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ナイチンゲール『看護覚え書き』を聴く#110

フローレンス・ナイチンゲールが著した『看護覚え書き』のオーディオ・ブックを配信します。HNS(=防府看護専門学校)の学生・生徒のために作成したオーディオ・ブックですが、HNSの卒業生や看護師を志す人、現役の看護師の方々の他、引退された看護師の方や教育に関心のある方々など、すべての人に向けた配信です。ご自由にお聴きください。

#110 :数分の食事時間の差が命に関わることも多い

衰弱の激しい患者が、10分間、断食状態や過食状態に置かれたらどういう結果になるかを知っていたら、このような事態が起こらないようにもっと注意をするに違いない。

衰弱した患者は嚥下ができない場合が多く、他に体力を使わねばならないことがあると、さらに嚥下が困難になるので、次に休むまでは何も食べられない。分単位の規則正しさで食事をとり、その時に他の分単位の用事とかち合わないようにしなければならない。

そこで時間が10分ずれただけで、結果的に2時間や3時間ずれることになる場合もある。分単位で時間を厳守するのが大変だと言って守らないのはどういうことなのだろうか。文字通りその数分が命の分かれ目となることが多いと言うのに。

生死が数時間で決まる急性の病気の場合、特に病院等ではこれらのことによく注意が払われている。医師や看護師、またはその両者が非常に注意を行き渡らせ、栄養物を数分おきに与えるように指示し、これを守ったために患者が命拾いすることも多い。
(2023年9月28日配信)

フローレンス・ナイチンゲール(Florence Nightingale):1820年-1910年・近代医療統計学および看護統計学の始祖。近代看護教育の母。

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