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ぶらり、両国

このヘッダー写真を前情報なしに見て「あ、これは横綱じゃなくて横網(よこあみ)じゃないですか」と即座に認識できる日本人がどれくらいいるだろう。両国の罠。

両国と言えば国技館。国技館と言えば相撲。相撲と言えばちゃんこ。

これはすべての日本人が共有している真実の方程式であり、ゆえに初めて訪れた両国の地でどれだけ沢山のちゃんこ屋を見かけようと「なんで両国でちゃんこ?」などという疑問を抱く者は皆無なのである。

それほどまでに「両国=ちゃんこ」の方程式が定着している我々ではあるが、果たしてどれだけの人が「ちゃんこ鍋」の定義を認識把握しているだろうか。かく言う僕もその辺りの理解は極めてあいまいで「お相撲さんたちが好んで食べる鍋」という程度の認識であったりする。

ところで僕はこの「お相撲さん」という表現が無性に好きだ。「力士」でもなく「関取」でもない。お相撲さん。競技の名前にさん付けするとプレイヤーを意味する言葉に変換される。そんな競技は相撲以外に無いじゃない。「お柔道さん」とか「お空手さん」とか「お少林寺拳法さん」とか言わないじゃない。

お相撲さん、という言葉にはどこか「愛らしさ」のようなニュアンスが感じられるのも趣深い。お相撲さんは強い。逞しい。絶対に腕力ではかなわない。でもなんかかわいい。それはまるで大型犬のような。

などとつらつらととりとめのないことを申し述べてしまったわけだが、僕は過去にちゃんこ鍋を食べたことがないし、相撲にも実はほとんど興味が無いのであった。




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