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文系の blender

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物理/光学シミュレータとしての側面も持つ blender は、理系の専門用語が頻出し、ときどき文系の頭を揺らします。そんな文系のわたしが理解できる範囲で、ライティングやマテリアル… もっと読む
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記事一覧

文系の blender 4.1 はじめての Geometry Node | 不思議なボール

不思議な動きをするボールの動画があり、ジオメトリノードでもできないかと、再現してみました。 環境 Blender 4.1.0 , Mac Mini M1 OS 14.4 ことばでは説明がむつかしいので、動画をご覧ください。 準備 半径 0.05 m の平面の円を作成し、名前はCircle とした。 Geometry Node 平面など任意のオブジェクトを追加 上部メニューの Geometry Nodes を選択 New(新規)ボタンをクリック Group I

blender 4.1 かんたんモデリング | トイを作ろう

各種モディファイアはとても便利な機能ですが、しばらく使わないと細かな手順などを忘れてしまい、また検索して調べることになりがちです。 そこで、自分用もかねて、比較的形状のシンプルな知育玩具を作りながら、おもにモディファイアを使った簡単なモデリングを紹介します。 環境 Blender 4.1.0 , Mac Mini M1 OS 14.4 Toy01 Block01 大きさ 0.1 m の立方体を作成、下の 2 辺を選択し、ここでは、S X キーで中央に寄せる。 ベベ

文系の blender 4.1 はじめての Geometry Node | Math 数式ノード

こどもがピーマンやニンジンを嫌うように、われわれ文系は数式が嫌いです。文系に数をみせると、物理的(病理学的)に、頭痛を引き起こしているというデータもあるそうです。 ただ、さすがにジオメトリノードに数式はどこかに出てくるものなので、しかたなく整理します。嫌いなおかずは最初に食べるタイプです。 環境 Blender 4.1.0 , Mac Mini M1 OS 14.4 Math | 数式 Functions | 関数Add, Subtract, Multiply, Di

文系の blender 4.1 マテリアル | 28年後..

はじめて、映画「スターウォーズ」をみたとき、登場するホバーカーや宇宙船が汚れていて、「すごい、リアルだ」と思った記憶があります。それまでのSF映画の乗り物といえば、ピカピカなのが当たり前だったからです。 そのようなことで、ここでは、経年劣化用のマテリアルを作ってみました。 環境 Blender 4.1.0 , Mac Mini M1 OS 14.4 Happy Birthday 誕生日プレゼントの Villac 社 幼児用プッシュバイク、クラシックレースカーバージョン。

文系の blender 4.1 はじめての Geometry Node | ミニマムアートを模写する

ミケランジェロだってピカソだって、最初はお手本を模写することから始めています。 不肖わたくしもそれに習おうと思いますが、美術館の名画を模写するわけにはいかないので、シンプルなミニマムアートを、ジオメトリノードで模写してみました。 環境 Blender 4.1.0 , Mac Mini M1 OS 14.4 Case 01 最初のお手本。バウハウスの1923年のポスター。いやいや、そんなのはそもそもジオメトリノードどころか blender でなくてもいいでしょ、と去らない

文系の blender 4.1 マテリアル | 名作チェア

すこし意外かもしれませんが、それまで、ほとんど木、革、布でできていた椅子の素材が一気に多様化したのは、比較的最近(ここ100年くらい)のことです。 ここでは、そのころ製造された、材質に特徴のある名作椅子のマテリアルを素材別に作成してみました。 環境 Blender 4.1.0 , Mac Mini M1 OS 14.4 Blow Chair (1967) イタリアのデザイングループ DDL による「空気で膨らませるチェア」。素材はPVC(ポリ塩化ビニル)。 ちょっと懐か

