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アートと地域社会が繋がる街・別府で学ぶ、地方都市における芸術文化の在り方と、中間支援の必要性について【S2-Day3】

博多でレンタカーを借りて、大分県別府に向けていざ出発!
目指すは別府のTRANSIT - 別府市創造交流発信拠点であります。

こちらは千歳のチューバ奏者・坪田さんの先輩にあたる堀切さんにお会いしに伺いました。
閉館の1時間くらい前に到着したのですが、にも関わらずTRANSITについて細かく教えていただきました。

かねてより、私は「アーティストの移住」というのは地方都市にとって大きな意味をもつテーマだと思っているのですね。
というのも、九州も北海道も大学の選択肢が多くなく、その中でも特に芸術系の大学は少ないため、多くの野心的な若者が関東もしくは関西(ときどき海外)に流出します。

よく私たちの公演でも「学割」って設定するんですけど、正直なところ利用者が少ないと感じています。
それは私たちにも問題はあるのでしょうが、一方で先鋭的なことを好む若者は大都市に流出しやすいという事情もあるのではと、最近特に感じます。


一方で、前回の投稿でも書いたのですけれども「こどものいるアーティスト」さらにいうと「ある程度のキャリアを関東・関西や海外で積んだ30~40代のアーティスト」の中には、創造環境の変化を求めて地方都市に移住する人が一定数いる、ということがあります。
前回の九州訪問時もFukuoka Artist Cafeでは「30-40代のUターンや移住希望のアーティストからの相談が多い」と聞いていました。

さて、別府のTRANSITの話に戻りますが、WEBにはこのように記載されています。

TRANSITでは、別府市内の芸術文化に関する情報を発信する拠点であるとともに、創造的な人材の移住支援や活動紹介、地域課題や企業のお困りごとを創造的に解決する人材とのマッチング業務などを通じ、地域と創造力とのつなぎ手となることで、より魅力的で住みたくなる地域づくりを目指します。


簡単に書いてしまうと、アーティストの移住支援を起点に下記のモノコトに繋げていく、ということだと勝手に解釈しています。

・アーティストの移住支援
・創造活動のサポート
・まちの魅力発信
・文化観光情報の発信
・地域課題や企業課題をアートで解決
・アーティストのお仕事マッチング
・アートによる別府の空き家再活用
・別府発信のアートフェアにつなげる

この移住構想の出発点となった(と思われる)のが清島アパートです。
こちらもWEBから引用させていただくと・・・


清島アパートとは

大分県別府市にある戦後すぐに建てられた3棟22 室からなる元下宿アパートで、現在、NPO法人BEPPU PROJECTがアーティストの活動支援の一環として運営しています。
「若い人が集まることで、活気が生まれてほしい」と、大家様のご理解のもと、全国各地から集まる様々なアーティスト/クリエーターの居住・制作環境として活用されており、清島アパート住人や集まってくる人々による多様な企画が催されています。

1階は各アーティストのアトリエとして使用されており
2階は各アーティストの居住スペースになっています。
家賃は低価格に設定されており、大学を卒業したばかりのアーティストなど幅広いキャリアのアーティストが活用できるようになっております。

滞在アーティストの東京ディスティニーランドさんにお話を伺うことができたのですが、別府は面白い人がそこら中にいて、それこそ街を歩けば毎日新しい何かに出くわす、そんな街なのだそうです。
東京ディスティニーランドさんは一人芝居のアーティストで、別府を拠点に全国を横断しているとのこと。

このアパートには共有空間もあるのですが、アーティスト同士が交流するのはもちろんのこと、近所の方もよく遊びにくるそうです。
地域とアートがきちんと繋がっているんですね。
そしてアーティストを面白がる土壌がある。

街中に作品があったり、アートと地域産業を繋げた商品を揃えたセレクトショップ(ミュージアムショップ)があったり。
ただアートが街に存在しているだけではなく、地域経済、観光、地域課題、行政とちゃんと繋がっているのが別府であります。
もちろん課題はたくさんあると思いますが、それでも確実に日本の地方都市のトップランナーのひとつですよね。

BEPPU PROJECTの活動はもちろん素晴らしいのですが、別府は港町ということもあり、流れ者にも寛容だったりする土壌があるようで、個性的なアーティストにとっても馴染みやすい土地のようです。
そこにきちんとサポートしてくれる中間支援団体があることで、活動のしやすさというのは爆発的に広がりますよね。

おそらくですけど、人口もちょうどよくて。
札幌や福岡だと街が大きすぎてできないことが、別府ならできるということもたくさんあると思います。
札幌や福岡はおそらく「空き家の再活用」というのがほとんどできないのではないでしょうか。
だって、すぐにマンションになっちゃいますから。

この教会もなんだかすごかったなぁ。
幼稚園と教会が一緒になっているのですが、教会は一般の方も出入り自由なのだそうです。
またゆっくり別府に行きたいです。

堀切さん、遅くまでいろいろとご案内していただき、本当にありがとうございました!

今日と明日の宿はこちら。
ライブハウスを改装した民泊とのこと。
お部屋の雰囲気(テーマ?)が部屋ごとに違っていて、クラブっぽいやや落ち着かない部屋が一部屋あったのですが、そこは景井君が自ら「ここがいい!」と選んでました。

夜遅くなったし、疲れていたので食事は近所のスーパーの半額お惣菜。
美味しかったです。
明日は宮崎に行きます。

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