取らぬ狸の防衛産業


日経の防衛産業振興ヨイショ記事です。

防衛装備品、アジア開拓 最大級の航空ショー初出展
対中監視など需要 官民で産業底上げ
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO78645910Q4A220C2EA2000/

>防衛省は20日、アジア最大の航空展示会「シンガポール・エアショー」に初めて出展した。川崎重工業など日本企業13社が製品を紹介した。

>日本勢は防衛省のブース以外に愛知や岐阜、長崎、広島、福岡各県の航空関連産業もそれぞれ固まって出した。

日本のブースがクラスターとして出展するのは良いことです。本来航空ショーであれば防衛省の装備庁だけでなく日本国としてのパビリオンを出すべきです。ですが、ジェトロは軍事に否定的なんですよ。

>自衛隊の装備品は対中国の哨戒・監視など東南ア諸国が求める分野で実績がある。協力相手として有望といえる。
>実際に会場で川重は自衛隊が運用するP1哨戒機やC2輸送機などの模型を置き、NECは警戒監視に用いるレーダーを紹介した。スカパーJSATはフィリピン軍幹部に衛星通信サービスを説明した。

いや、「実績」で「有望」てなんだよ?
高コストで性能は不明なものに金を出す国はありませんよ。

>日本の防衛産業はこれまで装備品の販路が自衛隊にほぼ限られてきた。多品種・少量生産で利益率が低く、採算割れの場合も多い。直近20年で100社超が事業から撤退した。

いつものことですが日経インチキ構文ですね。プライムが採算割れでやっていたら、株主から訴えられますよ。実態は表にでている数字より利益は大きい。「原価」の中に工数を増やしたりして利益を潜り込ませている。
川崎重工などは本来防衛以外に使えないはずの、防衛費で買った設備を民生品に使って利益を上げている。

そしてより防衛依存の多いベンダーが採算割れで長年受注していりゃ、倒産しますよ。

そういうのを日経は利益が低いというわけですね。取材もろくにしないで、たまたま取材した相手の話を鵜呑みで記事を書くとこうなるという見本です。

そして利益が低い企業は長年研究開発や設備投資にカネを掛けていないわけです。世界を相手の技術力があるわけもない。

「多品種・少量生産で利益率が低く」であれば振興策でやるべきことは業界再編と事業整理で数を減らすことですよ。それを日経は絶対に触れない。

>日本勢は機材を展示、飛行するといった演出はない。防衛省の幹部は「日本は装備品輸出の制限もあり、特に戦闘機などの展示はためらう傾向がある」と話す。新規参入組として広報戦略の工夫も必要になる。

「新規参入組として広報戦略の工夫も必要になる」これはその通りです。長年見てきました、装備庁のパビリオンはデザインも古臭くて、センスがない。つまりは田舎臭い。どこぞの最貧国といった風情です。単に漢字を看板に使ったりしているだけです。
外国からアドバイザーでも雇って、出展者に対しても、どのような製品や技術を、どのようにプレゼンテーションするのか、という指導をするべきです。防衛省にそういう指導ができる人材はいませんから。DSEIでもそうですが、勘違いをしている出展者が多い。

それとこの記者は書いていませんが、過去何度もパリやファンボローなどの航空ショーで
C-2やP-1を持ってきていたわけで、今回は無かったというはなしです。
その理由は持ってきても効果がなかったというとでしょう。
記事でも紹介している川重のブースでP-1やC-2の模型おいてあるといっても、やる気はないでしょう。売れないのは彼らが一番知っている。だけど御用商人としては市ヶ谷の期限を取る必要があるのでやっているふりをしている。
他国の何杯も高い調達単価で、運用コストは下手すりゃ、1桁高い。しかも性能は怪しく、アフターサービスも当てにならない。誰が買いますか?
こういう事情を記者は理解できないのでしょう。

■本日の市ヶ谷の噂■
米海軍以外でもオーストラリア、英国、インドなど多くの国がP-8を採用してデータを共有しているなか、それができないののがP-1を使用している海上自衛隊、のみならず探知能力も低く、共同作戦のお荷物扱いで、防衛省は米国防省からP-1の中身をP-8のシステムに変えろと、圧力を受けている、との噂。

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