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ナイチンゲール『看護覚え書き』を聴く#108

フローレンス・ナイチンゲールが著した『看護覚え書き』のオーディオ・ブックを配信します。HNS(=防府看護専門学校)の学生・生徒のために作成したオーディオ・ブックですが、HNSの卒業生や看護師を志す人、現役の看護師の方々の他、引退された看護師の方や教育に関心のある方々など、すべての人に向けた配信です。ご自由にお聴きください。

#108 :病人にかけている手仕事を与えること

どの男女にも多少の手仕事がある。ただし、自分で服も着ないようなご立派なご婦人は別である。この人たちの神経は、病人とほとんど同じ範疇にある。

手仕事が与える安らぎ、多くの病人が味わっている、手仕事を奪われることによる苛立ちについては何も考えられていない。ちょっとした針仕事、書物、掃除など、病人ができたら、最高の安らぎとなることだろう。

気づかれていないかもしれないが、こういう手仕事はあなたにとって最高の安らぎとなっているはずだ。読書しかできない病人も多いが、読書ではこのような安らぎを得られない。心に留めておいてほしい、あなたには病人ができないこれらの様々な手仕事があること、そして病人が楽しめるあらゆる変化を与えてほしいことを。

針仕事、書物、その他のきりがない仕事が多すぎると、手仕事がない場合と同じく、病人が苛立つ原因の1つとなることは言うまでもないだろう。
(2023年9月26日配信)

フローレンス・ナイチンゲール(Florence Nightingale):1820年-1910年・近代医療統計学および看護統計学の始祖。近代看護教育の母。

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