文系の blender 4.1 はじめての Geometry Node | Repeat 繰り返し

前の記事で、ほとんどのプログラムは、if(条件分岐)と、for, while(繰り返し)でできている、と書きましたが、ほぼ本当です。 ジオメトリノードでは、for, while などのノードはありませんが、おもに比較的最近になって導入された Repeat ノードがそれにあたります。 ここでは、その Repeat ノードについて、簡単に紹介します。 環境 Blender 4.1.0 , Mac Mini M1 OS 14.4 Node の作成 Geometry Nod

blender 4.1 はじめてのフォトリアル

「はじめて」とつくと、やはりローポリーからはじめることが多いようですが、ここではあえて、フォトリアル系のモデリングからレンダリングまでをタイムラスプ風に紹介してみようと思います。 すこし迷ったのですが、フォトリアルは「はじめて」とし、まったくの初心者ではなく、基本操作はすでにマスターされてるかたを想定し、こまかな操作の説明は省きました。 環境 Blender 4.1.0 , Mac Mini M1 OS 14.4 01. モデリング コーヒーカップ 頂点 18 半径

文系の blender 4.1 はじめての Geometry Node | If 条件分岐

もちろん用途にもよりますが、幸いなことに、プログラムを組むのに必ずしも高度な数学は必要ありません。 プログラムを構成しているほとんどの要素は、比較的単純な、条件分岐(If)と、繰り返し(for, while)です。それだけで、この note のウェブアプリケーションですら主要部分を構築できるでしょう。 そこで、ここでは、ジオメトリノードの条件分岐についての基本を簡単に紹介します。 環境 Blender 4.1.0 , Mac Mini M1 OS 14.4 Node

blender 4.1 知らなくて損をしていた 基本機能

blender はまったくの独習で、なんどか中断期間もあり、基本知識があいまいで、誰もが知っている機能を知らず、ひどく偏っているような気がしていました。 今回の中断も長く(ほとんど3.xは使っていない)、この note を書き始めた理由も、忘れかけていたこれまでの知識の拾い出しと、新しい知識の習得がひとつです。 そのなかで、いままで知らなくてずいぶん損をしていた基本機能を下に書き出します。 環境 Blender 4.1.0 , Mac Mini M1 OS 14.4

文系の blender 4.1 はじめての Geometry Node | プロシージャルに花束を

われわれのような面倒くさがりでなくとも、コンピュータに任せたい仕事のひとつは、やはり地味で繰り返しの多い作業で、ジオメトリノードはそのような作業に最適です。 ここでは、実用性が高くチュートリアルでもよくみかける Distribute Points on Faces ノードを利用し、手作業では時間のかかりそうなフラワーアレンジメント風の花枝を生成してみます。 環境 Blender 4.1.0 , Mac Mini M1 OS 14.4 準備 最初に、下の3オブジェクトを作

文系の blender 4.1 | HDRI 照明

ライティングの手法のひとつとして、HDRI 画像による環境光(背景光)を用いる方法があります。 通常のライティングのように、ライトの強さや位置などをそれぞれ調整する必要がなく、現実の環境を用いて簡易に照明を構成できるのが特長です。 ここでは、HDRI の画像のタイプ別に、そのレンダリング結果を試験しました。 環境 Blender 4.1.0 , Mac Mini M1 OS 14.2 3点照明 まずは比較のための、ごく通常の基本の3点照明。キー、フィル、バックライトの3

文系の blender 4.1 マテリアル | 陶器 磁器 土器

コーヒーカップのマテリアル作りにじっくり時間をかける機会はあまりないかもしれませんが、すこし手間をかけると比較的リアルなそれらしい雰囲気が出ます。 ここでは、焼きもののタイプ別に、器のマテリアルを整理してみました。 環境 Blender 4.1.0 , Mac Mini M1 OS 14.2 陶器 陶土、いわゆる粘土を用いた焼きもの。 デフォルトのプリンシプルBSDFから、粗さを 0.1 となめらかめに設定したのみ。これだけの設定でほぼ焼きものに見える。 釉薬の雰囲

文系の blender 4.1 はじめての Geometry Node | 円を描く

文系のわれわれにとってジオメトリノードの数式ノードは鬼門です。 そこで、数式ノードに少しでも慣れるため、遠回りにごく普通の円(Circle)を描画してみます。それだけではつまらないので、ちょっとおもしろい円のアニメーションも制作します。 環境 Blender 4.1.0 , Mac Mini M1 OS 14.2 準備Curve > Nurbs Curve を追加する。(カーブ > NURBSカーブ) Geometry Node 上部メニューの Geometry N