PM目線で見るChatGPTのAPI

本業はPMということもあり、「新しいサービス作らないの?」などと聞かれることが多かったのだが、ここ数年は「時代が悪いから作らない」と答えていたし、事実として殆ど何も作っていなかった。

というのも、私が主戦場としているWebサービス領域には新しいサービスを差し込む隙間が殆どなかったからである。BtoBの各領域には強いSaaSが溢れ、BtoCやCtoCにおいても業界を代表するサービスがたくさんあり、それらと戦っていくことなど不可能に近いと思っていたからだ。

とはいえ抜け道みたいなものはいくつかあって、その一つは莫大な資本投下による競合との差別化である。わかりやすいのはPayPayだろうか。彼らは競合とは比べ物にならない営業費用を投下することで、電子マネー決済市場で盤石の体制を築きあげた。

このような資本投下は通常不可能であり、ゆえに「現実的ではない」という理由で捨ててしまったアイディアが幾つもあった。

捨ててしまったアイディアの中に機械学習領域のものは沢山あったのだが、どれも「データを集めるのが現実的ではない」だとか「機械学習させるためのハードウェア等々のコストが現実的ではない」だとかの理由で諦めてしまっていた。なぜなら、その初期投資ができるほどの莫大な資本を持っていなかったから。

が、ChatGPTのAPIが公開されたことによってその状況が一変した。

誰でも、莫大な資本がなくとも、超大型のデータセットを利用した機械学習の結果を利用できるようになったからだ。

これは本当にすごいことで、私の感覚ではAppleがiOSアプリの開発を誰でも出来るようにした時と同じような衝撃だ。本当にありがたい。

なんたって、今までやりたくても諦めていたことが全て個人でも実現できるようになったからだ。

今までのことが嘘みたいに、実現したいアイディアが山のように出てきている。多分これは私だけじゃなくて、Webでのモノづくりが好きな人の多くが同じ感情を抱いていると思う。事実、私の周りのプロダクト作りが好きな人たちはどんどん新サービスの作成に着手している。

こんなにも閉塞感があったWebサービスという領域が一気に加速しそうで、これがばんくし王のいうデータの民主化の効果なのかと思ったりした。

久々にちゃんとモノづくりしたいなと思ったのでした。
スポンサー募集しています。モノは作れます。

まいにちのご飯代として、よろしくお願いします。