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【読切マンガ】2024年1月~3月【ベスト10】

どうもマンガ大好き芸人の吉川きっちょむです。
よろしくおねがいしマンガ!

ありがたいことに毎日何かしらの読切マンガが雑誌やweb、アプリなどで大量に世に発表されています。そこで、これまで定期的にその中から話題になったものや個人的に響いたものをピックアップしてまとめてきました。
今回はさらにまとめて今年1月~3月の中から独断と偏見で決めた個人的な好みベスト10を紹介します!

YouTubeはじめました!

ベスト10発表前に告知させてください!

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先月から始動したのでぜひチャンネル登録、高評価、コメントしてくれると嬉しいです!
『それでも町は廻っている』『天国大魔境』石黒正数先生が描いてくれた絵も必見!
ぜひ応援お願いします!
このnote公開と同時にYouTubeでも「読切ベスト10」の動画出してるので、動画で見たい方はそちらをぜひ!


読切マンガベスト10(2024年1月~3月)

第10位 『People』 いぬいしょう

【アフタヌーン四季賞2023冬 四季賞】
(good!アフタヌーン掲載2024年3号、2024年2月7日)

観測史上最大の積雪を記録した夜。今日も仕事が終わらないサラリーマン・柳木は交通事故に遭った母親のため病院へ向かう。その道中、こんな夜に限って、続々と事件が舞い込んでくる。

コミックDAYS

なんでもない残業の夜になりそうだったのに、大雪、母の交通事故からの道中で続々と巻き起こる事件の数々。
雪の夜のワンシチュエーションで描く話で、振り回される大変さ、疲労感の先に人の温かさを感じられてとてもよかったです。


第9位 『創作文芸サークル「キャロット通信」の崩壊』 綿本おふとん

第5回トーチ漫画賞大賞受賞作
(トーチweb掲載、2024年3月28日)

エアコン組立工場で働く川上綾は、小説家志望。
繰り返される単調な日々の中、月に一度、文芸サークルの集いを楽しみにしている。
しかしある事態をきっかけに、信じていた日常は崩壊する。
「”創作”なんかから卒業するきっかけを 本当はいつも探していたんだ」
逃れられない創作の呪縛、
この苦しみが誰かの喜びに変わる時まで――。
第5回トーチ漫画賞〈大賞〉受賞作。

トーチweb

中盤から増していく圧の凄まじさ。
挫折、創作からの卒業、呪縛を描く。
卒業ができたことさえ希望であり、やめるにやめられない絶望もある。
それでも創作に縋り付いて向き合い続ける姿にぐっときました…。
作者さん自身、エアコン工場で働いていた経験もあり、裏付けのある説得力がありありと伝わってきました。
危機に直面したときに自分の本質が見えるっていうのは、この主人公の考えではあるんですが、個人的には危機に直面したときに見えるのは危機に直面したときの自分ってだけでそこが本人の本質ではないのかなと思ったりしてます。
お酒を飲んだときの姿が、お酒を飲んだときの姿というだけで本質だとは僕は思いません。理性を持ってこうしたいと思って行動する普段の姿にこそ本質があるように感じます。


第8位 『僕の友達』 吉田博嗣

(スペリオール2024年6号掲載、2024年2月22日)

狂気狂気狂気!
『令和☆陰陽師』や、読切『やすお』など狂気と現代社会の闇、不条理を描いてきた吉田博嗣先生の新作読切!
田舎の高校への転校初日の訳の分からない奇妙な入りからゾッとする展開とそうはならんだろという先へ連れてかれてたまらない!


第7位 『おさななじみのひと』 菰田コトヒロ

(少年ジャンプ+掲載、2024年3月1日)

幼少期に別れた幼馴染を今でも密かに慕う、沙粧立花。高校で久しぶりに再会した幼馴染の口からは「俺を踏んでほしい」と埒外の提案が…!?

