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他国が公開しているような情報を「敵に手の内をさらさない」という防衛省、自衛隊の「敵」は国会と納税者か。


>「防衛省は何かあると『手の内を明かすことになるから答弁できない』という

まさにこれが問題です。防衛省が「手の内を明かさない」相手は仮想敵国ではなく、むしろ国会と納税者です。

毎度毎度申し上げておりますが、防衛省と自衛隊の情報公開、開示のレベルは民主国家ではなく、北朝鮮や中国に近いです。

組織防衛のために国会や納税者を騙すために秘密でないものも隠していいという開き直りがあります。

こうやって防衛省、自衛隊は多くのことを隠すので、防衛議論では土台になるファクトが不足して進学議論になります。これではまともな議論がメディアや国会では行われないことになります、それは国防上も大変な損失ですが、防衛省や自衛隊は国が滅んでも組織防衛ができればいいのだと考えているのでしょう。


海自艦の空撮動画「世界にさらされなめられた」国民民主・榛葉氏の批判に与野党「そうだ」
https://www.sankei.com/article/20240514-P4BGQ3ZXORETLNH2PTGGIC6N64/

>国民民主党の榛葉賀津也幹事長は14日の参院外交防衛委員会で、海上自衛隊の護衛艦「いずも」をドローン(無人機)で空撮したとする動画が中国の動画投稿サイトなどで拡散した問題を巡って、防衛省側の対応について「動画が世界にさらされ、はっきり言ってなめられた。本当に格好悪い」と苦言を呈した。榛葉氏は対応について重ねて追及したが、防衛省側は「事柄の性質上、控えたい」と苦しい答弁に終始した。

>防衛省が「実際に撮影された可能性が高い」とする分析結果を公表したのは今月9日だった。
>榛葉氏は「さすがに1カ月はかかりすぎだ。丁寧も大事だが迅速にやらないと。これだけ技術が発達した先進国・日本で1カ月とは…危機管理が試されている」とあきれた様子で語った。

>榛葉氏は撮影者の名前を把握しているが、読み方が分からないとも言及した。「私は中国語分からず、(国民民主の)玉木雄一郎代表も『分からない』というのだが、参院警備部のワタナベさんという衛視さんが中国語ペラペラなんですね。中国語、ロシア語、英語…。ワタナベさんが全部訳してくれた」と述べ、撮影者名を口にした。その上で「民放もこの人物にアクセスして話を聞いている。答えられないのは納得いかない」と重ねて苦言を呈した。

>榛葉氏は「ぜんぜん議論にならない。参院外交防衛委員会、機能しないよ。しゃれや冗談で聞いているんじゃない。違法ですよ。それこそピシッと言わないと中国になめられる」と指摘。野党だけでなく、与党の委員席からも「そうだ!」と合いの手が上がった。委員長席では、自民党の小野田紀美参院議員もうなずいていた。

榛葉氏は「防衛省は何かあると『手の内を明かすことになるから答弁できない』というが、本当(=有事)のときならいい。答弁しないためにその手法(を使う)ならやめてほしい。建設的な議論をしたいと思う」と改めて苦言を呈した。

木原氏は「ドローン対処について不断の努力に努めてきたが、不十分だったことが露呈した」と振り返り、「今回の分析結果を契機として、改めて徹底したドローン対処の重要性を確認した」と強調した。

大臣の不断の努力というのは嘘です。不断の努力をしていたなら、周波数帯の問題なんってとっくに片が付いているでしょう。

「相手に手の内を明かさない」と本来民主国家では公開して当然、あるいはすでに公開されている情報をあたかも防衛秘であるかのように隠します。これは薄汚い組織防衛のためです。
情報を隠していれば、それを論拠にあれこれ詮索されないし、批判もされない。これではかつての帝国陸海軍が地方人(民間人)は軍事を知る必要なしといっていたのと同じです。組織の透明性を欠いて、外部からの批判も封じた帝国陸海軍は無軌道に組織と予算を膨れ上がらせて、しかも軍事的にはシロウト以下の失敗を繰り返した挙げ句に、国土を焦土と化しました。

防衛省、自衛隊は先の大戦の教訓を全く無視しています。

2021年陸幕や防衛大臣は会見でぼくの質問に対して、「搭載弾薬数などは手の内を晒すことになる」と言えないと回答していました。だが155ミリ砲弾や装薬のサイズはNATO規格で、どこの国でも同じです。
19式は他国の同様のトラック搭載型自走砲と同じで、これを外部に弾薬のキャニスターを搭載しているので、搭載弾薬量は推定可能だ。だからどこの国でも明らかにしています。

