にだけスピーカとマイコンが内蔵されており、状態に応じて音声を発します。ゼンカイガオーン(黄色ロボ=相手玩具体)は単なるプラスチック玩具で、音声を発しません。

玩具は、合体していない状態で1体のロボとして遊ぶことができる「変形前形態」と、合体後ロボの半身となる「合体用形態」と、をとることができます。

合体用形態の一例

変形前形態において、ゼンカイジュランの胸に施された恐竜の口を上下に開きますと、その動きをセンサ(合体変形検出部)が検出し、「ゼンカーイ!」という声の後に合体待機用BGMが流れ始めます(合体待機演出)。

このように、玩具の制御部は、恐竜の口が開く部分に設けられたセンサの検出に応じてBGMを流しますので、玩具の操作者は変形操作だけを行えばよく、特定のボタンを操作する必要がありません。このため、劇中のロボの動きを再現性よく真似ることができ、ごっこ遊びの没入感を高めることができるのですね。

さて、合体変形は続きます。ロボを合体用形態に変形させますと、続いて、右半身と左半身を合体させます。

右半身と左半身が合体!

その後、頭のパーツ(変位部材)を左右にパカッと開きますと、合体完了です。

頭のパーツを・・・
パカッと

より詳しくは、ゼンカイジュランにて、頭のパーツが開いたこと(変位部材が変位したこと)をセンサ(変位検出部)が検出すると、「ゼンカイオージュラガオーン!」という音声が流れ、合体が完了します(変位演出)。

すなわち、この合体玩具は、合体を準備するときや、合体が完了するときの玩具の変形動作に連動して、変形合体操作を盛り上げる演出を出力できる点で、従来の玩具とは相違するようです。

みなさまも、このような変形合体玩具でお子様と一緒に遊ぶ際には「制御主体玩具体と相手玩具体を合体!」などと言って、是非ともお子様をポカンとさせてください。

ところで、3月から新しくスタートする「王様戦隊キングオージャー」では、1号ロボとしては最多の10体合体をするようで、放送が待ち遠しいです。どのような特許技術が組み込まれているかも含めて、楽しみですね。


3.「ヒーロー瞬間変身法」

最後に、特許ではありませんが、とても気になる公開特許公報を紹介いたします。特開2006-200103です。以下、図面は同文献より引用いたします。


はい。
おやおや・・・
脱ぎっ・・・
バァーーーン!!!

安心してください!着ていますよ!!
(※特開2006-200103ご参照)

それでは!

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