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オンライン署名サイト「Change.org」利用規約を読み解いてみた

利用規約ウォッチャー みなしボウイです。
「社会問題を解決したい」と思った時、オンライン署名を活用する人が年々増えています。「Change.org」は、世界最大級のオンライン署名活動サイトで、日本版の利用者は約280万人とも言われています。

Change.org

今回、「Change.org利用規約」をウォッチしていきます。重要な3つのポイントに注目して利用規約をウォッチしていければと思っています。


安心安全にサービスをご利用頂けるポイントになりますので、最後までよろしくお付き合いください。


署名活動の法的拘束力

一般的に、法的拘束力のある署名活動法的拘束力のない署名活動という2つの署名活動があると言われています。

法的拘束力のある署名活動

請願」「直接請求」と呼ばれるもので、国や地方自治体に対して行われるものです。請願権は憲法で保障された国民の権利ですが、法的拘束力が認められているこの手続きには、請願法や地方自治法の定める要件があります。

法的拘束力のない署名活動

署名数や住所氏名の記入の必要な「請願」「直接請求」と比べて、ハードルの低い署名活動になると言えます。いわゆる「嘆願」と呼ばれるもので、国や地方自治体以外の法人や個人にも向けて行えますが、法的拘束力もないので受け取るか否かは相手方次第です。

現在広く行われているのは、法的拘束力のない署名活動ということになります。オンライン署名活動も基本的にはこちらになると思われます。


年齢制限

Change.org利用規約によると、「Change.orgの利用年齢は16歳以上」と定められています。

プラットフォームで実施できる大半の活動には、アカウントが必要です。 ユーザーのプロフィールに関連するすべての活動に対する責任はユーザー自身に負っていただくため、パスワードを安全な場所に保管してください。 ユーザーのアカウントを他人が使用していると疑われる場合は、弊社までお知らせください。 Change.orgの利用年齢は16歳以上です。

Change.org利用規約 1.ユーザーアカウント

日本人からすると「16歳」を区切りにしていることはピンと来ませんが、Change.orgはアメリカ発祥であり、アメリカでは16歳になるといくつかの権利が与えられます。おそらくその兼ね合いから、利用年齢を16歳以上としているものと思われます。


オンライン署名活動の正当性や合法性

Change.org利用規約では、オンライン署名について、「合法性または正確さについてコンテンツを監視することはない」としています。

Change.orgでのオンライン署名は、何百万人もの人々の意見を表すものです。 弊社が彼らの視点に対して責任を負うことはなく、合法性または正確さについてコンテンツを監視することもありません。

Change.org利用規約 4.オープンプラットフォーム

また、別ページにて下記のように説明があります。

オンライン署名の賛同者リストの法的効力

そのため、オンライン署名の賛同者名簿は、請願や陳情を行う際の「署名」として扱われない可能性があります。その場合も、世論で注目されていることや、議論が起きていることを示す資料・参考となったり、「様々な地域から声があがっている」というアピールとなりメディアへ注意喚起を起こすきっかけにすることができます。

Change.org オンライン署名の法的な位置付けを教えてください

オンライン署名発信者の法的責任

また、立ち上げたオンライン署名が第三者の権利(名誉権、プライバシー権、著作権等を含む)を侵害する内容である場合には、民法、刑法その他日本国内法令等に則って、民事的または刑事的な責任を問われる可能性がございますので、ご留意ください。

Change.org オンライン署名の法的な位置付けを教えてください

価値のある「オンライン署名活動」とは何なのか?

利用規約ウォッチからは離れますが、Change.orgやそれ以外の署名活動サイトも含めると、相当数のオンライン署名活動が現在も行われています。オンラインに限らず署名活動の意義は、「声の大きさ」を知ってもらうということになると思いますが、「◯万人の書名が集まっている」というようなボリューム感は声の大きさの一要素であって、全てでは無いのだろうとも思います。山が動いたと感じられる過去のこういった活動を見ていると、人数だけではなく、誰が署名者に含まれているのかだと感じられます。

また、具体的な声にまとめていくことも必要で、単に「辞めろ」「廃止しろ」だけでは数は集まったとしても、おそらく実現までには道のりが厳しいようにも思えます。

政策であればパブリックコメントの募集があったり、また民間企業であってもパブリックコメントに相当する対話窓口の設置があったりする場合もあります。「民の声」をそこへまとめ上げるような活動も必要だとは思われます。


今回は、このあたりで終わります。ありがとうございました。

なお本投稿における、発表内容は発表者個人の見解に基づくものであり、本投稿にて取り上げられている組織及びサービスの公式見解ではありません。

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