そして後日、X(ツイッター)でまさに19式の携行弾数を推定した投稿がありました。


19式155榴弾砲の防衛大臣と陸幕が明かさない手の内が、簡単にバレている件(笑
https://kiyotani.seesaa.net/article/500984788.html


>この投稿では1個のキャニスターに5発X3個ですから15発だと分析しています。対して解放軍のPCL-181は30発を携行していると指摘しています。まさにぼくが申し上げた通りです。同じことは人民解放軍でもやっているでしょう。
ちなみアーチャーは携行弾数40発です。

もがみ級のRWSも間抜けな隠蔽をしていました。仰俯角などのどこの国でもカタログに載せている概要を防衛装備庁は「手の内を明かさないため」公開できないとしていました。

>筆者はこのRWSについて装備庁に取材したが、基本的なスペックすら非公開だといわれた。あまりにナイーブだ。装備庁に外国では普通に公開している情報を何故隠すかと尋ねたら、「このRWSは外国に輸出するわけでもなく、諸外国に手の内を秘匿するためだ」と説明された。
https://japan-indepth.jp/?p=45105

拙著、「防衛破綻」について陸幕が作った正誤表の「正」に誤りが多数あって小野寺防衛大臣(当時)に会見で正誤表の公開を求めましたが、後に事務方から「あれは情報公開の対象ではないから」と拒否されました。
https://agora-web.jp/archives/2026460.html

>ぼくは防衛省の大臣の記者会見で、小野寺大臣(当時)に特定秘密保護法と富士学校の合同調査研究会同、それにぼくの著書「防衛破綻」に対する陸幕装備部が作成した「正誤表」に関してぼくの体験を元に質問しました。
>富士学校の合同調査研究会は秘密もなにもないのに、プレスには非公開。外部の目が入らないから、業者のレポート丸写しで発表をするのではないかと。
>また陸幕装備部が作成したぼくの「防衛破綻」の正誤表が、これまたお子様レベルの、ウィキペディアとか2ちゃんねるあたりを参照にしたと思われるものだったわけです。この一部を入手したが、全文を見せろといったら陸幕から拒否された。何故だと質したわけです。
>後に広報官から「内部資料」なので公開しない、との回答がありました。
>別に秘密でも何でも無い内容です。しかもぼくの本に誤りが多いという正誤表の、実は正しいという方が間違いだらけという情けない話です。対象となった本の著者に見せてもなにも問題ないでしょう。
>ところが、単なる内部資料であり、情報公開の対象では無い。だから公開する必要はないというロジックでした。

この質問にNHKの記者から物言いがはいりました。
https://kiyotani.seesaa.net/article/201311article_5.html

>記者会見後に記者クラブ会員の記者から、個人的な質問をすると罵倒され、その真意
を訪ねると彼は「独り言だ」とうそぶきました。そして所属と氏名を尋ねると脱兎のごとく逃げていきました。

https://kiyotani.seesaa.net/article/201311article_5.html
 この人物の正体は「皆様のNHK」 の政治部、鈴木徹也(てつなり)記者でした。



つまり大臣や防衛省が困るような「都合の悪い質問はするな」ということでしょう。防衛省の隠蔽体質を助けているのは記者クラブ、ということです。

■本日の市ヶ谷の噂■
防衛省が次期装輪装甲車として採用したAMV XPを防衛装備庁は従来通り、ジジィのキレの悪い小便のように約20年を掛けて細々と日本製鋼所でライセンス生産させて、わざわざ高コストで途中で陳腐化する前提で調達する予定。だが、パトリアがそれまでXPを製造しているかは不明、との噂。



Japan In Depthに以下の記事を寄稿しました。
日本の報道の自由度が低いのは記者クラブのせい
https://japan-indepth.jp/?p=82748
陸自装甲車両調達の最新情報 24年度防衛予算
https://japan-indepth.jp/?p=82517

東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。
「ドローン急襲」想定しない日本のヤバい防衛体制
https://toyokeizai.net/articles/-/753915


月刊軍事研究4月号に陸自の18式防弾ベストに関する記事を寄稿しました。


軍事研究 2024年 04 月号 [雑誌]

Japan in Depthに以下の記事を寄稿しました。
次期装輪装甲車、AMV採用を検証する その2 AMVのライセンス生産によって日本の装甲車事業は壊滅する
https://japan-indepth.jp/?p=81695

次期装輪装甲車、AMV採用を検証するその1
駿馬を駄馬に落とす陸自のAMV採用
https://japan-indepth.jp/?p=81667

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