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目的と目標

目的という言葉と似たものに「目標」がありますが、二つの違いは何でしょうか。目的とは的(まと)という字が示すように、最終的に目指す到達点です。対して目標とは標(しるべ)とあるように、目的を達成するための目当て、手段。つまり、目的を達成するために目標はあります。


目標は具体的であり、目的は抽象的です。目標は数値で表せるけれど、目的は数値では表せません。目標がいくつあっても、目的はたった一つです。なぜなら、目的は心のありようだからです。


人は目標を追うあまり、往々にして目的を見失います。目標という手段が目的にすり替わり、本来の目的を追い出してしまうのです。それは、目標は目に見えるけれど、目的は目に見えないから。目的は心によってのみ見えてくるものです。


サン・テグジュペリは『星の王子さま』で主人公にこう語らせています。「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目に見えないんだよ」。あなたの商いにとって「かんじんなこと」は何でしょうか。


さて、利益。具体的であり、目で見ることができ、数値で表せられます。それでもあなたは利益が目的でしょうか。


「財務上の収支だけを成果の測定尺度として活動の目的とするならば、長期にわたって繁栄することはもちろん、生き残っていくこともおぼつかなくなるに違いない」とはドラッカーの『非営利組織の経営』の一文です。


商売の目的に
利益は含まれていない
目的を実現するために
利益が必要なだけである

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