少年ジャンプ+

めっちゃよかったです…!!
幼馴染のピュアな恋愛でありつつ深い性癖まで突っ込んで、思春期の有り様を描き、さらに笑える要素まで詰め込まれていてバランス感覚がすごい!
列は笑っちゃう!
ジャンプGIGA2023WINTER掲載の読切『モーニングルーティン』も青春していながら角度ついててめちゃくちゃよかったので、これからも楽しみな作者さんです。


第6位 『写して』 山本登

(少年ジャンプ+掲載、2024年3月7日)

今年で高校卒業となる洲崎和は誰しもがいい感じに写りたいもの――“卒業写真”の撮影に臨む。過去の出来事から和には譲れない写真姿の一線があるのだが、校則に阻まれてしまい、人生最大のピンチに立たされることに…!小さいかもしれないが当人にとっては大切なもの、そんな一瞬を切りとった山本登先生の鮮烈なデビュー読切登場!!

少年ジャンプ+

めっっちゃ面白かったですー!!
卒業アルバム個人撮影時の譲れない一線を巡る騒動。
厳しい校則と高圧的な教師、そして一生ものの写真に懸ける覚悟が合わさって迎える後半の盛り上がりが最高でした!!
冒頭で分かるように、この話自体が過去に対する回想になっていることでさらに時間に厚みが出てグッときました! めちゃくちゃ好き!!
過去の読切『ザファーストピッチセレモニーライフ』もよかったですね。


第5位 『スクエアノット』 ヨシダ。

【アフタヌーン四季賞2023冬 四季大賞】
(アフタヌーン2024年3月号、2024年1月25日)

家がお隣同士のリツとサトルは幼いころから仲良し。高校卒業後も一緒に地元を離れ、東京に行くことを約束していた。ある日、リツがサトルの家にいくと進路希望調査票を見つける。そこには地元で就職を希望する旨が書かれていた。

コミックDAYS

最高…最高でした…!
生涯に渡って描く二人だけの関係性がとても良くて最後の見開きでうおーっとなりました!
さすがの四季大賞!すぐにでも連載を読みたくなるポップさ、読みやすさも素晴らしいです。
↓共感して最高になってくれてるお二方。


第4位 『女友達』 椎彩人

(少年ジャンプ+掲載、2024年2月11日)

授業参観に現れたのは、イカみたいなバケモノ。たまたま魔法使いの娘だった「先生」はバケモノの呪いを解くためにマイペースに奮闘し始める…!

少年ジャンプ+

面白かったー!!
異常事態が起きてるけど、段階的に世界観やキャラの背景のネタバラシありつつ、先生の妙に落ち着いたローなテンションと「女友達」になっていく過程がめちゃくちゃ良い…。
オチが秀逸です。


第3位 『美しいもの』 鳥井泳

(COMIC MeDu掲載、2024年3月29日)

寂れた避暑地の美術館。
学芸員として働く灯台守は迫る閉館を前に、やりたい事を見失いながら日々を過ごしてた。そんなある日、遠方から一人の少年が訪れ、一枚の画をじっと見つめていて。美術館には似つかわしくないその少年が語る、画に秘められた想いとはー。
新鋭が贈る、記憶と邂逅の鮮烈読み切り。

COMIC MeDu

素晴らしかったです。
美しいもの、美しいと感じること、忘れないこと。感動しました。
日々、情報の洪水の中で美しいと感じる瞬間を大切にしたい。
多く語るのも野暮なのでぜひ読んでみてください。


第2位 『ヒトナー』 屋宜知宏

(少年ジャンプ+掲載、2024年2月15日)

『アイアンナイト』、『レッドスプライト』の屋宜知宏最新作!!獣人が住む星に一人の地球人が訪れる。獣人たちは初めて目にする“ヒト”の姿に動揺し!?獣たちの“ヒト”観察が始まる…!!

