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白ページの誘惑(後半) ~【本の編集】作るときに最初に決めること、成り行きで変わること~

前半から引き続き、白ページの扱い方について書きます。

推敲や校正段階、著者が書きたかったであろう表現イメージや文章メイクをうながすのが本来の作業現場の役割です。こうした役割のあるなか、成り行きで決まるはずの章末、白ページを入稿で指定するとどうなるか。著者から出てきた新たな意向や変更、気づきを文章に反映する機会を奪いかねません。文章量の増減のせいで組版が指定どおりにいかなくなることも多いので、編集チームでお互い不要な解釈や誤解が生まれやすくなり、確認の手間も増えます。さらにコミュニケーションがうまくとれていない事態が重なると、紙の本は刷り直しになる場合があります。

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