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なぜ人は芸術祭をやるのか。北海道の国松希根太さん、九州の松崎宏史さんと白老で語る

飛生アートコミュニティー(北海道)、糸島芸能(九州)の代表のお二人を招いたトークイベント「北と南の芸術祭」。
地域の方や、芸術祭に関係のある方、飛生アートコミュニティーのメンバーなど、たくさんの方にご来場いただきました。
おかげさまでとても有意義な会になりました、本当にありがとうございました。

会場はギャラリー/イベントスペースの「しらおい創造空間蔵」に併設している「くらと」。
石造りの壁にマッチしたアンティークな家具が配置された、とても素敵な空間でした。


前半は国松さんと松崎さんがなぜアートに関わるようになったのかなど、お互いの根っこの部分についてお話を伺いました。
2人とも最初からアーティストになろうとしていた訳ではなく、偶発的に導かれていったことが大変興味深かったです。

そこから芸術祭を始めたきっかけについて。


国松さんは自分が子供だった頃の飛生のように、人が集まる場を再び創ろうと飛生芸術祭を開催し、その過程で飛生の森づくりプロジェクトやTOBIU CAMPというイベントを始め、繰り返す内に本当に自分たちがやりたい表現が変化していったそうです。
イベントの規模を大きくするのではなく、逆にどんどん小さくすることに面白さを感じているとのことでした。


松崎さんはドイツ・ベルリンの芸術村でアーティストとして活動された後に帰国し、故郷の糸島で絵画教室を始めます。
そのうちに糸島で芸術祭ができるのでは?と糸島芸能を企画し、アーティストと近隣住民との間に挟まれ苦労を重ねながらも糸島で芸術祭を継続してきました。


飛生と糸島、どちらも大きな都市ではありません。
飛生(正確には旧飛生地区で、現在は竹浦)は、人口16,000人ほどの白老町の中でも奥地にあり、旧飛生地区は10世帯ほどの集落です。
一方の福岡県・糸島市は人口こそ約10万人と白老町よりも規模は大きく、自然豊かなベッドタウンでもあり最近は観光地としても人気とのことですが、松崎さんがお住いの地域は山道に田畑が広がっている地域でした。

↑こちらは以前に糸島にお伺いした時の記事です。
少しだけ写真もあります。

お話を聞いていて感じたのは、どちらの芸術祭も環境を作り上げていく楽しさに満ちているということでした。
例えば大都市の芸術祭の場合は「どの会場にどの作品を置くか」という視点から計画が始まったりもするのかと思うのですが、両地域の場合はそもそもギャラリーや美術館というものが存在しておらず、場を創ることから始めなくてはいけません。

あとはお二人ともお話が(生き方が)面白くてあっという間に時間が過ぎていきました。
ご来場の皆さんにも楽しんでいただけたようで、会場の空気感もとても良かったです。

今後、北と南の芸術祭が何かしら連携すると面白いと思いつつも
お互いに無理なく、緩やかに繋がっていくことが大事なのだろうなぁ、と。

改めましてご来場のみなさま、ゲストのお二人、松崎さんご家族のみなさん、くらとのきょんちゃん、写真を撮影してくれたyixtape、ありがとうございました。

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