少年ジャンプ+

読んでよかった!泣いた!
素晴らしく上質なSF短編!ケモ視点でのヒトとの異種交流記。
獣人の星に降り立った一人の宇宙飛行士。彼らはヒトの姿に動揺し隔離するが…。
コメディの温度感を保ちつつ宇宙の広さを感じさせる壮大なSF最高でした!
単純な種族の逆転に留まらず、さらに奥まで設定を突き詰めて考えられつつフェティシズムを刺激してくる要素まで!
SF的にも、この獣人の星ってもしかして…とも考えられそうで、いろいろ考えを巡らせたくなります。
『アイアンナイト』『レッドスプライト』の屋宜知宏先生の新作を読めたっていうのがとにかくすっごく嬉しいですねー。


第1位 『みっちゃんの皮膚』 胃下舌ミィ

(SHURO掲載、2024年1月8日)

幼なじみのみっちゃんの肌は青くて、動くたび、いっつもギコチナイ音がする。
――言葉にできないこの気持ちは、いったい、何? 
読むと心がギュッとなる。
注目の漫画家・胃下舌ミィが描く新作短編。

SHURO

幼なじみのみっちゃんは自作の着ぐるみをずっと着て生活をしている。
外見とか中身とか性別とか関係なく、それ自体がみっちゃんでありそのまま見てほしいだけなのに…。
自分の在り方、どう扱ってほしいか、どう見てほしくないかの話でとてもよかったです!人によって外見で扱ってほしい場合もあるし、内面を見てほしい場合もある。雑に決めつけず、その人の魂がどこにあるのか一人ひとりに向き合って考えていきたいですね。素直に生きたいだけなのに自分らしくいられないというのは、日々の中で死んでいくのに等しいと感じる人もいます。
体温を感じる結末が素敵でした!


番外編「過去作の再掲載作品」

『地の底の天上』 竹良実

(月刊!スピリッツ 2013年11月号掲載、ビッコミに期間限定再掲載2024年3月2日)

わー!これまた読みたかったんだ!再掲載ありがとうございます!!!
超名作です!!竹良実先生のデビュー作!
紙幣の制作者と贋作師、互いに顔も知らない天才二人だけが到達できた高みで分かり合えた話!感動で震える!!
この公開を逃すと、読める手段が無くなる可能性があるのでお見逃し無く!
連載作品ももちろん素晴らしいんですが竹良先生の他の短編もまた絶品なので、『不朽のフェーネチカ』も読んでみてほしいです。こちらは85pの読切で電子書籍化されています。

『ODD FUTURE』 中島佑

【2015年後期・第68回ちばてつや賞一般部門】大賞受賞作品
(コミックDAYS再掲載、2024年3月29日)

真剣にお笑いに向き合っていたが苦悩の末にアイドルにハマって辞めていった主人公と、売れていくイケメン芸人。イケメン芸人は主人公・清水の才能を羨み、清水はイケメン芸人を妬んでいたが…。
2015年の名作。サイト「モアイ」の閉鎖で読めなくなっていたものが「コミックDAYS」にて復活再掲載。大好きなのでまた読めてよかったです!!
おそらく都内にいるであろう1万人ほどの売れていない芸人が抱えている苦しみ、葛藤、光と闇が生々しく描かれてます。
作中にあるセリフの通り「売れなきゃ仕事として成り立たないし、自己満足だけじゃ食っていけない」。それでもやりたい人たちが頑張っている。僕はその流れから少し逸れたんですが、ネタで勝負することに夢見てこの業界に入ったので未だにもやもやしています。
当時、作者さんがお笑いの劇場(おそらく「ヨシモト∞ホール」)に見に来てて、元「ザ☆忍者・大久保」さん(現・大久保たもつ(パンダ)さん)を見て主人公のモデルにしてたって話だったと思います。当時、大久保さんがまだ芸人を辞める前に、この漫画を読んでTwitterで感想をつぶやいたところ、作者から返信があったと喜んでいました。大好きな先輩です。
↓作者さんのこちらの読切もオススメ!


個人的なニュースですが!
「朝日中高生新聞」でのマンガ紹介連載が4月から始まりました!
『マンガ大好き芸人 吉川きっちょむの読んでアオハる!』

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