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【アナログ絵制作14】手ごね白玉

日本画制作の撮って出し投稿です。
午前中は前日の続き、墨入れをしてました

【これまでのアナログ絵 制作記】
[イメージをふくらませる/想像]
その①初回:アイデア・ネタ出し、テーマ決め
その②資料を探して三千里以下

[ラフや下絵をつくる]
その③よし、一発だ
その④もくもく下絵をつくります
その⑤デジタルの恩恵
その⑥勢い・見切り・鮮度

[紙の準備をする]
その⑦アレしてる間にコレ
その⑧宇宙と一体化する

[下絵を本番の紙に写す]
その⑨じりじりチクチク
その⑩下絵続きwith手間賃とやら
その⑪かみにやさしく 

[墨を入れる]
その⑫線、線、面!
その⑬墨と紙 (前回)

今日は胡粉作業なので前夜に膠をふやかしてます。
膠(にかわ)というのは顔料を和紙に定着させる接着剤の役です。ないとやっていけません

膠ってこんな

約30cm長さの棒状になってるものを、渾身の力やペンチなどで折っておきます
前日に膠+水でふやかす→当日湯せん=膠できあがり

湯せんは熱燗つくるやつが便利です。量もワンカップ容器で測りやすいです

膠もできたので胡粉作業
胡粉(ごふん)は日本画の白顔料です

いるもの

胡粉(左上箱)・すりつぶせるもの・絵皿・水・刷毛

あると便利:汚れてもいい服、どうなってもいい安筆

胡粉のつくりかた

①箱から出す
②すり鉢などで粉状になるようすりつぶす。すり鉢に残った胡粉は安筆でしっかりあつめる
③絵皿に出す

④少しずつ膠を加えこねる

★少しずつ=2~3滴
まるで滴水刑のようですね。

⑤耳たぶくらいの柔らかさまでこねこね

写真はちょっと固めなので1滴ずつ膠を入れて微調整します。

※ここまで約30分かかっています

⑥手ごね白玉を皿に叩きつけて空気を抜く(100回)

⑦膠や水を少し(1匙程度)ずつ加え手ごね白玉を溶く
一気に溶かさない

(白玉から溶きあがるまで約10分)

溶きあがったら刷毛で画面全体に引きます。

画面に胡粉を引く目的は2つ
①絵具の発色をよくする
②ドーサを安定させる

②はなんだっけな
胡粉の原料が貝殻で、貝殻の炭酸カルシウムでドーサの酸性を中和させるとかそんなだったと思います


制作に戻り
×枚数 引きます

胡粉を引いて乾かしている間に別の制作を走らせます。
乾燥中にやるのは制作でなくてもいいんですが、時間をうまく使えるようにがんばるのです…!

ほんとは丸一日乾かせるとベストです
今日はヒーターの上に乗せて時短

ん?

あれ?肉眼だと胡粉ビフォーアフターの違いがはっきりわかるのに写真だと昨日と同じに見えますね。おしゃしん むずい


完全に乾いたら必要に応じてもう1~2回胡粉を引き、胡粉作業はおしまいです


さてお気づきだと思いますが、ここまでで、絵具で色を塗る作業はひとつもありません。
から始まり紙の準備とパネル等で丸2日、ほか墨入れ、胡粉引きなど、「色が塗られる状態」にするまでにいろんな準備があります。

面倒です。
それもまた、制作です。

今日はここまで!

別の制作

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