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あなたはよくねむるひとでした。 「013_がっぽさん」は削除しました。

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マガジン

  • 奇譚

    進行形で記憶を供養していきます。

  • ためになるもの

    これはためになるものだ。 ためになるものをいれるはこなのだ。

  • よいもの

    これはよいものだ。 よいものをいれるはこなのだ。

  • エッセイ/日記

    考えたこと感じたこと。

  • 交差点

    交差点とその後。

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001_坂

坂がある。 A町から大学病院方面へ抜ける坂がある。 日中は学生がよく通る、平凡でありふれたちょっと薄暗い坂。 日が沈むにつれて人の往来はなくなり、 脇に茂る竹藪が風で擦れ合う音だけが耳に残る。 先輩からこんなことを聞いた。 雪が積もる夜にこの坂を二人で降りてはいけない。 一人で降りても三人で降りても良い。 二人で登っても良い。 二人で降りてはいけない。 二人の間にもう一つ足跡がつくから。 友人Nと坂を降りていると、ふとこの話を思い出した。 信じていなかったけれど、

    • ボタ001_品種不明

      ギラウミニアナの実生が可愛すぎて… いつか種から育てたいと思っていたけど なかなか売っていない…というところ、 久しぶりに入荷されたので早速購入、 というのが一ヶ月ほど前の話。 5粒買ったけどなかなか発芽せず ようやくひとつ芽が出たのが2週間ほど前の話。 なんか違和感あるなぁと思いながらも 個体差かなと気にしていなかったのですが おおおお! おおお! おおおおお!!

      • 022_N公園

        公園がある。 飲み屋街の隅に公園がある。 遊具も殆どない。 ブランコと小さな滑り台、 2つのベンチがあるだけの公園。 子供が遊ぶような立地ではないけど、 簡素な公園がぽつりとある。 N公園というらしい。 飲み会帰りに公園を通った時、 ベンチ横にスマホを眺めている女性がいて、 誰か待っているのかな、と前を横切った。 ちらりと女性の方を見ると、 女性は口角をぐにゃりと上げて、 小刻みに頭を前後に揺らしていた。 人様の顔をじっくりと観察する気もなく、 通り過ぎる際に見えた

        • 順調…!

        • 固定された記事

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        記事

          3年目にしてついに花芽が…!!パキポディウム・ロスラーツムです。

          3年目にしてついに花芽が…!!パキポディウム・ロスラーツムです。

          021_霊感テスト

          霊感があるかどうかをチェックするテストがある。 目を瞑って自宅の玄関から各部屋の中を想像し、 誰かがいたら霊感が、というテストがある。 怖いものが苦手なHと話をしているとき、 脅かしてみたくなって、霊感テストということは 伏せて簡単な心理テストとしてやらせてみた。 目を瞑って、自宅を思い浮かべます。 玄関から入って、洗面所のドアを開けます。 ゆっくり歩いて浴室のドアも開けます。 窓があるなら窓も開けて、 その後はリビングに向かいます。 リビングを左回りに回って、 クロ

          021_霊感テスト

          煙草#新生活20字小説

          じっくり燻された肺胞が眠り、僕も眠った。 #新生活20字小説

          煙草#新生活20字小説

          暖かくなってきてだんだん起きてきた…!ドルステニアラブラニー!成長遅過ぎる…けど葉っぱが可愛いから許せる。

          暖かくなってきてだんだん起きてきた…!ドルステニアラブラニー!成長遅過ぎる…けど葉っぱが可愛いから許せる。

          020_蔵の中

          座敷林に囲まれた敷地の外れに蔵がある。 漆喰の壁に囲まれた蔵の中に蔵がある。 サークルの友人Bから聞いた話。 Bの地元は散村で有名な地域で、 実家もそれなりに由緒ある家系だからか 敷地に大きな蔵が2つもある。 そのうちの1つは商店をやっていたころの名残で 陶磁器や掛け軸、桐箪笥といった古道具が びっしりと詰められている。 春と秋の天気の良い日には家族総出で 虫干しと掃除を半日以上かけて行うのが風物詩だった。 作業を終えた後には、祖父母からお小遣いがもらえて、 家族み

          020_蔵の中

          溶ける石 #新生活20字小説

          蹴飛ばし運んだ石はもうどこにもなかった。 #新生活20字小説

          溶ける石 #新生活20字小説

          これは良い桜。良いものです。

          これは良い桜。良いものです。

          エッセイ/シュロとTジュロとソテツ

          今までソテツだと思っていたものがシュロだった時の衝撃たるや… 偶然ソテツ地獄という言葉を知ったので せっかくなのでソテツエピソードをば。 シュッとしているのがシュロで、 ずんぐりしているのがソテツ。 細長い南国っぽいやつはだいたいトウジュロ。 庭とかにある背高いやつはだいたいトウジュロ。 いつもソテツと間違えられがちなので 「あれはトウジュロだね」って解説できるとスマート。 シュロ系はヤシ科、ソテツはソテツ科。 シュロは葉柄が長くて扇状に大味な葉っぱ、 ソテツは葉柄の両

          エッセイ/シュロとTジュロとソテツ

          019_アルバイト(大学図書館)

          大学図書館事務補助というアルバイトがある。 受付、配架・書架整理を行うアルバイトがある。 自学生だけを対象とした 大学が募集しているアルバイトだ。 勤務地が大学内というのは都合がよく、 空いている時間は本を読んだり 課題をしたりしても良いので 学生にとっては破格の勤務条件だ。 あと、地方にしては時給も悪くない。 そんなバイトなので辞める人は殆どいない。 たまたま卒業生の枠に滑り込むことが できた自分は幸運だったといえる。 平日の勤務は16時半から22時半まで。 閉館後

          019_アルバイト(大学図書館)

          エッセイ/なにものかのように振る舞い続けた、なにものにもなれなかった

          とってつけた言い訳を大事に抱えて、 かっこつけた言い淀みで繋いで、  その場をしのいできました。 その集大成が現状の自分なんだなと。 今もあるのか分からないのですが、 古めの洋楽のCDを買うと ペラペラ冊子の和訳が入っていたんです。 マリリン・マンソンのThe Nobodiesだったかな。 その中に「ひとかどの人物になりたかった」 みたいに訳されたフレーズがあって、 酷く不恰好な訳だなぁなんて 一丁前に思ったことをふと思い出しました。 漠然とひとかどになりたかった、

          エッセイ/なにものかのように振る舞い続けた、なにものにもなれなかった

          018_交差点3

          交差点がある。 友人から観察記録が送られてくる交差点がある。 #私の作品紹介 #眠れない夜に

          018_交差点3

          017_手の鳴る音

          手の鳴る音がある。 両手を打つ音がある。 うちに泊まって欲しい。 サークル棟のベンチで友人たちと煙草を吸っていると、 何の脈絡もなくKに誘われた。 Kは実家から大学近くのアパートに最近引っ越していた。 引っ越した当初は人を呼びたくなるよね、と深く考えず いいよ、と返した。 帰り道のスーパーで買い出しを行い、アパートに向かう。 学生が多く住むA町ではあるが、賃貸よりも一戸建てが 多い場所にKのアパートはあった。 この辺りは大学移転に伴う開発があまり入らなかった区画で

          017_手の鳴る音