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プレゼンは相手が聞きたいことを

プレゼンテーション・・・商談、面接、新企画プレゼン・・・がうまくいくコツを。

言いたいこと
ではなく
相手が聞きたいこと
に絞る。

短ければみじかいほど良いのは結婚式披露宴の祝辞と同じ。

商談であればつい、「うちの製品の特長は」「開発陣が5年かけて生み出した新しいテクノロジーの粋を集めた」「同業他社さんの製品と比較して」といった話になる。

要らない。

とんがりは何か。

とんがりとは、阪本の造語で、「他にはない価値」。

その点勉強になるのが、スティーブ・ジョブズのiPhone発表プレゼンテーション。

何もない、ただの四角いスクリーンをタッチパネルにし、誰でも持ってる指を使って操作する。拡大・縮小も指の動きで。iPhoneやスマホユーザーなら当たり前のことだが、可能にするテクノロジーはものすごいものがあるはずだ。

音楽デバイス(iPod)+携帯電話+革新的インターネット通信機器

これら3つを1つにし、かつ、画面は何もない。ボタンが1つ、あるだけ。

ついつい、これこれのテクノロジーを使い、開発に**年と費用**ドルかけた・・・言いたくなる。げんにたいていのプレゼンターは言う。
ジョブズは言わない。

オーディエンスが「聞きたいこと」だけに絞って、話している。

ぼくがコンサルタントとして独立し、初めてクライアントさんに自分のブランド理論についてプレゼンしたのは悲惨だった。
相手は世界的ホテルチェーンのエグゼクティブたち。
相手をねじ伏せてしまえ、とばかり、現時点の自分の「ブランド構築に関する理論」をすべてパワーポイントにまとめ、話した。150枚くらいあったんじゃないかな。

話し終えたとき、みんな、ポカーンとしてた。

ぼくはホームラン打った気分だったが、要するに、相手には何も入らなかったんだ。

結局、そこの仕事は続かなかった。

言いたいこと
ではなく
相手が聞きたいこと

に絞るための、事前のインタビューや資料調べをまったくしてなかった。

村上龍さんがこんなことを書いておられる。フレンチレストランでのこと。料理をサーブしてくれるウェイターさんに「説明しないで欲しい」と言った。

「この一品は、**産のホタテを軽くスモークして、サンドイッチのように、間に**産の新鮮なキュウリをはさみ、隠し味として**産の山椒をペースト状にして少々垂らし・・・」みたいな感じでえんえんと続く。
 そういった説明は止めてもらえないかな、とわたしは言った。
「素材とか調理法とか知りたくなったら聞くから、説明はそういったときだけにして欲しい。だいたい、素材や調理法なんか聞いたってしょうがない。問題はおいしいか、おいしくないかで、それは客が決める。和食ではそんな説明はしない。懐石とか、すごく凝った吸い物が出るけど、仲居が素材や調理法を説明することはない。寿司屋でも『大間のマグロの大トロをほんの少し炙って・・・』とは言わない」

『すべての男は消耗品である』最終巻、村上龍、文庫版p.60

これ、同感だ。
でも、ついつい言ってしまう。ぼくの初期のプレゼンテーションはまさにこれだった。

相手が聞きたいこと

に絞りましょう。商談、面接、新企画プレゼン、すべてうまくいきますよ。

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